2026年4月23日木曜日

5_222 太陽系の移動 2:ガイア衛星

 太陽系は、銀河系の中を公転しているでなく、内側から外側に移動していると推定されてきました。その様子を確かに示すため、膨大なデータを用いた研究が進められてきました。


 前回のエッセイで、太陽系が銀河の中を公転していること、その移動速度から一周に約2億2500万から2億5000万年ほどかかっていることから、これまで約20〜25周していることになると紹介しました。
 ところが、太陽系が、円軌道や楕円軌道であることは確かめられてはいません。ですから、不確定な仮定の上の推定となっていました。太陽系の形成場が、現状の軌道(銀河からの距離)をとっていれば、上の推定が正しいことになります。
 前回紹介したように、銀河を構成している星は、形成年代や化学組成には、その位置に系統的な違いありそうでした。太陽と、他の恒星の形成年代や化学組成(重い元素の比率)を比べて、銀河系のどのような位置でできたかを推測していきます。もちろん大雑把にしか推定しかできませんが。
 これまでの推測では、太陽系は、現在よりもっと銀河の中心に近いところ、おおよそ中心から約2万光年より内側の軌道で形成されたと考えられてきました。もしそうであれば、現在の公転軌道が2.7万光年なので、1万光年ほど、内側から外側へ移動したことになります。では、いつ、どのようなメカニズムで起こったのかを明らかにしていく必要があります。
 その方法を、東京都立大学の谷口さんと国立天文台の辻本さんたちの共同研究で示しました。その方法とは、銀河系の恒星に対して、形成年代や化学組成を、精度を上げて大規模におこなっていくことでした。太陽と似た形成年代と化学組成の恒星のデータ大量に集めて、比較検討していこうという研究です。
 ガイア(Gaia)衛星の観測データを用いました。ガイア衛星とは、欧州宇宙機関(ESA)が2013年に打ち上げた観測衛星で、目的は銀河系の最も精密な3次元地図をつくることでした。それぞれの恒星の位置と運動と、同時にスペクトルも観測していました。
 ガイア衛星のデータから、表面温度、重力、大気の化学組成(主に重元素量に着目)など比べていき、太陽に似ている星(論文では太陽双子星と呼んでいます)を見つけていきました。
 ガイア衛星の成果として、大規模なカタログが作成されています。運用期間で観測した恒星は、20億個ほどになります。2022年版のカタログ(DR3、EDR3)では、約18億個の恒星の位置と明るさが精密に測定され、約14億7000万個が太陽からの距離とその運動も詳しくわかりました。他にも、銀河系外の天体(クエーサーなど)が約155万個、太陽系内の小惑星の数も約15万個も観測しました。これまでの観測とは桁違いの膨大なデータベースとなっています。
 現在公開されているデータは、観測データの一部に過ぎません。今後も解析が進み、数も増え、精度も上がっていくことになるでしょう。予定では、2026年12月にDR4が公開され、2031年以降に最終版としてDR5が出る予定です。
 現状の大規模カタログから、谷口さんたちは、太陽双子星をピックアップしていきました。その結果、太陽系から1000光年以内で6594個が抽出され、年齢も正確に求められ、その精度も格段によくなっています。
 その内容は次回としましょう。

・データ解析中・
ガイア衛星以前にも、ヒッパルコス衛星が
似た観測をしていました。
ガイア衛星は、100倍以上の精度をもっていましたが、
2025年に観測活動を停止しました。
10億個以上の恒星を観測する予定でしたが、
20億個以上も観測しました。
予定以上の成果を上げました。
データ解析は、現在も進行中で、2026年12月には
DR4として66か月分(前半の約5.5年分)のデータが
まとめて公開されるはずです。
DR3の約2倍の観測期間にあたります。
DR5では、10.5年の全期間のデータが
網羅されて公表されるはずです。

