2023年6月8日木曜日

3_211 核の成長 2:歪な内核の成長

 内核の成長が、歪になっていることがわかってきました。インドネシアとブラジルの下では、内核の成長に違いが見つかりました。この観測から、地球の歴史や熱の歴史へと、話が波及していくことになりそうです。


 内核は鉄の結晶でできていますが、調べる方法は地震波となります。地震波の伝わり方を詳しく調べることで、一様でないことがわかっています。内核の深さとともに地震波速度が変化していること、内核の境界部が歪な形をしていることが見つかっています。
 赤道(東西)方向に伝わる地震波よりも、南北方向に伝わる地震波の方が速くなっています。ブラジル(東半球と呼んでいます)と比べると、インドネシア(西半球)が大きくなっていることがわかりました。成長の程度でいうと、東側のほうが60%ほど多く結晶ができていると見積もられました。西側では、半径が年間 1 mmの成長することになります。インドネシアの方が結晶化が進むということは、冷めやすいことも意味しています。
 このような地震波速度の変化は、核の力学的成長と鉄の結晶の物理的計算からシミュレーションしていくと、結晶が一定の方向を向いて成長(異方性といいます)していることで説明できました。インドネシア側だけが速く成長していることになり、観察のデータと一致しました。
 さらに、結晶の成長速度から、内核がかなり短時間で形成されてることが推定されました。これは内核の形成が若い(15億年前から5億年前)という説にも合っていました。
 内核の形成が、最近、内核が若いといわれてきています。しかし、30億年前にはすでに、地球には現在と同じ程の地磁気があったことはわかっています。現状の地球ダイナモに匹敵する磁場が、かつては液体の鉄だけで発生していたことになります。それは、現在の地球ダイナモとは異なったメカニズムになりそうです。そこについて、再考が必要になるかもしれません。
 また、もし15億年や5億年で今のサイズに成長してきたのなら、今後、液体の鉄がどの程度の期間、残るのことになるかも、気になります。
 このような内核の成長過程は、地球の磁場の歴史、あるいは熱の歴史にも大きな影響がありそうです。

・四国山地・
今回も、予約送信しています。
四国山地に沿って東から西に向かって
野外調査をしていきます。
中央構造線の南側に沿って
険しい山並みが四国山地になっています。
構造線や山並みは東西に走っているので
東西の谷沿いに道があります。
ただし、険しい山中なので
移動に時間がかかりますが。

・台風2号・
台風2号による線状降水帯が
四国を通り抜けました。
2日には、町で緊急警報がでました。
高齢者等避難の状態でした。
激しい雨が降っていました。
洪水と土砂災害が心配でしたが、
3日には晴れ間が戻ってきました。
野外調査に出れるのでホッとしています。

