2010年2月18日木曜日

6_77 資源:エネルギー問題4

 資源とは、回収可能な濃度があるかという技術的問題と、採算がとれるかという経済的問題を解決できたものです。有限のものを使えばやがてはなくなります。エネルギー問題は広義に考えると、資源の枯渇問題といえます。やがてはなくなるものに依存しているのが現在文明なのではないでしょうか。

 エネルギー問題の本質は、化石燃料という有限の資源に頼っているためです。これは、なにもエネルギー問題だけでなく、現代文明は地下資源を利用しています。ですから、どれかの重要な資源がなくなったり、高騰して自由に使えなくなると、現在文明には危機が訪れます。すべての地下資源は有限ですから、エネルギー問題を広義にとらえると、資源の枯渇という問題となるのではないでしょうか。
 注意が必要なのは、資源とはなにかということと、その資源が代替が可能かどうかです。
 ある種の元素、たとえば鉄(Fe)や金(Au)、銀(Ag)・・・などは、地球外に出さない限り、どんなに使っても、地球上のどこかに存在するはずで、元素としてなくなるわけではありません。ですから、ある元素をすべて使ったとしても、そんなに元素の形や形態が変わったとしても、質量保存則により地球のどこかに存在するはずです。ですから、元素はなくならないのです。
 ところが、資源とは、回収可能でなければなりません。ある元素が、回収可能な濃度としてあるかどうか、そして回収しようとしたとき採算がとれるかどうかということです。資源とは、存在の有無だけでなく、回収可能な濃度という技術的問題と、採算がとれるかという経済的問題がクリアーされたとき、はじめて資源となりえます。
 携帯電話などの電子機器の廃棄物から、金などの貴重金属を回収しようということが技術的にも経済的にも可能になってきるようです。携帯電話が大量に回収され、効率的に分解して、目的の元素を回収し、採算がとれるシステムができるようになってきたためです。
 元素は使っていけば、薄まった状態や回収不可能な状態で大地にもどっていきます。そうなれば、もはや資源とはいえません。ある元素の性能を利用してているとき、その元素が枯渇したら、同等の性能の代替となる物質を見つければいいのです。しかし、それで問題は解決するのでしょうか。
 代替物質も何らかの元素を用いてつくられています。その元素は資源から由来するはずです。資源であれば、やがてはなくなるという原理が適用されます。問題の先送りでしょう。
 膨大な量があって、充分長い時間使えるものであれば、心配しなくていいのでしょうが、すべての資源は必ずしも豊富にあるわけではありません。いずれにしても、原理的には、有限のものは使えばなくなるのです。
 そのような現代文明のシステムは、やがて崩壊しそうな気がします。他の生物が生きているのと同じようにと、動植物と地表で循環する水や空気などだけですべての生活がまかなえればいいのです。しかし現代人は、そのような原始の生活様式では生きていけません。どうするかを、危機が訪れる前に、皆で考える必要があります。

・読者から・
ある読者の方から、
「石油価格が上がるとマスコミが書きますが、
もう何十年も前から石油の埋蔵量は30年とか40年とか
言われていますが、いつまでたっても変わりません。
石油の採掘はだんだん難しくなっているのは確かですが、
石油価格との関係で、埋蔵量はどんどん増えると思います。」
という指摘を受けました。
ご指摘とおり、原油価格が上がれば、
今まで採算がとれないような油田も採掘可能となります。
技術が進めば今まで掘れなかったところが採掘できます。
今後も新しい原油は出現し埋蔵量は減ることはないかもしれません。
しかし、それがいつまで続くでしょう。
原理的は「必ず」資源は枯渇するはずです。
1000年、2000年先であれば、
そんなこと気にしなくていいのでしょう。
まだ産業革命以降、300年も経過していませんから
充分な時間があります。
数百年でも、まだまだ余裕で、
子孫に問題を先送りしてもいいでしょう。
では、100年、あるいは50年先だったらどうでしょうか。
身近な問題になってきます。
そのためには、科学的に正確なデータに基づいた推測
たとえば、地球全体の欠く資源の埋蔵量を
正確に推計すべきでしょう。
これは危機感をあおるためではなく、
やがてはなくなるはず資源に備えて対応や対策、
心積もりをするためです。
そして、いろいろな人が、いろいろな専門や立場で
充分議論していくべきでしょう。
どんな小さなコミュニティでもいいので、議論が必要です。
もし、そこからいいアイディアが生まれれば
人類にとって、それは福音となるはですから。
そんな内容の返事を、私は書きました

・準備・
2月は、時間があっという間に流れていきます。
やることがいろいろあるからでしょう。
多分、今まで溜め込んできたことをこなすことと、
単身赴任の準備を一緒にしているからでしょう。
でも、今まで遣り残してきたことをやり始めるというのは
心の奥に残された不安を整理をするようで
ひとつやればそれなりにすっきりとします。
精神的に大いに意義のありそうです。
事前にいろいろスケジュールを決めて
いろいろやっているのですが、
ついつい遅れてしまいます。
でも、出発の日が決まっているので、
その日はやがてきます。
それに備えて、いろいろ追われる日々を過ごしています。