・ラグランジュ点・
ガイア衛星は、ラグランジュ点(L2)と
呼ばれる地点で観測していました。
太陽、地球、月、衛星が一直線に並ぶ位置で、
なおかつ重力的に釣り合っているとこです。
太陽や地球の影響を受けないため、
宇宙望遠鏡を置くには適したところとなります。
現在、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡も
この軌道で観測をしています。
この軌道上は貴重なところになるので
そこでデブリになることを防ぐために、
使用が終わった衛星は太陽周回軌道に移動ます。
ガイア衛星も活動を停止したので、
この位置からはずれて、地球から少し離れた
公転軌道をめぐることになりました。
今後100年間は、地球から
1000万km以内には近づかない
安定した軌道に投入されました。

2026年4月16日木曜日

5_221 太陽系の移動 1:天の川銀河

 地球は、太陽系の中を自転しながら、公転しています。太陽系自体も天の川銀河の中を公転しています。運動していることはわかっているのですが、その詳細が、最近わかってきました。


 私たちの太陽系は、銀河(天の川銀河と呼ばれています)の中にあります。天の川銀河の中とはいっても、中心ではなく、中ほどあたりになります。まず、天の川銀河の特徴をまとめておきましょう。
 天の川銀河の中に地球があるので、地球からの観測では、天の川銀河の全体の姿を見ることはできません。しかし、太陽系近傍の星の分布をみることで、天の川銀河は渦巻型で、その渦の腕の中に太陽系はいると考えられていました。
 アンドロメダ銀河が似たものとして、それが天の川銀河のイメージになっていました。ところが研究が進むにつれて、少しずつ天の川銀河の実体が明らかになってきました。姿も少し変わってきました。
 銀河の中心には、大質量の天体として超巨大ブラックホールがあることが観測されました。他の銀河の中心にも巨大ブラックホールがあると考えれています。
 また、銀河の中心の周辺には、球状に古い年代の恒星が、多数集まっています(バルジと呼ばれます)。天の川銀河のバジルは、球状ではなく、約2万7000光年の長さを持つ棒状の古い赤い星の集まりがあることがわかってきました。棒構造は、太陽系とは斜め(44度ほど)の角度で伸びています。
 バジルの周辺には、円盤状に星が薄く分布(ディスク)しています。ディスクの半径は5万3000光年ほどあり、厚さは中心部では約1万5000光年、周縁部で約1000光年あり、全体として凸レンズ状の形になっています。
 このディスクには、渦状に星やガス、塵が集まった部分が、中心から伸びた渦状腕があります。腕は太いものが4本、小さいものが少なくとも2本かあります。ただし、銀河中心の向こう側が、うまく観測できないので正確なところはわかっていません。太陽系は、小規模なオリオン腕の中にあります。位置は、中心から2.7万年光年のところになります。
 腕は、銀河の自転と星やガスが、一時的に集まる密度波という現象でできます。星やガスが公転する時、場所によって密度が大きい場所ができ、そこに星やガスが一時的に集中して明るく見えます。一種の交通渋滞のような現象が起こり、そこが腕となります。
 さらにディスクの周辺には、約130個の球状星団などからなる直径約25万から40万光年の球状の星の集まり(銀河ハロー)があります。
 天の川銀河は、棒渦巻銀河というタイプに分類され、約2000億から4000億個の恒星があると推定されています。これが天の川銀河の最近の全体像となります。
 一般の星の運動はニュートン力学に従い、ケプラー運動として、外の軌道ほど遅く移動しています。ところが、銀河系内の恒星は、外側の恒星は中心からの距離によらず、ほぼ同じ速度(秒速210から240km)で運動しています。なぜこのような運動しているのかは、まだ十分解明されていないのですが、暗黒物質の影響していると考えられています。
 恒星は、腕の中にずっと留まっているわけではなく、通過していきます。通過した後ろには、新たな渋滞域(腕)ができていきます。交通渋滞が起こるのと同じような現象となります。腕とは、ガスが圧縮され密度の大きな場となっているのところで、新しい星ができる場になります。
 太陽系が銀河を一周するに、約2億2500万から2億5000万年ほどかかり計算なので、約20〜25周していると考えられています。太陽系も銀河内を移動しているのですが、きれいな円軌道ではなく、楕円軌道であること、また同じ軌道を巡っていたのではないことがわかってきました。次回としましょう。