2023年6月1日木曜日

4_176 西予紀行 3:明浜の石灰岩

 明浜にいってきました。好天で暑いくらいの日でした。三瓶まで回ろうかと思っていたですが、予想以上に時間がかかったので、今回は明浜だけを巡りました。



 西予市は四国山地の西はずれに位置する四国カルストのある野村から、肱川上流の宇和盆地、そして野村と宇和の間にある城川、さらに豊後水道に面するリアス式海岸の明浜と三瓶があります。地形や気候の変化に富んだところです。現在住んでいるのは、山地の城川の土居という集落に住んでいます。
 5月のはじめに、海沿いの明浜を訪れました。宇和から野福峠に出ると、リアス式海岸を眺めることできます。入り組んだ海岸を利用した漁業が盛んなところで、イカダをつかって真珠などの養殖もされています。
 真珠の作業場を見ようと思って立ち寄ってみたのですが、見学はできませんでした。その会社は、貝の洗浄を社員総出でやっている日でした。しかし、作業場だけは少し見せてもらい、社長の名刺もいただきました。見学や体験を希望するときは、事前に予約してくださいとのことでした。残念でしたが、調べると、予約は3名からとなっていました。もともと無理だったのかもしれません。
 明浜では、斜面が多く険しいところですが、農業も営まれています。段々畑になっていますが、石垣は石灰岩を用いてなされています。植えられているのは柑橘類です。狩浜は段々畑の景観が名所で、国の重要文化的景観ともなっています。葉の緑、石垣の石灰岩の白のコントラストがきれいな色合いとなっていました。この時期はミカンの実はなっていませんでした。秋ならミカンの黄色が加わって、にぎやかな彩りになります。
 段々畑は、もともとは稲作をしていましたが、明治には養蚕のための桑を栽培するようになりました。昭和30年代には柑橘に切り替えていったようです。今では柑橘の栽培が中心となっています。柑橘の栽培には、水はけのいい斜面で、石灰による栄養供給と中和機能が役立ち、海から潮風などがあり、この地が適していたようです。
 石垣の石灰岩は、秩父帯南帯のものです。石灰岩より少し北側には層状チャートもあります。海岸沿いが険しい傾斜になっているのは、ひとつには石灰岩やチャートなどの険しい地形を作りやすい岩石が斜面の上部にあるためです。しかし、ここには大きな断層(仏像構造線と呼ばれています)が通っていることが大きな原因です。
 仏像構造線は、秩父帯と四万十帯の境界に当たるところで、大きな地層境界になっています。四万十帯側が落ち込んでいるため、海側に険しい地形となっています。海岸で少しだけ四万十帯の地層が見ることができます。
 リアス式海岸沿いに道はくねくねしていて、また狭いところも多く、通るのに時間がかかります。今度は三瓶も訪れたいと思っています。

・石灰岩・
この地には海岸近くに石灰岩があります。
昔から明浜では石灰岩を利用して
石灰を生産していました。
その鉱山や窯がジオサイトで展示されています。
江戸時代後期から生産していたようです。
海の近くなので輸送には有利だったのでしょうか。
こんら埋もれた歴史も
ジオパークのサイトに指定されることで
掘り起こされていきます。

・真珠・
真珠の養殖には、リシアス式海岸のような
入り組んだ海岸で波の穏やかな地形が有利です。
似たような地形は、四国西岸に連続的に続いています。
宇和島から愛南までは、
真珠の養殖で有名なところです。
転々とイカダがあり、
その多くで真珠の養殖がされています。
家内にも真珠のひとつも贈れればいいのですが。

2023年5月25日木曜日

3_210 核の成長 1:金属の鉄

 地球の中心にある核に関する論文が、いくつか集まってきましたので、今回から、まとめて紹介していこうと考えています。まずは、核の基礎的な知識からはじめていきましょう。


 地球内部は、地震波から探ることができます。地震波から、構成している岩石の密度や状態(液体か固体か)、温度などを推定することができます。その結果、地球の内部は、外側から、地殻、マントル、核(コア)に区分されました。地殻とマントルは岩石ですが、両者の密度が違っていました。それは、岩石の種類が異なっていることになります。
 核は、金属の鉄からできています。核の内部の状態から、同じ金属鉄でも融けている液体の部分と固体の部分があることがわかってきました。核では、マントルの温度が低いため、核の上部を冷やすことになります。そこでは、結晶化が起こり、液体より固体のほうが密度が大きいので結晶は沈んでいきます。固体が沈み、中心部にたまり、内核となっていきます。
 結晶の沈降や低温の液体鉄の密度差によって下降流が生じ、外核では年間1mほどの速度で対流しています。さらに、地球の自転によって対流が変化して、南北に細く伸びた円筒形がいくつも並んで回転している様子もわかってきました。
 このような回転する対流では、磁場が発生します。対流が継続するので、磁場の中を伝導体の金属鉄が流動することで、大きな電流の流れができ、地球全体がひとつの磁石のような磁場(双極磁場といいます)をもつことなると考えられています。このようは仕組みは、地球ダイナモと呼ばれています。地球の最深部の運動が、地球の外側の磁場を生み出していることになります。
 液体の核で固化が続けば、外核はだんだん減少していき、固体の内核は成長を続けていることになります。では、成長している内核は、きれいな球状になっているのでしょうか。それに関して、2021年6月のNature Geoscienceに次のようなタイトルの論文が掲載されました。
Dynamic history of the inner core constrained by seismic anisotropy
(地震学的異方性によって制約された内核の動的歴史)
カリフォルニア大学バークレー校のフロストさんたちの共同研究となっています。この論文によると、どうも核の成長に偏りがあるようです。その内容は、次回としましょう。

