2024年8月22日木曜日

3_215 外核とマントルの境界 1:異質な領域

 最近、核に関する報告がいくつかあったのですが、しばらく眠らせていました。そこで、今回3つの論文をまとめて、紹介していこうと考えています。まずは、外核とマントルに存在する不思議な層の話題です。


 地球深部は、直接岩石を入手して調べることができません。地震波を利用するころで、ある程度調べることができます。ただし、詳細に調べることは、なかなか難しいです。しかし地球の内部の概要は古くからわかってきており、地震波の詳細な解析で少しずつ、わかってきました。
 まず、地球の表層から、地殻、マントル、核という層構造を持っています。それぞれの構成物の密度や組成がかなり異なっているため、地震波速度の違いとして見分けることができます。
 それぞれの層は、さらに詳しく調べられて、区分されてきました。地殻は大陸地殻と海洋地殻に、マントルは遷移層を境界に上部と下部に、核は外核と内核に分けられています。
 大陸地殻は花崗岩(とその変成岩)、海洋地殻は玄武岩(斑レイ岩)からできています。マントルは、カンラン岩の仲間ですが、深くなると密度や温度が上がるために、より高密度の結晶に変わっていき、別の岩石になっていきます。そのような結晶の変化が起こるところが、遷移層となっています。下部マントルは高密度のカンラン岩(ペロブスカイトという鉱物が多い岩石)からでています。核は金属の鉄からできていますが、外核は液体の鉄、内核は固体の鉄となっています。
 観測技術が進んでくると、各層のそれぞれ違いも、地震波の詳細な解析から見分けられてきています。そのひとつに外核とマントル最下部の境界があります。かつてはグーテンベルク不連続面と呼ばれていましたが、現在ではCMB(core–mantle boundary)と略されることが多いようです。
 外核は液体の鉄でできており、マントルは固体の岩石からできています。この境界は、非常の大きな変化、違いがあるところになります。核が液体の金属の鉄からできているの対し、マントルは固体の酸化物の珪酸鉱物を中心としています。非常に異なった境界となっています。
 ところが、詳しくみていくと、両者の間に、異なった物質からできている領域があることがわかってきました。ただし、その領域は、明瞭は層となっていませんでした。
 その領域について、新しい報告が出されました。それは、次回としましょう。

・集中講義・
今週は集中講義を担当しています。
この講義も、今年が最後となります。
夏の暑い時期の講義になるので、
午前中は西向きの教室で
午後は東向きの教室で実施することにしています。
最近は教室にエアコンが入るようになったので
涼しい部屋で講義ができます。
それでも太陽が入らない教室がいいので
午前と午後で移動して実施します。

・復調・
だいぶ体調が戻ってきたので、
集中講義もなんとかこなせるかと思っています。
ただし、もともと集中講義は
4日間連続して実施するので、
体力的、精神的に疲れます。
声も枯れそうです。
連続した講義ならではの有利な点もあるので、
その良さを利用しています。