2024年7月4日木曜日

4_185 積丹半島:強風の岬へ

 北海道の積丹半島は、日本海に突き出した地形です。新しい時代の火山活動でできたので、侵食が激しく、海岸沿いは断崖が多くなっています。日本海は良い漁場なので、少しでも平坦なところがあると漁港になっています。


 6月初旬に、久しぶりに積丹半島を巡りました。夜間に雨が降ったのですが、幸い昼間には降られることがありませんでした。今回の目的地の島武意海岸も神威岬も訪れることできました。いずれも、外国人観光客が多く来れられていました。
 島武意海岸は、半島の山側から道が通っています。駐車場からトンネルを通り、断崖の上の展望台があり、そこから海岸まで降りる遊歩道がありました。ところが、現在、海岸への歩道は通行止めになっており、展望台から海岸を眺めるだけになっていました。残念ですが、しかたがありません。
 神威岬は、雨には降っていななかったのですが、強風でした。岬の先端までは、完備された歩道を歩いていけます。しかし、崖っぷちの歩道や、急な階段もあります。強風の中を歩くので、かなり恐怖を覚えるところもありました。
 積丹半島の全体は、主に新第三紀中新世の火山岩からできています。積丹半島全体は、デイサイトから流紋岩の溶岩や火山砕屑岩の火山岩からできています。半島の周辺部には、海で堆積した泥岩もあります。神威岬では、火山岩と海成層の両方の地層と境界も見られます。島武意海岸の西側には積丹岬があります。島武意海岸の周辺だけが、少し新しい時代の中新世から鮮新世の貫入岩類がでているところです。
 残念がら海岸に降りることはできませんでした。以前来たときは、島武意海岸へ降りることができました。そこは、大きな岩だらけの海岸で、パノラマ撮影などもできました。
 今回は、これまで訪れたことのなかった黄金岬にいきました。整備された歩道が尾根にありましたが、ほとんど訪れる人のないところでした。木造の展望台もあり、そこからは海を眺めることができました。遠目にも露頭はあまりよく見ることはできませんでした。雨上がりの森の散策路を、ウグイスの声を聞きながら歩くのは心地よかったです。
 積丹半島の海岸沿いには、観光地となっているところがいろいろあるのですが、同じところで、代表的な地層や成り立ちをみることができます。ところどころで止まって、いろいろな産状を見ることもできます。そしてできれば、のんびりと一周して見て回った方がいいかもしれませんね。

・豊浜トンネル・
積丹半島では、火山岩の産状が
いろいろ見ることができます。
比較的新しい時代の火山活動で
岩石がもろくなっているところでもあります。
海岸は侵食が激しい切り立った崖が多い所です。
1996年、豊浜トンネルの古平側の入口付近で
大規模な岩盤崩落が起こり、
路線バスと乗用車が巻き込まれました。
8日間に及ぶ救出作業がおこなわれたのですが
20名が犠牲になられました。
トンネル跡には、慰霊碑と公園があります。
現在は新しいトンネルが作られています。

・日本海の漁港・
久しぶりの積丹半島訪問になりました。
北海道内でも自宅から近いところですが、
札幌や小樽を通り抜けていくので
少々遠く感じてしまいます。
半島の周遊すると、北海道の海沿いの自然と、
漁港の町を見ることができました。
最近、ニシンが戻りつつあるようですが、
日本海の漁港は、かつてはニシン漁に賑わった地域です。