・3度目の調査・
3度目の野外調査にでています。
淡路島と香川を中心に調査していきます。
淡路島ははじめて訪れるところです。
四国の西側に住んでいるので
四国を東西に縦断することになります。
高速道路がつながっているので
一気に進めるのですが、
距離があるので、疲れないように、
休み休みいくしかありません。
このエッセイは、現在調査中なので、
予約送信をしています。

・時間と忍耐と・
あれよあれよという間に
サバティカルに来て、2ヶ月近くも経過しました。
目的を達成するには、調査もさることながら、
研究も進めていかなければなりません。
予定していたことを、
少しずつ進めていますが、
地道な努力が必要な作業なので
時間だけでなく、忍耐も必要です。
今は、淡々と文献を読むこと、
原稿の推敲を進めていくことになります。

2023年5月11日木曜日

4_174 西予紀行 1:黒瀬川の地で

 西予市城川町にて、2度目のサバティカルを過ごしています。ふと思いついたのですが、現在滞在している西予やその周辺の様子を、月に一度ほどお送りすることにしました。5月になって思いついたのですが、4月にいったところを、一伸目としてお送りしましょう。

 2022年4月に四国西予ジオミュージアムが開館しました。その結果、もともとあった地質館が閉館してしまいました。地質館の建設や、運営に協力していたこともあり、30年来通っていたところです。
 城川でも、かなり奥まった地に地質館がありました。この地は、黒瀬川帯、あるいは黒瀬川構造帯と呼ばれるものに属する岩石類がでているため、地質学では有名な地となっています。この地を流れる黒瀬川、あるいは黒瀬川村にちなんで命名されています。他にも地層や岩石名にも、この地の地名が多数用いられています。
 さて、四国の東西を走る大断層である中央構造線(北側)と仏像構造線(南側)があります。その間には、秩父帯とよばれる地層が広く分布しています。黒瀬川帯は、秩父帯の中に、点々と分布しています。秩父帯は、海洋プレートの沈み込みによって形成される特徴的な地層群(付加体と呼ばれます)からできています。秩父帯が付加した時代は、北側(秩父帯北帯)はジュラ紀で、南側(秩父帯南帯)はジュラ紀から白亜紀前期となっています。
 黒瀬川帯が区別されるのは、秩父帯とは明らかに異なった性質もっているためです。黒瀬川帯にも、付加体の地層(長崎層群、野村層群相当層、窪川累層)がありますが、秩父帯のものより古い時代(古生代ペルム紀)のものです。また、中生代(ジュラ紀)の地層(宮成層群、土居層群、河内ヶ谷層群、嘉喜尾層群、成穂層)もありますが、大陸棚でできた地層で、形成場は形成機構が異なっています。
 なにより、黒瀬川帯の中には、黒瀬川構造帯と呼ばれる、さらに異質な岩石群があります。黒瀬川構造帯は、より古い大陸の岩石や大陸起源の砕屑岩類からできています。大陸起源の岩石にはいろいろな種類の岩石があり、火成岩(三滝火成岩類)、変成岩(寺野変成岩類)、堆積岩(岡成層群)が見つかっています。三滝火成岩類は4億4000万年前頃(オルドビス紀)の大陸の花崗岩類(少し斑レイ岩類)、寺野変成岩類は4億5000万年前頃(デボン紀)の大陸の片麻岩類、岡成層群は4億2000万年頃(シルル紀~デボン紀)に赤道付近で堆積した石灰岩や陸の酸性火山活動に由来する岩石です。
 このような黒瀬川帯の岩石の実態が、戦後すぐに調べられました。物資もまた不十分な時代に、地質学者が、のべ400日以上かけて、城川周辺(当時は黒瀬川村)で野外調査をしました。地元の人たちの協力もあったと、論文の謝辞には書かれています。
 黒瀬川流域は、日本の地質学で重要な役割を果たしてきました。だから地質館ができ、今では四国西予ジオパークに認定され、四国西予ジオミュージアムもできました。そんな地で2度目のサバティルを過ごしています。

