2026年6月11日木曜日

4_208 登別 1:マリンパークニクス

 先日、登別に1泊2日で出かけました。夫婦での旅となります。幸い、両日とも北海道らしい快晴で、日向は暑かったのですが、日陰は涼しいという、行楽日和となりました。


 6月上旬のある平日、午前中遅めに自宅を出発して、高速道路の途中のサービスエリアで昼食を摂って、昼すぎには、登別マリンパークニクスに到着しました。江別からは車で来ると近いです。ここには、何度も来ているのですが、チャンスがあれば訪れることにしています。
 駐車場に向かうと大量観光バス止まっていました。妻が数えていたのですが、何台あったかが忘れてましたが、確か10数台あたっといていました。あまりのバスの多さに圧倒されました。登別は、冬には観光客が殺到しており、オーバーツーリズムになっているのですが、春になると少ないとは聞いていました。ですから、最盛期と比べれば、まだましなのでしょうが、それでも多くの観光客が訪れていました。外人観光客は少なかったのですが、修学旅行の高校生の団体が一杯きていて、賑やかでした。
 登別マリンパークニクスは、道内でも最大の水族館で、1990年に第三セクターとして発足したのですが、開館数年にして赤字となり、経営危機に陥りました。その後、民間主導で再建が進められ、人員のスリム化や集客を意識した経営などの努力で、今では経営も順調なようです。近年のインバウンドの集客もあり、経営も安定してきているようです。2026年3月には、登録博物館と認定されています。
 マリンパークは、入場すると、広場の先に「ニクス城」が目に飛び込んできます。北欧デンマークのイーエスコウ城をモデルにしてたものです。周辺には堀があり、湖に浮かぶ古城を模しています。
 4階建て各フロアーの中に、多数の水槽や展示があります。城内の水族館だけでなく、外にも、イルカ、アシカ、アザラシ、ペンギン、イワシの群れなどのプールもあり、それぞれのアトラクションがなされています。通年で実施されているペンギンのパレードは、眼の前で散歩するペンギンを見学することができます。じっくりの見ていくと、それなりに時間かかります。
 それぞれの展示で工夫が凝らされ、裏方を見るツアーもあります。子ども小さい時、箇所か申し込んで見学させてもらいました。今では、一般の見学コースからみるだけになりました。
 学校行事への対応も熱心されており、各種のレクチャーやワークシートもあります。大学の非常勤での授業で、博物館教育について担当しているので、興味があるところです。
 午後、のんびりと時間かけて見学してから、登別の温泉宿に向かいました。

・関西からの修学旅行者・
団体客として、修学旅行の学生さんたちが
バスを連ねて多数見学していました。
駐車場の人に尋ねると
例年これくらい訪れているようです。
中には関西から来た高校の修学旅行もあり
ネイティブな関西弁を一杯聞きました。
京都出身なので、なつかしさを覚えながらも、
うるさくも感じましたが。
京都を離れて長く、北海道の今の町が
もっとも長く暮らしている地となっています。

・夫婦の時間・
退職に向けて、年賀状も、学会も、
大学とも、付き合いをゆっくりと消していきました。
定期メールも、可能な限り
送信停止の手続きをとってきました。
退職して1年半がたって、
外界との交流が非常に少なくなってきました。
退職してから、自宅以外では、
常に夫婦での移動となっています。
妻は買い物や用足しに車で一人で出ています。
私も、朝のウォーキングも
非常勤講師のための外出も一人で移動しています。
しかし、基本的に、夫婦二人の生活を
淡々の静かに過ごしています。

2026年6月4日木曜日

4_207 北九州の旅 2:博物館へ

 北九州では、訪れたい博物館が2つありました。規模もテーマも、まったく異なっており、なかなか興味深いところでした。時間的には厳しいものがあり、案内の長男には、迷惑をかけてしまいましたが。