・横浜・
3泊4日の横浜への帰省から戻ってきました。
義父は体調不良で会えなかったのですが、
義兄の案内で、義母の墓参りと、
新しく購入した墓を見学にいきました。
また、義兄や妻の育った地を見にいきました。
私も何度も訪れていた実家のあったところも
その後の開発で大きく変わっていました。
夫婦で住んでいたところを巡るのは
天気が悪いので諦めて、
横浜の山下公園の周辺を見学しました。

・不調からの脱出・
出かける前から不調だったのですが、
帰省中も無理をしないでいました。
戻ってきてからも、
2、3日は不調でしたが、
やっと調子が戻ってきました。
不調から回復すると、
健康のありがたさがよくわかります。

2026年4月9日木曜日

5_220 恐竜の卵の殻の年代測定 4:年代誤差と実用

 卵の殻化石の年代と他の方法の年代との間に、測定誤差以上の違いがありました。その違いの原因は、どのようなものだったのでしょうか。そしてこの誤差は許容できるのでしょうか。


 前回、卵の殻化石の年代測定の結果を紹介しました。卵の殻化石の年代は、9470万年前で、下の火山灰層の年代は9949万年前、上は9940万年前でした。年代値間の誤差は、約5%程度となるため、地層の年代を推定した年代と比べれば、十分実用可能であると、論文では判断しています。しかし、測定誤差を越える値は、気になるところです。
 論文では、化石の年代が若くなった原因を、詳細な元素分布の測定から探求しています。殻化石の断面を詳細にみていくと、堆積物との接触部で、化石に細孔、亀裂、裂け目などができているところでは水が浸透して、ウラン(U)を移動していた(吸収されていた)ことが示されました。
 このような変化は、殻の断面を連続的に分析することで、確認しています。親核種が移動(減少)していくと、娘核種の量も減っていきます。その結果、年代が若くなっていくことになります。似た現象は、第四紀の新しい時代の卵化石でも確認されています。試料が良質、つまり割れ目や亀裂などが少ないものが見つかれば、今回のような5%以下というかなり精度のいい年代測定ができることがわかってきました。
 論文では、他の地域の卵の殻化石で、年代測定をしています。東ゴビ盆地のティール・ウラン・チャルツァイ層のセインサンドで2022年に見つかった殻化石で測定しました。ここの地層には、年代測定できそうな火山岩や火山灰がないため、信頼できる年代値がえられていません。研究者によって、推定されている年代があるのですが、白亜紀前期と白亜紀後期と異なっています。ですから、この卵の殻化石の年代測定には、最適なテストとなります。
 殻化石の年代を測定した結果、7535±74/150万年前(白亜紀後期)という値になりました。定量的に比較検討できるものがないので、この年代の信頼度は定かでありません。この方法を使えば、それまで相対的な時代推定しかしていなかった地層で、年代値が決定できることが示されてきました。非常に重要な手法といえます。
 世界には、各地で年代が不明な卵の殻化石も見つかっています。恐竜の卵の殻化石ではジュラ紀前期(約2億年前)以降で、海棲爬虫類の卵殻は三畳紀(2億5000万年前)以降から見つかっています。そのような時代まで、この方法が適用できる可能性があることになったと、論文では指摘しています。まだまだ課題はいろいろありそうですが。

・行事と日常・
4月になりました。
3月からは、研究室の明け渡しをしたので
大学に一度もいっていません。
大学では、3月以降、集中講義や学位記授与式
二次入試や在学生ガイダンス、入学式など
いろいろな行事がありました。
大学と離れてしまうと、
学校行事や年度の変わり目で起こる
空気を感じなくなりました。
寂しさもありますが、
現在は、在宅での日常にも
慣れてきつつあります。