・城川ロッジ・
今回のサバティカルには、家内も同伴しています。
夫婦で近隣を回ることにしています。
現在住んでいるのは、城川町土居ということろです。
先日、土居からほど近い、
窪野(くぼの)の小学校の跡地にある
城川ロッジのレストランでかけました。
土曜日にだけ営業しているところで
昼食をとりにでかけました。
このレストランは、もともとは城川ロッジという宿舎に
併設されたものでした。
宿舎には、なんども宿泊したことがあり
懐かしかったですが、
今では荒れていて、中を見ることもできませんでした。

・日本地質学の古戦場・
地質学で日本の地質史を学ばれた方は、
古い地層や古い岩石として、
黒瀬川帯、あるいは黒瀬川構造帯と呼ばれるものを
聞いたことがあると思います。
日本では「最古」の化石や岩石、地層がでることで
城川は有名な地でした。
日本でも古くから研究されてきたのですが、
詳細が明らかにされてきたのが
城川の黒瀬川流域の地だったのです。
日本の地質学の戦後すぐの古戦場ともいうべき地です。

2023年5月4日木曜日

6_202 ターミネーター・ゾーン 4:少ない可能性と多数

 ターミネータ・ゾーンで、ハビタブルゾーンの存在の可能性は、少ないながらもでてきました。M型恒星の数が多いので、少ない可能性であっても、生命誕生が起こったかもしれません。



 M型恒星の周囲を潮汐ロックされて巡る惑星には、夜明けや日没のところには、ターミネーター・ゾーンができます。潮汐ロックされていますので、安定した領域となります。その環境のシミュレーションは、長期的には水が安定に存在できないことわかってきました。しかし、ロボさんらの研究では、水が存在できる可能性が示されました。
 シミュレーションで重要になる初期条件は、恒星からの距離(放射量)と水と氷の割合、大気圧であることが判明しました。
 水が少ない状態でスタートすれば、水蒸気の発生が抑えられ、放射量が多くても暴走温暖化は起こらないことがわかってきました。そして、ターミネーター・ゾーンで、温度が0~50℃の範囲になり水が存在できることがわかってきました。
 水が多い状態で惑星がスタートすると、海から大量の水蒸気が発生して暴走温室効果が起こることになります。そんな状態であっても、もしかすると水が再度形成される可能性も指摘しています。例えば、いったん夜の側に移動して凍った水も、その量が多ければ氷床が厚くなり流動しはじめ、もしターミネーター・ゾーンまで流れる氷河があれば、そこで融けて水になり川や湖ができることになります。ただし、このシミュレーションはなされていません。
 M型恒星で、地球のように7割が海のような水の多い惑星では、特別な条件を満たさないと、ターミネーター・ゾーンに水が存在できません。水が少ない陸が多い惑星では、ターミネーター・ゾーンに海が位置していれば、ハビタブル・ゾーンが安定して存在できるかもしれません。
 まだまだM型恒星の惑星におけるハビタブル・ゾーンの存在については、不明な点が多いのですが、可能性は残されたことになります。M型恒星は数が多く、寿命も長いため、近くを巡る惑星があれば、安定期的なハビタブル・ゾーンが存在するかもしれません。そこには、生命誕生の可能性もあるはずです。そんな期待を残す報告でした。

・明浜の段々畑・
ゴールデンウィークは出歩くことは控えています。
動くときは、休日や祝日ではなく平日にしています。
先日も昼前から、明浜にでかけました。
快晴の空の暑い日でしたが、
みかんの段々畑と石灰岩のコントラストが綺麗でした。
地域のイベントがあれば参加するようにしています。
大きなイベントがあった先日の土曜日は
あいにくの雨なので出かけるのを諦めました。
残念なので町内で
土曜のみ開かれるレストランにいきました。
昔よく泊まった施設を利用しています。
今はレストランだけが使われています。
地質館も使われなくなりましたが、
鍵を借りて中をみてきました。
それほど傷んではいなかったのですが、
いい施設なのでもったいないでした。