 北九州では、2つの博物館を訪れました。ひとつは、北九州市漫画ミュージアムでした。この博物館、北九州出身の漫画家を紹介するためのものでした。なんといっても松本零士氏がビックネームです。小倉駅の各所には、松本零士氏の漫画の登場人物のモニュメントがあります。モニュメントには多くの人が記念写真を撮っていました。
 博物館はビルの5階と6階にありました。ビルの「あるあるCity」全体がポップカルチャー(アニメ、漫画、ゲーム、アイドルなど)のショップやイベント会場となっているので、総合的にまとまっています。前回訪れたときも、博物館の存在は知っていましたが、時間がなく訪れませんでした。今回やっと訪れることができました。こじんまりとしていましたが、松本零士氏に関連した展示が充実しており、大量の漫画が開架で置かれ、自由に読むことができるようになっていました。
 もうひとつ、以前から訪れたかった博物館として、「北九州市立いのちのたび博物館」がありました。長男は訪れたことがあったのですが、じっくりとはみたことがなかったようです。今回は、じっくり見ることにしていたようです。平尾台を見て昼食を摂ってから訪れたので、この博物館についた時には、1時を過ぎていました。
 「いのちのたび博物館」では、大規模な展示には圧倒されました。一階には、長く広い自然史の展示がありました。地球の歴史にそって、地球誕生から、古生代、中生代、新生代の順に展開されていました。なんといっても、圧巻は大型の恐竜化石や骨格標本が大量に展示されているところです。奥からは、生命の展示コーナになり、二階からは一階の展示場が眺められる構造になっています。三階には、生命から続きと、歴史ゾーンの展示になっていました。
 2時間ほどで見てまわるつもりでしたが、自然史の展示が面白かったので、じっくりと見学していたら、そこだけで2時間半を使ってしまいました。慌てて、生命から歴史ゾーンの展示を、駆け足でみてまわることになってしまいました。3時間ほど見たことになったのですが、再度、訪れて、じっくりみてまわりたいと思っています。
 博物館の見学時間が、予定より1時間もオーバーしたので、そこからホテルに向かいました。日曜日の夕方で道路が混んでいて、着いたのは5時を過ぎていました。一日中、長男の車の運転で案内をしてもらっていた上に、ホテルから2時間以上かかって帰宅したようです。ご苦労さまでした。
 もう一館、訪れたいところがあったのですが、いける日程のときが休館日だったので、訪れることはできませんでした。次回とします。

・コンセプト・
「いのちのたび博物館」は総合博物館なので、
人文系の展示もされています。
この博物館の自然史のコンセプトは
以前勤めていた神奈川県立「生命の星・地球博物館」と
似たものになっていました。
「生命の星・地球博物館」は
自然史だけの博物館でした。
人文系の展示は、神奈川県立歴史博物館として、
別の場所に別の施設としてありました。
ですから、全体の規模はだいぶ異なっていますが、
その圧倒的な化石や骨格の資料で
地球と生命の歴史を示すというコンセプトは似ていました。
なかなか興味深い博物館でした。

・登別へ・
このメールマガジンは日曜日に
予約配信しています。
毎週月曜日を配信日にしているのですが
夫婦で登別温泉にでかけます。
高速道路を使えば、1時間半ほどでいけるので、
数年に一度は、訪れています。
今回は、広告チラシでみつけた安いパックがあったので、
それに申し込みました。
今回は、マリンパークニックスと
ウポポイを訪れるつもりです。

2026年5月28日木曜日

4_206 北九州の旅 1:平尾台

 昨年の11月に続き、5月にも北九州にいきました。3泊4日ですが、北九州の小倉と志賀島、そして博多を巡りました。まずは、長男から景色がいいと聞いていた、平尾台のカルデラをを巡りました。