・懐かしき街へ・
現在、横浜に滞在しています。
このエッセイは、出かける前に
予約配信したものです。
毎年、恒例としている横浜訪問ですが、
神奈川県には、11年住んでいました。
その間、横浜市内、海老名市、
小田原市、湯河原町と住居と
点々と移してきました。
それぞれの地に、愛着があります。
今回は、海老名市と小田原市を
訪れようと思っています。
さて、訪れることができたのでしょうか。

2026年4月2日木曜日

5_219 恐竜の卵の殻の年代測定 3:U-Pb年代測定

 今回のシリーズは、恐竜の卵の殻化石で年代測定ができるようになったという報告です。どのような測定方法で、どのような結果がえられたのでしょうか。その紹介していきましょう。


 2025年11月10日付けの「Communications Earth & Environment」誌に、Tucker氏らの共同研究で、
U-Pb calcite age dating of fossil eggshell as an accurate deep time geochronometer
(古い時間への正確な地質時計として、正確な化石の卵の殻のU-Pbによる方解石の年代)
というタイトルで報告されました。この論文では、卵の殻を構成している方解石と呼ばれる鉱物を用いてウラン-鉛による年代測定しています。
 放射性核種としてウランを利用しており、ウラン238(238U)は鉛206(206Pb)へ、ウラン235(235U)は鉛207(207Pb)へと壊変していきます。この2種の崩壊するウランの核種(親核種と呼ばれます)と、できた鉛の核種(娘核種)の同位体比から、年代を求めていく方法です。
 放射性核種が崩壊する時の速度を、半減期(親核種が半分になる時間)と呼びます。238Uは約45億年、235Uは約7億で半分の量になります。これらの値を用いて、年代を算出していきます。2種類の異なった核種を、同時に測定するため、2通りの年代がえられることになります。2つの年代でクロスチェックでき、補正も可能となるため、信頼度も高くなります。
 ウラン-鉛年代測定は、これまで第四紀の卵殻には用いられたことがあったのですが、もっと古い時代には、これまで適用されていませんでした。この報告では、古い時代への適用になるので、精度の確認が必要となります。この論文では、その検証を目的としています。
 論文は、アメリカ合衆国ユタ州中部のシダーマウンテン層(Deep Eddyと呼ばれています)から産出した化石が用いられています。地層中には何層かの火山灰があるので、その層から砕屑性ジルコンを用いて年代測定をしています。マグマで形成されたジルコンなの火山灰の年代を直接示しているはずです。この年代と化石のものを比較検証に利用しています。
 Deep Eddyより50cm下にある火山灰層は、9949.0+5.7/-5.0万年前、70cm上からは9940.1+8.5/-6.6万年前の値が求められました。両火山灰の間にある卵の殻化石の年代は、9470±130/230万年前となりました。化石の年代が、少々若く、年代測定値の誤差を越えていました。ただし、論文では、その誤差は年代値で約5%程度となるため、十分実用可能であると判断しています。
 また、殻化石では、なぜ若い年代がでてきたのかも、検討しています。それは次回としましょう。

・雪解け・
北海道では、3月中旬以降から、
暖かくなり、一気に雪解けが進みました。
風が吹くと、まだまだ寒く感じます。
畑や空き地には雪が残っているので
そこを通る風は冷たくなってきます。
畑の雪解けも一気に進んでいます。

・横浜へ・
来週はじめから、横浜にでかけます。
いつもこの時期に出かけます。
義父のいる施設での面会と
義母の墓参りをするためです。
義兄が車で半日付き合ってくれるので
効率的に巡ることができます。
もう一日は、以前住んでいた街を
いくつか回っていこうと考えています。
懐かしい町並みが残っているでしょうか。
楽しみでもあります。

2026年3月26日木曜日

5_218 恐竜の卵の殻の年代測定 2:現地性化石

 化石には、見つかった地層の形成時代と同時期で、同じ場所でてきたとはいえないものが大半になります。ところが、卵の殻化石は、同時代にその場でできたことが明らかです。現地性化石と呼ばれています。


