このシリーズでは、ここまで、6つのエッセイを書きました。これらは、前置きに当たるので、少々長くなりました。今回から、いよいよ大絶滅を起こした隕石の話題になります。論文の紹介からしていきましょう。
K-Pg境界で恐竜などの大絶滅が起こった時代の話題で、論文は2024年8月のScience誌に掲載されました。
Ruthenium isotopes show the Chicxulub impactor was a carbonaceous-type asteroid
(ルテニウム同位体組成は、チクシュルブの衝突天体が炭素質型小惑星だったことを示す)
というタイトルでした。ドイツのケルン大学のフィッシャー・ゲッデ(Mario Fischer-Gödde)らの共同研究で報告されました。大絶滅を起こした衝突天体の特徴を明らかにしたという内容です。
1980年のアルヴァレスたちの論文で、大絶滅があったK-Pg境界部の地層にだけ、イリジウム(Ir)の含有量が多いことが、衝突の重要な根拠になっていました。イリジウムは、隕石に多く含まれている成分であるために根拠となりました。
激変説に反対する人たちからは、火山噴火による放出でもイリジウムが濃集することがありえます。これが論点のひとつになりました。隕石衝突が原因ならば、短時間で突然、一気に大絶滅が起こります。一方、火山噴火であれば、長期間(数万年)で、噴火の影響が及ぶにつれて少しずつ絶滅が広がっていくはずです。
多種多様な観点、手法で多数の研究がなされました。各地で衝突の証拠や、短期間に一気に大絶滅が起こったことがわかってきました。これで論争に決着を見ました。
K-Pg境界部の地層には、イリジウムの他にも白金族元素が高濃度で含まれていいて、ルテニウム(Ru)もその仲間です。今回の論文では、試料から、ルテニウムに着目して、同位体組成から、衝突した天体の特徴が探されました。
ルテニウムは、原子番号44ですが、中性子の数が50~60まであるので、いろいろな原子量のものがあります。同じ原子の種類なのですが、多数の同位体があり、天然には7種(96Ru、98Ru、99Ru、100Ru、101Ru、102Ru、104Ru)が安定して存在しています。ルテニウムの分析値は、7種の同位体の混合物を分析していることになります。
ルテニウムの同位体組成を詳しく調べて、由来を明らかにしていこうというものでした。隕石の衝突が原因であることはすでに判明しているので、衝突天体の特徴を明らかにしようとすることが、論文の目的です。その結果、タイトルにあるとおり、炭素質天体だったということを明らかにしました。
その天体の詳細と判定方法は、次回にしましょう。
・研究室退去・
研究室退去の日程を
担当職員の方と調整しました。
2月27日(金)が平日としての末日になります。
当初はその日に退去の予定にしていました。
ところが、大学の来年度の講義のシラバスが
28日が締め切りとなっています。
また、2月25日(水)が後期の評価に対する
学生からの問い合わせ期間となっており
対処が必要になるかもしれません。
28日土曜日まで猶予をもつことにしました。
3月1日(日)に、残しておいたパソコン関連の
荷物を搬出していくことにしました。
その事情を職員に説明して了承をとり、
3月2日(月)の午前中に退去することにしました。
退去は、職員立会いのもと、研究室のチェックがあり、
鍵を渡して、終わりとなります。
・新しい生活パターン・
長きに渡り、この研究室を利用してきました。
起きている時間の大半を、ここで過ごしたと考えると
感慨深いものがあります。
3月からは、新しい生活をスタートしなければなりません。
自宅での研究環境の確立、
健康のための運動方法、
日常の生活パターンなど
いろいろな変化に対応していかねればなりません。
それも楽しんでいけければと思います。