 ゴールデンウィーク明けに、九州を訪れました。幸い、千歳から福岡へな直行便があるので、一気にいけるので助かります。今回も長男に、一日、車を出してもらって、北九州を巡りました。今回は、小倉周辺の平尾台(ひらおだい)カルストにでかけたので、紹介してきましょう。
 平尾台カルストは、小倉の真南の山地に、大きな石灰岩が分布しています。日本三大カルストのひとつに数えられています。日本の三大カルストは、山口の秋吉台、愛媛と高知にまたがる四国カルスト、そして福岡県の平尾台になります。前の2個所は、何度か訪れたことがあるのですが、今回はじめて、平尾台カルストを訪れることができました。これで、やっと3つすべてのカルストを訪れたことになります。
 平尾台は、大規模なカルスト台地で、国の天然記念物にも指定されており、国定公園や県立自然公園にもなっています。侵食により、石灰岩地帯固有の景観やカルスト地形をみることができます。カルスト固有の尖ったピナクル状の風化面や、羊の群れのように見える地域(羊群原 ようぐんばる)あります。ドリーネと呼ばれる大小のすり鉢状のくぼ地や穴もあり、鍾乳洞も多数見つかっており、入ることもできます。
 平尾台の石灰岩は、約3億6000万年前〜2億5000万年前(石炭紀〜ペルム紀)に形成されたものです。南の暖かい海の海洋島の周囲にできたサンゴ礁や有孔虫などの遺骸が起源になっています。石灰岩をともった海洋島が、海洋プレートと一緒に移動して、アジア大陸の縁にまでたどり着きます。海洋プレートは海溝で沈み込むのですが、石灰岩は陸側に削ぎ取られていきました(付加といいます)。平尾台の石灰岩は、時代的にも秋吉台も同じころできました。四国カルストのでき方は同じですが、より新しい付加体となっています。
 約9000万年前(白亜紀)、平尾台の石灰岩に、花崗岩質マグマ(角閃石黒雲母花商岩マグマ)の貫入しました。花崗岩は、現在では、石灰岩台地の北東側に残っています。花崗岩のすぐ近くでは、石灰岩が変成作用を受けており、結晶質石灰岩に変化しています。時には、鉱床帯(スカルン)ができているとこもあります。平尾台カルストの石灰岩全体も、熱変成を受けて石灰岩が再結晶して、大理石となっています。そのため、あったはずの化石も消えていしまっています。
 平尾台カルデアは、きれいな景観や名勝として、保護されています。そしてカルスト特有の自然と保つために、例年2月中旬には野焼きがおこなわれています。ところが、西側では大規模に石灰岩が採掘がされています。石灰岩は、セメントの材料にもなるので、日本で数少ない自給できる資源です。ですから、露天掘りできる石灰岩は、重要な資源となります。平尾台も採掘されています。
 いずれも、平尾台の現在の姿です。平尾台には、開発、発展と保存、保護が接していました。

・施設・
カルストに至るまでの道は狭く
険しかったのですが、
カルスト台地の上まで登れば、
素晴らしい展望が開けます。
平尾台には、自然観察センターがありました。
カルストや自然の生い立ちが紹介されていました。
休息を兼ねて映像をたくさんみました。
ソラランド平尾台という施設もありました。
展望もすばらしいのですが
野外で子ども向けの施設やステージ
売店や体験教室などの施設も充実していました。
日曜日だったので、多くの家族連れが訪れていました。
この施設が入場料が無料なので驚きました。

・一席・
長男が月曜日に休みが取れれば、
日曜日に宿泊できればよかったのですが、
外せない用事がありました。
一日だけの動向となりました。
車を運転させるだけでは大変なので、
土曜日の夜に、夕食を一緒にとりました。
翌日の運転があるので、2軒めぐりましたが、
あまり飲まないようにしました。
楽しい時間となりました。
春はいろいろと仕事が忙しそうなので、
次回は秋にしようと話していました。

2026年5月21日木曜日

5_226 太陽系の移動 6:障壁の突破

 天の川銀河には、棒状構造があることがわかってきました。その形成時期や運動の様子もわかってきました。太陽系が、銀河の内側でできて、外側に移動してきたこともわかってきました。


 太陽系近隣に多数ある太陽双子星のスペクトの特徴と年齢から、種族Iに区分されました。種族Iの星とは、金属量が多く(1~3%)、世代を重ねた場で形成された若い(数10億歳以下)恒星で、銀河のディスク(円盤)や渦状腕に多く見つかります。種族Iの星は、銀河の内側(中心から1万6000光年)に多く存在しています。
 太陽双子星のような種族Iの恒星は、天の川銀河では、現在の位置よりもっと内側で誕生していたようです。ですから、太陽双子星たちは、銀河の内側から、外側へ移動してきたのではないかと考えられました。もし同時期にできた恒星が、銀河内を外にむかって移動してきたとすれば、銀河全体になんらかの仕組みが働いていたことになります。
 別の研究で、天の川銀河の中心付近に棒状構造できる時には、その周辺では星の形成が活発化していき、できた星が効率的に外側に移動する可能性が指摘されていました。もし天の川銀河の中心付近の1万6000光年の辺りでできた恒星たちが移動したとすると、現在の2万7000光年まで、1万光年も距離を移動しなければなりません。
 これまで、そのような移動は困難だとされていました。なぜなら、共回転バリアがあるためだと考えられていました。共回転バリアとは、銀河の棒状構造の回転と恒星の公転の速度が一致する半径のところ(共回転半径)に、星の移動を妨げる障壁ができるという効果のことで、それが働くためでした。いったん棒状構造ができてしまうと、共回転バリアが生じるため、星が内側から外に移動することができなくなります。
 そうなると棒状構造ができた時期と恒星が移動した時期が重要になります。棒状構造ができた時期は、いろいろ議論されてきましたが、これまで80億年前以前だという説が主流となっていました。もしそうなら、80億年前にできた恒星の年齢のピークができているはずです。ところが、今回の論文では、40~60億年前の太陽双子星があることが明らかにされてきたました。棒状構造の形成時期とは一致していません。
 もし、天の川銀河の棒状構造が60~70億年前できたとしたら、その周辺には40~60億年前に多数の恒星が形成されたと考えられます。棒状構造の形成とともに、銀河の内側で多数の太陽双子星も誕生し、すみやかに大移動してきたと考えればよさそうです。
 ただし、そうなると、太陽双子星は、銀河の中を高速で移動してきたことになります。本当でしょうか。他の証拠はあるのでしょうか。さらなる探求が必要でしょう。
 もっとも身近な天の川銀河の様子も少しずつ明らかになり、いろいろな事件が起こっていたことも新たに明らかになってきました。でも、まだまだわからないことも多そうです。

