2024年6月13日木曜日

6_210 人新世 1:地質時代の区分

 以前、人新世という新しい地質年代が提案がなされました。長い時間かけて、それを地質時代として認定するかどうかが、議論されてきました。今年の3月に結論がでました。その意味について考えていきましょう。


 地質時代の新しい年代区分として、「人新世」が提唱されたのですが、それを認めるかどうか、15年もかけて議論されきました。
 人新世とは、英語のAnthropoceneの日本語名称となります。anthropoとは、ギリシア語で「人」を意味し、ceneとは、新生代の時代区分の名称に付けられる接尾語になります。それらを合わせて、Anthropocene 人新世という名称がつくられました。
 そもそも地質時代とは、どのようななものかを、概観しておきましょう。
 過去を、地層に記録された地質現象から区分していくことです。地層に残る地質現象としては、年代を記録するものとして、いろいろなものがありますが、化石がもっとも有力です。化石は生物の遺骸なので、生物種の絶滅や出現で、時代を区分することになります。
 ただし、化石が多数産する時代の顕生代(5億3880万年前から)では有効ですが、あまりで見つからない先カンブリア紀には使えません。そのため、先カンブリア紀は、冥王代、太古代、原生代に大きく区分されていますが、あまり細かい区分はできていません。
 顕生代は、古い方から、古生代(5億3880万年前から)、中生代(2億5190万2000年前から)、新生代(6600万年前から)の3つに区分されています。新生代は、古第三紀(6600万年前から)、新第三紀(2303万年前から)、第四紀(258万年前から)に区分され、第四紀はさらに更新世(1万1700年前まで)と完新世に区分されています。完新世は1万1700年前から現在までになります。
 今回の話題は、完新世をさらに2つに区分して、人新世という時代をもっとも新しい時代として加えようという提案です。このような提案は、人類が地質学的に記録に残るような影響を与える時代になってきたということを背景に提唱されてきました。
 長い時間をかけて議論されてきた人新世が、今年の3月に否決され、採用されないことになりました。では、人新世とはどのような意味や意図があり、なぜ否決されたのかを見てきましょう。

・予約配信・
このエッセイは、予約配信しています。
以下の内容もすべて一週間前のものです。
先週末に今シーズン3回目の野外調査にでました。
今回は、広域ですが、オホーツクの周辺を中心に
調査を進めていく予定です。
今回も以前から訪れているところを巡りますが
一部ははじめて訪れるところもあります。
北海道内を、あちこち見て回っているのですが、
まだ見ていない露頭もあります。
もちろん同じ露頭でも、見方を変えれば
新しいこともみえてくるはずです。
そんな繰り返しを今も続けています。

・YOSAKOI・
北海道は、いよいよYOSAKOIの季節になりました。
5日からはじまりまり、9日がファイナルになります。
YOSOKOIがたけなわの時期に出かけています。
北海道は今年は寒い日が多く
前回までの野外調査は、体調をくずしています。
やっと暖かくなってきて、動きやすくなりました。
出かける前なのに、少々風邪気味なので、
体調が心配ですが、予定通り調査にでます。
その不調がまだ残っていますが
なんとか目的のところを巡れればと思っています。