2023年1月26日木曜日

6_198 ボイジャーは生きている 3:得がたい情報

 遠くにいるボイジャーは、現在も観測装置は稼働中で、データを送り続けています。昨年、ボイジャー1号から、変なデータが送信されてきました。改修するエンジニアたちがいました。


 ボイジャーは45年も前の探査機なので、装置はすべてその当時のものです。電源も観測装置も老朽化しているのですが、観測は継続されています。コンピュータはすでに作動しなくなっているのですが、データは送られてきていました。ところが、2022年5月に変なデータが送信されてきました。
 この不具合にNASAのエンジニアが対処をしていました。不具合は、姿勢制御システムが不正確な情報を送っていることがわかってきました。
 45年も前の古い探査機なので、対処は困難を極めました。運用のためのドキュメント類は受け継がれていました。しかし、長い年月とともに、エンジニアも入れ替わり、重要なドキュメント類も失われ、保存場所もわからなくなっていたそうです。
 当時は、ドキュメント類をライブラリにして保存することもされてませんでした。もちろん現在では、きっちりと保存する体制は捉えてられています。エンジニアの自宅のガレージに保存さているものもあったそうです。当時の担当者の名前からたどり着かなければならず、見つけるのが大変だったとのことです。しかし、なんとかドキュメントは発見されました。なんとか関係するドキュメントを掘り出して、対処法を見つけ出しました。その結果、8月30日には解決したと発表されました。
 故障していたコンピュータを経由してデータを送ってきたことが、異常なデータ送信の原因だと判明しました。しかし、その異常が発生した理由は解明されていません。探査機の老朽化と宇宙空間の状況によって引き起こされたのではないかとエンジニアたちは考えていますが、確かなところは不明です。
 1970年代の古い装置ですが、探査データは、デジタルで処理され送信さてきています。観測装置の補修もデジタル信号を送ることで対処されることになります。しかし、まずは担当者を探すること、関連するドキュメントを見つけること、分厚いドキュメントから対処法を探すという、限りなくアナログ的な対処でした。
 これまで人類は、太陽系内からしか調べることができませんでした。今でもほとんどの探査はそうです。しかし、ボイジャーは、太陽系の中から外への移り変わりを、継続的な情報として送信してくれました。今でも太陽系外からの情報を送り続けています。これは長い年月をかけて、長い旅をしなければえられない情報です。
 今後も探査活動を続けることを願っています。

・真冬日・
北海道はここしばらく、真冬日が続いています。
晴れば、室内は暖かくはなるのですが、
陰ったり、朝夕になると、急激に冷え込んできます。
自宅のストーブも通常の燃焼では寒いので
朝夕は、火力を高くしています。
真冬日は、体がこわばるのか
肩もこりそうになります。

・記憶、記録すること・
故障した実物を見ることができれば、
対処や修理ができるかもしれません。
遠くで見えないところにある探査機です。
しかも、情報のやり取りも
45年前の方法でしなければなりません。
対処もドキュメントがあったからできました。
ドキュメントの存在を記憶していた
人の存在も重要でした。
記憶、記録に残すことは大切ですね。