・福岡の訪問・
先週、旅行で福岡を訪れました。
北九州市を中心に、博多も少し見て回りました。
ただし、体力が落ちているので、
無理はできず、少しずつ見て回ることになります。
まだまだ見残したところがありますので
北九州に長男がいるので、
これからも、案内してもらえるチャンスはあります。

・Quality of Life・
最近、医者に掛かる機会が多くなってきました。
一時的なものもありますが、
加齢による衰えは、今後一生、
飲み続けていかえればならない薬も
いく種類もあります。
外科手術ので対処できる症状もあるので、
おいおい検討していこうと考えています。
Quality of Lifeを考えると、
常用薬より、手術による根治が望ましいでしょう。
医者と相談しながら検討していきます。

2026年5月14日木曜日

5_225 太陽系の移動 5:銀河の衝突

 天の川銀河には、他の銀河が、通過(衝突)するということが、現在も起こっていました。通過(衝突)の現象は、何度かあったことがわかってきました。その銀河は、現在も恒星の筋として天の川銀河の周りを取り巻いています。


 今回のシリーズでは、ふたつの論文が同時に報告されました。ひとつは、前回紹介した谷口さんたちの研究で、もうひとつ論文として、辻本さんが筆頭著者になっている共同研究になります。
Solar twins in Gaia DR3 GSP-Spec II. Age distribution and its implication for the Sun's migration
(Gaia DR3 GSP-Specにおける太陽双子星 II. 年齢分布と太陽の移動への影響)
というものです。
 谷口さんたちの研究によって、観測による偏りのない太陽双子星の年齢が正確にわかってきました。そして、この辻本さんの研究で、太陽双子星の年齢分布を調べると、いくつかの特徴があることがわかってきました。
 太陽双子星の年齢分布に偏りがあることで、約20億前のあたりに狭い年齢のピークがあり、もうひとつは40~60億前に広くゆるやかなデータの膨らみが見つかりました。
 1つ目の年齢ピークには、数千〜1万光年の範囲内の近い領域にある太陽双子星も含んでおり、銀河円盤内で星が急激に形成されたことを意味します。2つ目のゆるいピークは、太陽の形成時期(46億年前)と一致しています。これは、太陽系の近くに、太陽双子星が多数あることになります。
 若い太陽双子星があるということは、以前から知られていました。その理由として、別の銀河が、天の川銀河に通過(衝突)という、全く異なった現象で説明されるかもしれません。
 天の川銀河の周りには、小さな銀河(伴銀河と呼ばれています)ものがいくつか巡っています。大マゼラン銀河や小マゼラン銀河もその仲間です。そのうち、「いて座矮小楕円銀河(SagDEG)」もあり、天の川銀河を通過していることがわかってきました。
 その現象の詳細は、ガイア衛星のデータに基づき、シミュレーションされたもので、57億年前、約19億年前、そして約10億年前の合計3回、天の川銀河の円盤を通過したと推定されてきました。このような通過の現象が起こっている時、星の形成が、通常時の4倍ほどになることがわかってきました。
 この内、57億年前の衝突がもっとも大規模でしたが、これが恒星年齢の40~60億前のゆるやかなピークが一致し、多数の太陽双子星の形成が起こったと考えられています。約19億年前にも通過しているので、その時も星の形成が進んだと考えられています。1つ目の約20億前の恒星年齢ピークは、この銀河の通過で説明できそうです。
 しかし、それだけでは、太陽系近隣に多数ある太陽双子星を説明できないことが、この論文で指摘されています。それは、次回としましょう。