 化石が示準化石であれば、相対年代が決まります。しかし、示準化石は、産出頻度は稀で、大部分の化石の年代は不明です。もし、化石のみを用いて、年代測定する方法が確立ができれば、重要な情報をえることができます。
 化石は地層の中から見つかるのですが、通常の状況では化石にはなりません。現在できる多くの野生生物の死体は、その場ですぐに食べられたり、腐敗し分解されて、ほとんどなくなってしまいます。それは陸でも海の生物でも同様です。
 化石になるには、食べられたり分解されにくい場(例えば、深海底や火山などで酸素が少ないところ)に置かれたり、地層の中に埋もれたりしなければなりません。海底や湖沼などの水底に急激に溜まった地層が、そのような条件を満たします。そのような地層の中だけで、化石が見つかります。
 結果として、貝や魚などの海棲生物の化石が多くなります。死骸が水底に沈み、土砂に埋もれて化石になったものを、「現地性化石」と呼びます。現地性化石であれば、化石の年代(示準化石)が地層の年代になります。
 海棲生物の化石でも、たくさんの化石が集まったもの(化石床と呼びます)ができることがあります。それには特別な条件が整わなければなりません。多数の生物が生息していた(生きたままでも、死体でも)が、海流や海底地すべりなどによって、土砂ごと一気に堆積場に運ばれ、そのまま埋もれてしまった場合です。陸棲の生物であっても、死体や骨、葉や枝、実などが河川で運ばれ、湖沼や海の底に溜まったものが化石になります。これらの化石は、棲んでいた場所と環境、ときは時代も異なったところで化石になるので、「異地性化石」と呼ばれます。異地性化石の中に示準化石があったとしても、化石の示した時代は、地層の年代と同じとはいえません。異地性であれば、その化石から地層の年代を確実に決めるのは困難となります。
 恐竜化石も、多くは骨が河川で運ばれて堆積したものです。陸棲生物の化石の年代を求めるのはなかなか困難です。その中でも、確実に現地性化石とわかるものに、足跡や卵の殻化石があります。
 足跡は、物質としては残っていなので、年代を決めることは困難です。一方、卵の殻化石は、その壊れやすさから、移動することなく、砂(砂嵐や流砂など)や火山灰などで、短時間にその場で埋められたものだと考えられています。保存のよいものでは、殻の中から恐竜の胎児の化石も見つかっています。ですから、殻化石を年代測定の素材するのは有効です。
 ただし、卵の殻化石は、珍しいものです。それでも、各地でいろいろな時代で、それなりの数が見つかっています。もし卵の殻化石が年代測定に利用できれば、有力な情報をえられることになります。
 化石の説明が少々長くなりました。次回から卵の殻化石の年代測定の話をしましょう。

・暴風雪・
先週末は本州は晴れたでしょうか。
北海道は、土曜日の夜半から、
発達した強い低気圧の通過にともなって、
暴風雪となりました。
ベチョベチョの雪でしたが、
かなりの積雪となりました。
夜中には建物が揺れるほどの強風でした。
その様子から、ルーティンとしている朝の
ウォーキングを早々に中止しました。
朝起きるまで、寝床で読書をしてました。

・下半身用ヒーター・
順調に日常のルーティンが確立してきました。
研究も進められるようになってきました。
ただ、研究室とは異なって、
自宅は、ペチカと呼ばれる
大きな灯油ストーブを炊いて
家全体を温める仕組みのために、
書斎のある部屋は最上階の隅にあるので
なかなか暖まりません。
それを予想して、
下半身に履くヒーターを用意していました。
快適なのですが、トイレや用事で部屋をできるとき
いちいち脱がなければならないのが不便です。
しかし、そんな寒さもあと少しで終わりそうです。

2026年3月19日木曜日

5_217 恐竜の卵の殻の年代測定 1:相対と絶対

 過去の地層や岩石で年代測定できて、地質時代が決まります。正確な年代測定は技術の進歩により、精度が上がってきました。しかし難しい素材もあります。まずは、どのような年代測定の方法があるのかをみていきましょう。


