2017年2月2日木曜日

1_154 チバニアン 2:ゴールデンスパイク

 時代境界はこれまで混乱があったので、地質学界では合意のもとで決定していきます。科学的証拠と議論のもとづいて、露頭のレベルと決めていきます。決まったところは、ゴールデンスパイクと呼ばれる杭が露頭に打ち込まれます。

 時代境界としてIUGSが確定したものは、GSSP(Global Boundary Stratotype Section and Pointの略)は「国際標準模式層断面及び地点」と呼ばれます。その場所は露頭で、模式的な地層境界として現れているところです。認められた露頭に、青銅の杭が打ちこまれます。その杭をゴールデンスパイクと呼んでいます。GSSPとなったところは、地質時代層状表にもそのマークが記録されていきます。
 研究が進んできているので、多くの時代区分においてGSSPが決まってきました。しかし、まだ時代境界が決まっていないところがあります。さらに、境界だけでなく時代名もまだ正式に決まっていないところもあります。もちろん時代名が決まっているのに、境界が定まっていないところもあります。
 今回話題にしているのは、第四紀(258万年前から現在)は、更新世(258万年前から1万1700年前)と完新世(1万1700年前から現在)に分けられています。完新世にはGSSPがあります。更新世の初期のジュラシアン(Gelasian、258万年前から180万年前)とアラブリアン(Calabrian、180万年前から)は決まっているのですが、中期の下限境界と後期の下限境界が、まだ決まっていません。そして両方とも時代名もまだ決まっていません。
 このような時代名は、時代境界を決定した人たちが申請して決めていくことができます。そのときに、前回紹介した条件を検討して、GSSPにふさわしいかどうかが判断されます。ただし、その認定は、IUGSがしていきます。
 今回、千葉県市原市田淵の養老川沿いにある地層がでてていて「千葉セクション」と呼ばれています。約77万年前に御嶽山から飛んできた火山灰の層を挟んでいます。そして、重要なことに、この時代境界に地磁気の逆転が起こっています。これが時代境界の重要な出来事になります。火山灰と地磁気の逆転は、時代決定の重要な指標になります。茨城大、国立極地研究所などのグループがここを研究して時代境界にすることを提案してます。
 その結果は、どうなるでしょうか。

・野外調査・
1月31日まで調査にでていたました。
幸い天気には恵まれて、
順調に調査をすすめることができました。
半分ほどが、以前みたころがある露頭の再訪でした。
それでも充分目的が達成できました。
すべてが予定通りではありませんでした。
いちおう露頭の記載はあるのですが、
船を使わない行けそうもないところでしたので、
無理はしないようしていました。
それを補えるような露頭があったので、
助かりました。

・宮崎では・
野外調査では、宮崎空港から出入りしました。
この時期、宮崎は、スポーツチームの合宿で賑わっています。
おりたったときも、到着ロビーがごった返していました。
出発するときは到着ロビーは見ませんでしたが、
西部ライオンズや侍ジャパンなどの到着があるとのことでした。
そういえば、かなり早く旅館を探したのですが、
宮崎での予約が難しかったのはそのためです。
この時期の南九州は要注意ですね。