・予約配信・
このメールマガジンは、
ゴールデンウィーク中に予約配信しています。
それは、火曜日まで旅行にでているのと
帰ってきてすぐに、講義の準備と
医者にいかなければならないので
バタバタしそうなので
心配事は事前に終わられせておくためです。

・福岡へ・
今週末から来週にかけて、旅行にでかけます。
昨年秋に続いて、北九州を訪れます。
長男が住んでいるので、
日曜日に車をだしてもらい、
周辺の観光地を巡ろうと考えています。
もし月曜日に休みがとれるようなら、
日曜日に一緒に一泊できればと思っていましたが、
抜けられない業務があるようです。
できれば、土曜日の夜に
夕食でも一緒にとれればと思っています。

2026年5月7日木曜日

5_224 太陽系の移動 4:モデル駆動型

 太陽双子星のカタログをつくるため、観測に生じる偏りを減らす方法に工夫がされています。異なったモデルを複合して、偏りを取り除いていきました。信頼度の大きな太陽双子星のカタログがつくられました。


 前回、谷口さんたちの研究で、膨大なデータベースから太陽双子星を探すに当たり、恒星パラメータ(温度・重力・金属量・年齢など)の推定が重要になることを紹介しました。しかし、このような作業を進めていく時、明るい星、近くの星ほど見つかりやすく、集まったデータに偏りが出てしまいます。そのような偏りを取り除いてくための方法が重要になります。
 推定の方法として、大きくモデル駆動型とデータ駆動型の二通りのやり方があります。2つは、理論をどの程度重視するかの違いとなりますが、もう少し詳しく見ていきましょう。
 モデル駆動型とは、理論からか恒星のパラメータを計算し、恒星の大気モデルから、理論的に恒星スペクトルを多数の計算していきます。理論からえられた仮想の恒星スペクトルと、実際の観測データと比較していきます。観測値ともっとも合っているパラメータを抽出していきます。
 この方法は、観測データと理論的に求めた恒星パラメータとが一致しているので、観測データの意味が解釈しやすくなります。ただし、理論に基づいて計算しているので、えられた恒星パラメータは、理論に依存していきます。そのため、他の理論で説明できる可能性が常に存在しています。また、理論計算にも、大量の観測データを扱わなければならないので、コンピュータのパワーや多くの計算時間を要します。
 一方、データ駆動型とは、観測データからの恒星スペクトルや恒星パラメータとの関係を、機械学習をしていきます。ガイア衛星のデータベースが大量にあるので機械学習には適しています。学習の結果でえられた恒星パラメータを、未知の恒星に適用していきます。
 この方法は、実際の観測データで学習しているので、推定の精度がいいものになります。ただし、精度が保証されているのは、学習したデータの範囲内だけです。そのため、学習範囲を越えた場合は、類似性がわかっても、その結果に対する信頼性の判断が困難となります。
 この論文では、巧みな方法を用いています。モデル駆動型で理論的にスペクトルで恒星パラメータを決めていきます。モデルから、7万5588個の人工的な太陽双子星を計算して、模擬カタログをつくって、実際の観測データと比べています。さらに恒星パラメータの精度を上げていくため、正確な観測値がある太陽類似の天体で補正していきます。この観測データとの比較という方法は、データ駆動型でパラメータの改善をしていったことになります。
 モデル駆動型による恒星パラメータを求めて、データ駆動型によって、より適用範囲を広げて検証されたことになります。このような方法によって、観測データによる偏りの影響の少なく、信頼性の高い恒星パラメータをえたことになります。
 そこから、年齢が高精度に求められた6594個からなる太陽双子星のカタログができました。太陽双子星の年齢を見ていくと、広い範囲に渡っていることが明らかになりました。この詳細は次回としましょう。

・春なのに・
北海道の桜は、
ゴールデンウィークのはじまる前に
満開を迎え、近隣のあちこちで眺めることができました。
ゴールデンウィーク以降からは
一気に花の季節になってきます。
5月だというのに、天気の悪い日は、
少々肌寒く、ストーブを短時間ですが
つけてしまいました。
夫婦ともども、高齢者になってきたので
無理をせずに、体が望む方向に
向かっていこうと思います。

