2024年6月6日木曜日

4_184 恵山:ツツジの咲く頃

 恵山は、春にはツツジの咲く山です。ツツジが満開の頃には、イベントも催され、函館から近いので、多くの人が訪れます。周辺には温泉もあります。有史以来何度も噴火をしており、現在も噴気を出している活火山です。


 5月下旬、道南の恵山にいきました。恵山は、渡島半島(亀田半島)の東端にある火山で、現在も噴気を出している活火山です。海に面して火山があるので、東海岸は険しい崖になっています。半島を巡る道は険しいため、途中で切れています。恵山側から北側(椴法華 とどほっけ)にいくには、恵山の西側を通る国道278号線を経由して迂回しなければなりません。
 恵山は、5万から4万年前から活動がはじまり、1万年前までには大きな火山体に成長していきました。8000年前には大規模な火砕流が発生し、溶岩ドームも形成されました。そして、2500年前の噴火で、溶岩ドームを壊す山体崩壊が起こりました。その後も何度も噴火が起こっています。
 恵山を車で登っていくと、登山口に駐車場があり、そこには賽ノ河原と呼ばれる火口原が広がっています。火口原から見ると、山に取り囲まれているように見えます。北から時計回りに、北外輪山、恵山、スカイ沢山、南外輪山、椴山(とどやま)、海向山と呼ばれる山並みがあります。これらは、外輪山となっていますが、恵山のその一部となっていますが、二重の構造をもった火山となっています。恵山は、溶岩円頂丘となっており、現在も火山活動の中心になっています。
 恵山はもっとも高く標高が618mあり、東側は海に囲まれています。海から高くそそり立った火山になっています。恵山の山腹では、現在も噴気を出しており、その噴気口周辺にはイオウの昇華が見えます。今回の目的は、恵山の火山現象や火山地形の観察でした。火口原にはツツジなどの低木の植生はありますが、中腹から上には植生がなく、荒涼とした火山地形となっています。
 たまたま訪れた翌日が、「恵山つつじまつり」の開催日でした。火口原にいく途中に、つつじまつりの会場の公園がありました。公園でツツジも見ていこう立ち寄りました。
 会場の駐車場に向かうと、交通整理のボランティアの方がいたのですが、話をすると「もう、ツツジは終わりだよ」と声をかけてくれました。多くの人が訪れていたのですが、今年は、3週間ほどの前に満開は終わっていたとのことです。しかし、せっかく訪れたので、公園内を見て回りました。すると、メインのツツジは終わっていたのですが、サラサドウダンという小さなピンクの花をつけたツツジの木もたくさんあり満開でした。
 つつじまつりの会場ではツツジは終わっていましたが、火口原でもサラサドウダンが満開でした。火口原では、サラサドウダンが主な植生なので、そこではツツジが賑やかに見えました。

・開花のきっかけ・
花は、花芽の状態で越冬し、
春につぼみが開くというメカニズムがあるようです。
ツツジの花芽は、前年の夏にできるそうです。
一日の昼の長さが、夏至より短くなってくると
花芽が形成されていくそうです。
春になる花芽が休眠からさめ、
一斉に開花していきます。
サクラは2月1日以降の平均気温の合計が
400℃を超えると開花するという「400℃の法則」があり
かなりこの法則に沿っているようです。
しかし、ツツジの開花のきっかけは
まだよくわかっていないようです。

・まつりの賑い・
函館から、恵山に向かう道は、国道なのですが、
普段は交通量は多くありません。
向かった日は、土曜日の午前中だったのですが、
対向車が多くなっていました。
不思議に思ってえました。
つつじまつりにいったのはいいのですが、
満開が過ぎていたので、
諦めてすぐに戻ってきた
人たちの車だったのかもしれません。
そんなことを想像して納得していました。