2018年1月4日木曜日

3_161 海の水の寿命 4:課題

 海水が6億年後にはなくなる、という推定を紹介しました。しかし、そこにいくつかの課題もあるようでうす。このような課題が、学界に議論を呼んで、科学を進めていくのでしょう。

 沈み込む海洋プレートにともなって、海水が地球深部に入り込んでいきます。一方、絞り出されて地表に火山などで戻ってくる水もあります。深部に入っていく水の量と戻ってくる量がわかれば、収支が計算できます。
 これまで沈み込む水は、海洋地殻に含まれているものだけによるものだとされていました。ところが、海洋プレートのマントル部分にも水が含まれることがわかってきました。マントルの含水量も見積もり加えると、かなりの水が地球深部に入っていくことがわかってきました。6億年後には、海水がなくなる可能性が指摘されました。
 ここまでは前回まで紹介したことでした。この見積もりには、いくつか問題があるように思えます。実は、似たようなモデルが、以前に唱えられました。
 6億年前ころから、地球の冷却が進み、沈み込む海洋プレートの含水鉱物が分解されることなく、地球深部に沈み込んでいくことになるという考えがありました。この時の証拠は、高圧変成帯の変成鉱物の時代変化をみていくと、明瞭な違いありました。6億年前ころから、海洋地殻の含水の変成鉱物が、地球深部にまで分解されずに入り込むことになります。そして、海水が一気に減少し、海水面が200mも低下したというモデルが唱えられたことがありました。
 その時、私は、いつかの課題があると考えました。ひとつは、マントルに急激に水が入り込むと、マントルの物性が変化しマントルの状況が変わること、その後もそのペースで海水が減っていくと海水がなくなってしまう可能性があること、などでした。これらの課題をどう解いていくかということになります。マントルに水が入ると対流の速度が変わったり、プレートの厚さが変わる可能性もあります。降下プルーム(コールドプルーム)の形成条件が変わり、それに連動して、大規模な火成作用の状況、海洋プレートの形成速度も変わっていくはずです。そのような異変は、地球史に記録されているはずです。それが検証されるかどうか、という疑問でした。
 今回のモデルでも、似たような疑問があります。海洋プレートへの水の浸透は、論文での現象であれば、いつでも起こりうることです。ですから、プレートテクトニクスで常に起こる現象なら、なぜ今も海水があるのか。現状に至るモデルとしてどのようなものがあるのか、気になるところです。
 現在の状態は動かしがたい事実です。もし海水が見積もり通りに減っているでのあれば、過去へ遡ると海水は昔ほど多くかったはずです。ある時以前は、地球は水惑星だったはずです。しかし地球には、陸地でしかできない地層が、38億年前から現在まで見つかっています。ですから、陸がすべて沈むほどの海水はなかったことになります。
 現在から過去の遡った時、ありえない過去が見えるのであれば、なにかが、どこかが間違っているはずです。ある時代に含水量に大きな変化があったのではないか、見積もり間違っていないかなど、議論すべきことろがあるはずです。
 しかし、このような新しいアイディアは、面白いものです。いろいろな議論を沸き起こして、その真偽の確認を進めてもらいたいものです。

・正月・
正月の三が日、我が家では朝に
お雑煮を家族で食べています。
元旦には初詣にもいきます。
元旦はよるは我が家では贅沢な食事を自宅でとります。
2日の夜は、知り合いの中華屋さんに
家族で食事にいきます。
3日は近くの温泉にいきます。
これらを毎年のようにおこなっています。
これが現在の正月の恒例となっています。
でも、家族の形態が変われば、
いずれは変わっていくのでしょう。
のんびりと三ヶ日を過ごしました。
北海道も雪は降りましたが、
比較的穏やかな、年の初めとなりました。

・英気を養う・
私は、4日から大学に出て仕事を初めていきます。
大学の講義は9日からスタートですが、
私には急ぎの仕事があるので、
それをこなさなければなりません。
そのための準備で早目にでています。
年末年始で、5日も、のんびりとした時間を過ごしたのは
昨年の正月以来でしょうか。
英気を養えました。