・ゴールデンウィークは・
例年、ゴールデンウィークは、
近隣でも観光地では、人出が多くなるので
例年、自宅や周辺で、
のんびりとしていることにしています。
今年は、天気が不安定な日もあったので、
外出はあまりできませんでした。
自宅や餅つきやパン焼きをして、
天気のいい日には
近隣でサイクリング、散策など
こじんまりと楽しみました。

2026年4月30日木曜日

5_223 太陽系の移動 3:双子星の条件

 今回のシリーズでは、膨大なデータベースから、太陽と似た恒星「太陽双子星」を、どのように見つけ出し、太陽の移動を推定していくかを考えています。2つの論文が報告されています。まずはひとつ目から紹介していきましょう。


 太陽系の移動を考えるとき、今回の報告では、「太陽双子星」を手がかりにして、検証していきます。そのためには、太陽双子星を見つけていくことが、重要になります。まずは、その方法が、2026年3月12日発行のAstronomy & Astrophysics(天文学と天体物理学)誌に、2つの論文として掲載されています。
 谷口さんが筆頭著者になっている共同研究として報告された、
Solar twins in Gaia DR3 GSP-Spec I. Building a large catalog of solar twins with ages
(Gaia DR3 GSP-Specにおける太陽双子星 I. 太陽双子星の年齢別の大規模カタログの構築)
から見ていきましょう。谷口さんたちの研究では、ガイア衛星のデータベースから、太陽双子星の年齢別のカタログを作成したというものです。
 太陽と似た恒星の条件として、有効温度、表面重力、金属量をもとに比べています。
 「有効温度」は、天体そのものの表面温度(太陽は6000℃)とは異なった考え方で、少々難しい概念なのです。恒星が放射する総エネルギーをもとにして(同半径の黒体からの放射)計算された温度(約5500℃)のことです。恒星の放射エネルギーを比べるための基準となり、星の色に反映されます。太陽の温度と比べて±200度の範囲のものを太陽双子星としていきます。
 「表面重力」は、恒星の表面における重力の値です。ただし、重力加速度(g)では示さず、その対数(log g)で示されます。その理由は、星の種類によって重力加速度の値の桁が異なるほどの差となります。そのため、logをとることで桁で比べていきます。太陽の表面重力のlog gは4.44です。巨大な星(例えば、赤色巨星)になるほど、半径が大きくなるため、log gは小さくなります(0~2程度)。データベースから、log gで±0.2のものを太陽双子星とします。
 「金属量」とは、恒星の金属量(Metallicity)の意味なのですが、少々誤解されそうな表現です。元素としての金属ではなく、天文学では恒星の化学組成において、水素・ヘリウムより重い元素を、すべて「金属」と呼んでいます。ですから、星の金属量(M)と水素(H)の比(M/H)として、やはり対数の値を用います。太陽と同じ値なら0、金属が多ければプラスの値、少なければマイナスの値となります。対数スケールで±0.1となるものを太陽双子星と判断します。つまり太陽の0.8倍から1.25倍までの範囲です。
 恒星で金属量(重い元素)が多くなるのは、恒星の材料ができた場に、重い元素が多くなっていることになります。重い元素は、恒星の超新星爆発で形成されていくので、世代を重ねた星であること、つまり古い星になります。
 恒星は金属量によって、種族に区分されます。種族Iとは、金属量が多く、世代を重ねた場で形成されたので、年齢が比較的若い恒星になります。種族Iは、銀河のディスクに多く見つかり、太陽もこれに属します。種族IIは、金属量が非常に少ない星です。世代を重ねることなく、宇宙ができてすぐに形成された年老いた恒星になりますです。銀河では、ハローや球状星団を構成しています。
 有効温度、表面重力、そして金属量の3つで比べると、恒星の特徴が把握でき、そこから太陽双子星を見つけることになります。ただし、この論文では、データ駆動型だけではなく、モデル駆動型という方法を組み合わせています。その詳細は次回としましょう。

・桜の満開・
北海道の暖かくなってきて、
桜が咲きはじめました。
今週には満開になります。
4月上旬に横浜で桜を見たのですが、
今年二度目の花見ができればと思っています。
いつもでかけている神社の桜を
晴れた日に見に行ければと思っています。
桜の花は青空に映えるので。

・ゴールデンウィーク・
ゴールデンウィークがはじまります。
遠くに出かける予定はありません。
ただ、毎年、この時期に開演する
植物園を訪れたいと考えています。
ゴールデンウィーク中になるので、
人出が多くなりそうです。
出かける日は天気したいで、
変更するつもりです。