2018年4月19日木曜日

2_157 恐竜の卵 1:鳥と恐竜

 恐竜の卵の化石は、恐竜展などに付随して展示されることがありますが、主役になることはあまりないようです。卵化石自体は、あまりインパクトがないので主役級にはなりませんが、研究では主役になることは度々ありました。

 鳥類は、あるタイプの恐竜の子孫であることは、だいぶ知られるようになってきました。鳥の生態から、恐竜の生態を窺い知ることは、ある程度はできることは容易に想像できます。しかしながら、鳥からは、恐竜の凄さがなかなか実感できそうにありません。
 一番身近な鳥は、フライド・チキンで見るニワトリでしょうか。フライド・チキンの骨は、人の歯にとっては固いものですが、豚や牛と比べると、非常に華奢です。これは、鳥が飛ぶために特化したためです。私たちが食べているニワトリは、飼育下で飛ぶことを諦めましたが、骨は華奢なままです。鳥類は恐竜の子孫ではありますが、骨の頑丈さもサイズも全く違っています。鳥からは、恐竜の巨大さを実感することができません。
 恐竜の化石から一番に感じることができことは、その巨大さや多様さでしょう。ところが、化石からは、恐竜の生態を知ることができません。
 鳥と恐竜化石のどちらにも、長短があるので、お互いで補いながら昔の恐竜を想像するしかありません。あるいは、現世の爬虫類の生態からも補っていけるでしょう。
 さて、本題の恐竜の卵についてです。卵化石は、1923年に発見されました。アメリカ自然史博物館の研究者たちが、モンゴルで初期の人類化石の調査をしている時、偶然発見したものが、最初の科学的記録とされています。それ以降、多数の卵化石が見つかっています。
 中国の雲南省では、約1億9700万~1億9000万年前(ジュラ紀前期)から卵の化石が見つかっており、最古とされています。その化石には孵化前の化石も含まれていというオマケもついていました。
 昨年末(12月1日号)のアメリカの科学雑誌サイエンス誌に、中国北西部で、翼竜の卵の化石が大量に見つかった、という報告もありました。その数は、少なくとも215個で、多分300個ほどの卵化石があるようです。その中には、非常に保存よい化石もあり、卵の中の胚があるものも16個、発見しています。まだ、岩石の中に掘り出せは見つかるのではないかと考えられています。この地層のあったところは、翼竜たちの営巣地だったことになるはずです。
 卵の化石は、形が「卵型」なので、サイズの違いだけで、親がどの種であったかを知ることは難しいものです。ところが、卵と一緒に化石になっている親恐竜の化石も見つかっていることから、ある程度は親と卵の様子を窺い知ることが可能となってきました。

・日本の恐竜・
恐竜の化石は、子どもにとっては
もっとも興味を引く存在ではないしょうか。
生きている動物にも興味がわくでしょうが、
恐竜の巨大さは、迫力満点です。
アメリカやカナダ、モンゴル、中国と比べると
まだまだ、見劣りがするのですが、
日本でもだいぶ恐竜化石が見つかるようになってきました。
そのためでしょうか、日本の恐竜研究者も最近は増えてきました。
化石が多産する地域や、恐竜研究の進んだところで
研究する人たちもだいぶ増えてきました。
そのようなところで経験を積んだ研究者が
日本での発掘を指導することも行われてきました。
恐竜は、子どもだけなく、大人にも魅力ある存在です。
恐竜の研究者が活躍する場が、
日本にも増えてきたのはいいことですね。

・北国の春・
北海道の春もかなり進んできました。
時々寒い日もありますが、
例年より春は早足できているようです。
そして、春になると、出かけたくなります。
多分、北国特有の気持ちかもしれません。
雪が溶けて、暖かくなってくると、
ついつい気持ちがウキウキします。
でも、桜には、まだ早いようですが。