・土佐清水ジオパークへ・
来週から2度目の野外調査にでることにしています。
今度は高知県西部を中心に回る予定です。
高知ではジオパークが2つあります。
室戸は世界ジオパークとして有名ですが、
新しく2021年9月に土佐清水ジオパークが
日本ジオパークとして認定されました。
そこを中心に見て回ろうと考えています。
もともと地質学では、土佐清水の竜串の三崎層群や
白山龍門のラパキビ花崗岩で有名な地域でした。
何度が訪れていますが、
再度、見て回ろうと考えています。

2023年4月27日木曜日

6_201 ターミネーター・ゾーン 3:否定的意見

 ターミネーター・ゾーンのハビタブルゾーンには、否定的意見もあります。M型星も長期的には変化していくので、惑星の環境も変化していきます。やがて、ハビタブルゾーンが消えるというものです。


 多数存在するM型星で、潮汐ロックされた惑星には、ターミネーター・ゾーンがハビタブルゾーンになるのではないかという考えを、前回紹介しました。特殊なM型星ですが、そこにも利点もありました。しかし、否定的な意見もあります。それを紹介していきましょう。
 長寿命のM型星ですが、変化していきます。恒星は水素がヘリウムになるという核融合で輝いています。時間経過とともに、恒星内での核融合の効率が上がっていきます。その結果、明るさが増大していきます。
 周辺の惑星、特に近い軌道を巡る惑星は、大きな影響を受けます。明るくなるにしたがって、ターミネーター・ゾーンの暖かくなり、海からの蒸発も多くなっていきます。大気中の水蒸気が多くなると、温室効果が激しくなり、やがて暴走して(暴走温暖化と呼びます)、灼熱の惑星へとなっていくだろう。こんな可能性が指摘されています。
 ところが、別のシミュレーションでは、逆の結果もえられています。恒星が明るくなると、惑星の海が蒸発していき、水蒸気が大気圏外に逃げ出したり、夜の領域に入ってものは、雪となり凍結してしまったりす可能性がでてきました。ターミネーター・ゾーンに存在していた水が、だんだんとなくなっていきます。やがて、ターミネーター・ゾーンも乾燥し、生命が誕生できず、存続もできないという指摘です。
 いずれのシミュレーションに向かうとしても、これまで考えられていた、ターミネーター・ゾーンという安定した領域は、継続できないのではということになってきました。
 このような相反する推定がでてきたということは、詳細なシミュレーションをしてみる必要があります。そこで、カリフォルニア大学アーバイン校のロボさんらは、潮汐ロックされたさまざまな条件でシミュレーションをしました。その結果を、2023年3月に天文学雑誌(The Astrophysical Journal)に報告しました。そのタイトルは、
 Terminator Habitability: The Case for Limited Water Availability on M-dwarf Planets
(ターミネーターゾーンでのハビタブルゾーンの可能性:M型赤色矮星の惑星において水が限られた条件での存在する可能なケース)
というものです。タイトの日本語訳はかなり意訳になっています。
 つまり、限定された条件になりそうですが、水が存在できるハビタブルゾーンができそうだという報告になります。その詳細は次回としましょう。

・最初の野外調査・
このエッセイは、予約配信となります。
ちょうどこの時期、野外調査にでかけています。
最初なので、近場として、しまなみ海道を利用して、
広島に渡り、主には島々を調査する予定です。
しまなに海道ははじめてなのと、
借りた車で自動車を走るのもはじめてなので
少々緊張するかもしれませんが、
なんとか無事に調査が
終わればと思っています。

・ゴールデンウィーク・
週末からゴールデンウィークになります。
土日のあと中に二日間、平日を挟んでいますが、
そのあと、4連休となります。
2日間、休みをとれば、9連休になります。
各地で混雑が予想されるので、
あまり動き回らないでいようと考えています。
日常の通りに、執務室で
研究に専念したいと考えています。

