2019年5月9日木曜日

1_167 グランドキャニオンの不整合 4:ジルコン

 花崗岩質のマグマが固まる時、ジルコンという鉱物ができます。ジルコンは丈夫な鉱物なので、風化や侵食を受けても残ります。ジルコンを調べることで、スノーボールアースの様子を復元しています。

 スノーボールアースのような氷河期があると、陸地が激しく侵食されと考えられます。現在の南極大陸は、氷河(氷床といいます)で覆われています。氷床が自重によって移動することによって、大陸地殻は激しく侵食を受けていきます。スノーボールアースの時代には、すべての大陸(赤道付近でも)に、氷床、氷河が形成されていました。そこでは、南極の氷床と同じように、地殻の侵食作用が大規模に起こったと考えられます。
 堆積物の形成年代を調べて、地球史の全時代でみていくと、カンブリア紀の始まり、つまり顕生代のはじまりを境にして、顕生代以降は大量になります。カンブリア紀以前は、堆積物はどの時代のものも少なく、その量は5分の1以下になっています。
 古いものは、侵食などで少なくなるのは、摂理で当然なのですが、それにしてもある時から急にその量に差があるのは、不思議な現象です。何らかの原因で、激しい侵食を受けているのではないかと考えられます。その原因が、スノーボールアースによる侵食だと考えられます。激しい侵食の結果、グランドキャニオンの不整合ができたというシナリオになります。
 スノーボールアースの氷河が、何度かにわたって形成されることで、残された堆積物の量からみると、大陸地殻(堆積物も含めて)の大半が侵食されたことになります。削られた堆積物は、海洋プレートの沈み込みで地殻深部にもたらされたと考えられます。ただし、地殻物質は堆積物になっても密度が小さいのマントルに沈み込むことはできません。
 その検証に、報告ではジルコンという鉱物を用いています。 ジルコンは火成作用の年代を調べることにも用いられているのですが、この報告では、同位体組成のデータを集めて検討しています。ジルコンという鉱物は、花崗岩質のマグマから結晶化してできたものです。そのため花崗岩質マグマの性質を反映していることになります。
 ジルコン中の酸素とハフニウム(Hf)の同位体組成を検討すると、スノーボールアース直後に両者ともに、激しい数値の変化が見られました。酸素同位体は、地表の低温の熱水の影響を受けたことを示していました。その熱水は、堆積物から由来している可能性があります。
 酸素とハフニウムの比をとると、花崗岩のマグマが形成される時に、地殻物質が取り込まれたときに、大きく変化することがわかっています。比が正の値になる時は地殻物質の取り込みが多くなり、負の時は少ないとされています。比は正の大きな値となっていました。
 以上のことから、グランドキャニオンの不整合の時代には、激しい侵食を受けて、その物質が地殻物質として再利用されることになったと考えられています。さらにもうひとつの証拠も見つかっています。それは、次回としましょう。

・人それぞれ・
今回のような長い休暇は人によって過ごし方が
いろいろあると思います。
正規雇用に人は、楽しく長い、休暇となるでしょう。
非正規雇用の人にとっては、
大幅な収入減になりかねません。
サービス業の人にとっては、
かきいれ時でもあり、
休めない人も多いかもしれません。
学生の多くは、アルバイトをしています。
業種も飲食はコンビニのサービス業が多いので
忙しそうに働いています。
生活費を自力にまかなっている学生にとっては、
長い休みにはしっかり稼げるのでいいかもしれません。
同じ非正規雇用の人にとっても、
ゴールデンウィークは、人それぞれで多様ですね。

・桜の花見・
ゴールデンウィークはいかが過ごしだったでしょうか。
私は、前半の5日間は、
家内と二人で北海道の地方に滞在していました。
静かな休日となりました。
桜が咲き始めていて、桜の多い近くの公園に、
満開の桜を毎日に見み通いました。
そんないい場所なのに、人はほんどいませんでした。
後半は、自宅で過ごしました。
毎日、午前中は大学に出て仕事をして、
午後にはのんびりとしました。
大学の桜並木も、ほとんど人のいなところで
満開を迎えたのを見ました。
天気のいい日には、夫婦で有名な公園に
花見にいきました。
幸いまだ桜が満開で、再度、花見ができました。