2026年7月16日木曜日

2_233 アスガルド古細菌 4:ストロマトライト

 新たにアスガルド古細菌の培養に成功例が報告されました。その古細菌は、西オーストラリアに生きているもので、ストロマトライトと呼ばれる生物マットの中にいました。ストロマトライトは不思議な生態をもっています。


 前回、MK-D1と呼ばれるアスガルド古細菌の培養には成功していましたが、他の種でも成功したという報告がなされました。その古細菌は、西オーストラリア海岸のシャーク湾内のハメリンプールと呼ばれる海岸に生息していていました。ストロマトライトと呼ばれる微生物マットの中にいました。
 ハメリンプールのストロマトライトについて、まずは説明しておきましょう。
 西オーストラリアの北に位置するシャーク湾は、湾の北側がインド洋に開き、南に長く伸びた内湾で、水深が浅くなっています。西オーストラリアの内陸は乾燥した気候で、気候も亜熱帯で、海水の蒸発が激しく、もっとも内側に位置するハメリンプールの海水の濃度は7%ほどで、通常の約2〜3倍の濃度になっています。このような濃い海水には、生物の生息しずらく、限られた生物しか住めなくなっています。
 そんな過酷な場所に、ストロマトライトと特異な堆積構造をもった微生物のマットが多数形成されていました。マットは、直径50cm、高さも50cmほどのマッシュルームのような形状となっています。このようなマットが、浅い海岸にマッシュルームのように多数生えています。非常に不思議な光景の海岸になっています。
 マットの上面は、満潮には海面下になり、干潮になるとマッシュルームの頭の部分が海面から頭が出てしまいます。マット全体は農い緑青色のものが覆っています。それは、光合成をして酸素を出すシアノバクテリアです。シアノバクテリアとは、光合成をする生物で、太陽光を浴びて酸素を出します。また、海水に巻き上げられた砂を捕まえて粘液で固定します。長い年月を経ると、成長によって薄い層が同心円状に成長していって層状構造をもった岩石となっていきます。
 マットをさらに詳しくみていくと、シアノバクテリアの下には、嫌気性バクテリア(硫酸還元バクテリア、メタン生成バクテリアなど)や古細菌(各種のアスガルド古細菌)がいることがわかってきました。下層は、嫌気性環境(酸素濃度が低く)、硫酸還元バクテリアが生息できる硫酸塩濃度が高い条件となっていることになります。
 ストロマトライトという名称は、20億年前ころ、海岸付近で形成された堆積岩の中によくみられた岩石につけられました。マッシュルーム状の形態をもちち、その内部にはマッシュルームの上面の形に沿って同心円状の層構造がありました。マッシュルームの周りは、それらが壊れた破片が埋めていました。
 非常に変な構造の岩石でしたが、世界各地で大量に見つかっていました。その正体や成因はよくわかっていませんでした。ところが、ハメリンプールで「生きているストロマトライト」が見つかったことで、微生物の集合体マットが、ストロマトライトになっていったことかわかってきました。
 20億年前に大量のストロマトライトが形成されたことから、その頃に、急激に酸素の生産され、大気中に加わっていたと考えられました。太古代に海洋や大気が、還元的(酸素が少ない状態)から酸化的環境へと、急激に変わったと考えラえます。
 現在のハメリンプールのマットの構造として、表層は好気性(酸素を好む)で内部には嫌気性(酸素が少ない状態を好む)の生物がいることから、太古代に酸素が形成されつつあるころの海の環境に似ていると考えられます。
 このストロマトライトのマットの下層のアスガルド古細菌の培養をして、詳しく調べられましょうた。その詳細は次回に。

・運動と睡眠・
北海道もやっと気温が上がってきました。
やっと半袖になりました。
昼間は、窓を開けるとちょうどいいのですが
夜には窓を閉めて寝ています。
夜も過ごしやすく、熟睡できるのでいいです。
最近、やっと妻も私も体調が整ってきたので
プールにいって、ウォーキングだけでなく
水泳も少々するようになりました。
それもあって、ぐっすりと眠ることができています。

・ハメリンプール・
西オーストラリアのハメリンプールには
これまで2度訪れています。
一度目は、妻と一緒に観光ツアーでいきました。
ガイドに頼んで少々長めに滞在してもらいましたが
満潮時だったので、海水の中にいる状態での観察となります。
よく見ることができませんでした。
二度目は、調査でいったので、
海水が引いた干潮時間も調べていったので、
じっくりと見ることができました。