2023年4月20日木曜日

6_200 ターミネーター・ゾーン 2:M型の赤色矮星

 多数存在する赤色矮星は、あまり系外惑星の探査の対象にはされていませんでした。この恒星の惑星にあるターミネーター・ゾーンは、安定して存在します。そこには、ハビタブルゾーンができていそうです。


 太陽は、G2V型(スペクトル型という分類)というもので、多くの恒星のありふれたものです。そこには、ハビタブルゾーンに惑星(地球)があり、生命がいる天体となっています。しかし、私たちの太陽以外の恒星で、G2V型に限定すると、恒星の数は多くても系外惑星はそれほどは見つかっていません。
 生命誕生の条件はまだ不明ですが、生命が誕生するには、多数の天体で試行錯誤が必要かもしれません。もし多数の天体に生命が存在するのであれば、生命の痕跡(例えば、酸素の多い大気が見つかるなど)が観測できるかもしれません。そこには至っていませんが。もし、少数の天体にしか、生命が誕生していかなければ、見つけることができないかもしれません。
 現在、太陽系近隣の恒星で、通常の恒星(主系列星と呼ばれています)をターゲットにして、探査が進められています。発見されているハビタブルゾーンをもった系外惑星が少ないため、生命誕生の可能性は多くなさそうです。
 生命誕生の条件として、惑星内のどこかに、局所的にでも海が恒常的に存在すればいいと考えていけば、可能性が上がってきます。そのような場として、今までターゲットとしてきたものより、もっとたくさんある恒星であれば、惑星の存在確率も多くなるはずです。問題は、多数存在する恒星の惑星に、ハビタブルゾーンに存在するかどうかです。
 まず、恒星として、主系列星ではないのですが、多数存在する赤色矮星と呼ばれるもの(M型星)があります。太陽よりずっと小さいのですが、数は多くあります。軽くて暗い恒星なのですが、恒星の3/4がこのタイプだと考えられています。
 M型星は暗い恒星なので、惑星でのハビタブルゾーンも恒星に近くなってきます。恒星が暗いため放射も少なく、惑星の表層を擾乱させることもなく、海が安定に存在しやくすくなります。近くを巡る惑星は、潮汐ロックが起こり、自転と公転が一致します。これは地球と月の関係で起こっているもので、月は常に同じ表面を地球の方に向けることになります。そこに「ターミネーター・ゾーン」ができます。
 潮汐ロックされた惑星のターミネーター・ゾーンは、明暗境界線とも呼ばれているのですが、朝と夕方の領域です。潮汐ロックされた惑星では、昼の地表が暑く、夜が寒くても、ターミネーター・ゾーンでは中間的な条件のところができます。ターミネーター・ゾーンは、常に同じ位置に存在し、そこに海ができるハビタブルゾーンとなります。
 M型星の惑星は質量が小さく、暗いので、主系列星よりずっと長寿となります。そのため、長く安定した条件が継続することになり、生命誕生の試行錯誤も長期にわたってできます。恒星の数も多いので、このターミネーター・ゾーンが、生命誕生の可能性として注目されています。
 しかし、M型星のハビタブルゾーンに関しても、問題点はあります。その内容は、次回としましょう。

・近隣の散策を・
サバティカルの生活も
だんだんと落ち着いてきました。
火曜日と金曜日に、半日、
近隣を散策するようにしています。
近隣地域は、以前に一通り巡っていますが、
家内ははじめてです。
観光や買い物などを兼ねて
あちこちを周っています。
再訪すれば、それなりに知らないこと、
新しいことも見つかります。

・温水プール・
これまで通勤で、往復7kmを歩くだけが
運動だったので筋肉が衰えてきました。
野外調査をしていると
体幹や足腰の衰えを度々感じています。
サバティカルを機会にして、
町内にある温水プールに、
夕方、家内と一緒に通うことにしました。
最初は、少ししか泳げなかったのですが
少しずつ泳ぐ距離も伸ばしています。
そのせいか、夜もすぐに眠りにつけます。
この生活サイクルと続けていければと考えています。