 時代区分は地質学において重要な基礎情報になります。そのために、地層や岩石、化石の年代を決めていく必要があります。岩石や地層、化石などの年代を調べる方法には、相対年代と絶対年代があります。それそれの概要をみてきましょう。
 相対年代とは、地層の上下関係を用いて、形成時代の新旧を決めていく方法です。多数の地層の連なりでは、非常に詳細な前後関係を決めることができます。離れた地域の地層であっても、同時期に堆積したとわかる根拠があれば、それを同時代層(鍵層と呼びます)として、それぞれの地域を対比して、地層で新旧を決めることができます。同時期の堆積物として、火山灰がよく使われています。
 時代のわかっている化石があれば、地層の時代を決めることができ、鍵層と同じ役割を果たせます。このような化石を「示準化石」と呼びます。示準化石となるには、時代が確定しているだけでなく、広く分布し、たくさん見つかること、種の出現、繁栄、絶滅ができるだけ短い期間であること(進化速度が速い)、種としての見分けやすい特徴をもつことなどが必要になります。
 海洋底の堆積物、あるいはそれらが陸上に持ち上げられた地層(層状チャート、深海底堆積物など)では、微小の化石ですが、大量に集まっているので、非常に詳細な時代区分がなされています。目で見えるサイズの示準化石であれば、野外調査の最中でも、即座に時代を決定することができ、非常に手軽な方法となります。
 しかし、相対年代は、どれだけ詳細な時代区分ができたとしても、新旧という定性的な区分になります。定量化された年代ではないので、鍵層のない他地域の地層とは比較できません。また、示準化石に頼ると、化石の見つからない地層や時代(カンブリア紀以前)には使えません。また、化石を含まない火成岩や変成岩では利用できな方法です。他の方法が必要になります。
 絶対年代と呼ばれる方法があります。これは、放射性元素を用いた年代測定で、定量的な値として「今から◯◯年前」と求められます。時代や地域(地球外であっても)を問うことなく、年代値を決めることができます。放射性核種の半減期(崩壊定数)を利用しているので、一定の速度で崩壊していくので、非常に正確な時を刻みます。
 ただし、その岩石や鉱物、物質など(以下では鉱物と呼ばます)ができた時、均質に放射性核種が含まれていて、外部との元素交換がない状態(閉鎖系と呼ばれます)で保存されてなければなりません。その鉱物が閉鎖系になっていても、その鉱物が経てきた年代にふさわしい半減期で、放射性核種またはその崩壊でできた核種が正確に測定できる技術と量がなければなりません。このような条件を満たした時、正確な年代測定が可能になります。
 相対年代も絶対年代も、いずれにも長所短所があり、現在では、両者が組み合わせて利用されています。その集大成として、国際体的(国際地質科学連合IUGSの国際層序委員会ICS)によって、国際年代層序表が作成されています。ほぼ、すべての年代境界の基準となる地層と年代値が決まってきました。
 どのような地層や化石でも、年代測定ができるかというとそうではありません。例えば、化石で直接、絶対年代を測定しようとしてもうまくいかないことがほとんどです。しかし、今回、化石の卵の殻を用いて、正確な年代測定できるという報告がありました。その紹介は次回から。

・新しい日常・
少しずつ新しい日常の組み立ています。
書斎、パソコン関係、プリンターや
ネットワークのセットアップなどが
ほぼ整ってきました。
日々の早朝の散歩のルートを考え
GPSによる距離と時間のチェックも進めて
ルーティンをつくってきました。
あれこれと整備してきました。
書棚の本の入れ替え以外は
ほぼ整ってきました。
今後も継続的に調整を加えていくのですが
新しい日常がやっと整ってきました。

・カラープリンター・
自宅に置きっぱなしにしていた
カラープリンターを自宅で
2年半ぶりに動かしました。
するとインクがかすれて
きれいな印刷ができませんでした。
いろいろやったのですが、だめでした。
メーカーに相談したら、修理は可能だが、
それにかかる費用が後継機種の購入費の方が
安いことがわかりました。
カラープリンターは必要なので
新機種導入をして、セットアップしました。
新品なので快調です。

2026年3月12日木曜日

3_236 大絶滅を起こした隕石 9:稀な衝突

 K-Pg境界で衝突したのは、C型小天体でした。他の時代の衝突の天体を調べたところ、一般的なS型小天体でした。C型小天体の衝突は稀であることがわかりました。しかし、大絶滅との関係は今後の課題です。


 この論文では、他のいくつかの時代の衝突事件の天体のルテニウム組成とも比較しています。太古代から顕生代に渡る35億年前から3600万年前の8つの衝突事件で検討しています。
 古い順でみていくと、太古代の35億~32億年前のボーリングコアで見つかった南アフリカのBARB5-SL2、CT3-1-SL9、CT3-2-SL13の地層の試料です。この地層は、衝突で飛び散った粒子(顆粒、spherule)からできたものです。顕生代では、衝突構造をもったところから、クリアーウォーター東(Clearwater East、カナダ)で4億6000万年前のボーリングコア、ブレンド(Brent、カナダ)の4億5280±2700万年前のボーリングコア、ロチェチョート(Rochechouart、ロシア)の2億0100±200万年前の露頭、モロクェング(Morokweng、南アフリカ)の1億4600±16万年前のボーリングコア、ポピガイ(Popigai、ロシア)で3663万±92万年前の露頭の5つの試料を集め、同位体組成が分析されました。
 これらのルテニウム同位体組成から、すべてS型小惑星に由来する衝突であることがわかりました。
 S型小惑星とは、岩石(ケイ酸塩鉱物からできている)を中心として、金属(鉄やニッケルの合金鉱物)も含んでいるもので、隕石ではもっとも多くある石質隕石と呼ばれるタイプになります。「はやぶさ」が調査した「イトカワ」もこのタイプになります。
 S型小惑星は、小惑星帯にも多くあるのですが、「地球近傍小天体」と呼ばれるものを主に構成しています。地球近傍小惑星とは、もともとは小惑星帯にありました。小惑星帯には多数の小惑星があるため、小惑星同士がぶつかったり、接近して軌道が変わったりすることも起こります。その現象によって、太陽に向かう軌道をとり、地球の公転軌道を横切るような軌道をもった天体をいいます。そのような軌道をもった天体は、地球に衝突する確率が高くなります。地球に落下していくる隕石の多くは、地球近傍小惑星に由来すると考えられています。
 以上のことから、これまで衝突した小天体は、S型で、地球近傍小惑星に由来していることがわかります。ところが、K-Pg境界の衝突は、木星より外縁に由来した、C型小惑星によるイベントであったことになります。大きな衝突は度々おこっているのですが、K-Pg境界の衝突だけが、特殊な天体であったことになります。
 サイズは小さく、頻度は少ないですが、C型小惑星に由来する炭素質隕石の落下は起こっており、隕石もそれなりに見つかっています。稀な炭素質隕石が衝突したことと、大絶滅との関係は不明です。大絶滅との因果関係の有無が今後の課題でしょう。

・朝の散歩・
大学の研究室を退室して、
新しい日常を構築するために、
日々、試行錯誤しています。
これまでのように早朝に起きて
一人で朝食を摂ってから
散歩をすることにしました。
大学に向かう必要がないので、
あちこち、気の向いたコースをとっています。
今後どのようなコースをルーティンにするのか。
それともルーティンなど決めないのか。
試行錯誤しながら、考えていこうと思っています。

・まずは使えるよう・
書斎の片付けは、まずは、仕事道具のパソコンや
日常に的に使用していう機材を
セットアップし終わりました。
使用頻度小さい、
スキャナーやペンタブレットなどは
使う時にセットアップしようと考えています。
一番の問題は、とりあえず書棚に入れた書籍類が
バラバラになっており、整理されていないことです。
これをなんとかしたいのですが、
これも、必要になった時に、
おいおいと進めていこうと考えています。
とりあえず使えるようにすることが優先です。