2026年10月22日木曜日

3_240 付加体の蛇紋岩 4:クロムスピネル

 付加体中にある蛇紋岩は、カンラン岩が変質したものです。カンラン岩はマントルを構成している岩石ですが、大陸と海洋のマントルでは異なった性質をもっています。どちらのマントルに由来した蛇紋岩でしょうか。


 志村さんたちの論文は、紀伊半島中央部の四万十帯中の蛇紋岩がどのようなマントルに由来したかを検討していました。
 島弧には、付加体として海洋プレートと、陸側には島弧として厚い地殻をもった大陸プレートもあります。島弧の地下には、海洋と大陸の両方のマントルが地下に存在しています。ですから、付加体の蛇紋岩には、両方からのマントルから由来している可能性があります。
 四万十帯の付加体より陸側には、三波川変成岩類があります。三波川変成岩類も、じつは付加体であることがわかってきました。ただし、付加体が深いところまで(地下20 km以深)持ち込まれて、高温低圧変成作用を受けたものが上昇してきたものです。四国の三波川変成帯の研究では、その中にある蛇紋岩が、大陸のマントルに由来していることが示されていました。
 今回は、四万十帯の中にある蛇紋岩が、海洋マントル由来だと判定したという報告でした。ただし、四万十帯のような浅い場所で形成された付加体に伴う蛇紋岩が、どのようなマントルから、どのようにして付加体に取り込まれたのかはわかっていませんでした。浅いところで形成された付加体は、多くの島弧で観察されていて、そこには蛇紋岩があります。その蛇紋岩の由来が解き明かせることにもつながります。
 蛇紋岩は、リザルダイトと呼ばれる粘土鉱物からできています。この鉱物には、蛇紋岩になる前のカンラン岩中に形成された鉱物(クロムスピネル)が残っていました(relict、レリクトと呼ばれます)。
 クロムスピネルは、その化学組成から、由来したマントルや火成作用できた玄武岩が区分できることがわかっています。クロムスピネルの主成分である、クロム(Cr)、鉄(Fe3+)とマグネシウム(Mg)で、海洋マントルと島弧の前のマントルが推定できます。そして、副成分であるチタン(Ti)の比率から、玄武岩(成熟した島弧、未成熟の島弧、中央海嶺)のなどが区分できます。さらに、変質作用で動きにくい岩石の微量な化学成分(ジルコン、イットリウム、ニオブ、ヴァナジウム)などを利用して、同様に由来したマントルが区分されてます。
 四万十帯の蛇紋岩のクロムスピネルと岩石の化学組成の区分から、海洋マントルのカンラン岩から起源だと判定されました。これは、浅いところに形成される付加体の下には、海洋プレートがあるので、そのマントルのカンラン岩が蛇紋岩化したことになります。
 四万十帯の付加体は、弱い変成作用しか受けていないので、それほど深部には持ち込まれていません。浅いところに形成された付加体に、どのように蛇紋岩が上昇してきたかの機構も不明です。この論文では、上昇機構も推定しています。それは次回としましょう。

・秋の深まり・
北海道は一気に秋が深まっています。
紅葉は不揃いに進んでいますが、
かなり葉を落としてきました。
10月上旬は、もう大雪山では
初雪、それも吹雪の報告がありました。
北海道はいよいよ秋も深まってきました。

・体力拡幅のため・
術後の回復のため、
ウォーキングを再開しています。
最初は、以前の半分以下の2、3kmほどからはじめ、
様子をみんながら少しずつ距離を伸ばしています。
最近、やっと4、5kmほどへと伸ばしてきました。
衰えた筋肉も少しずつ回復させるべく
少しですが筋トレもしています。
しかし、まだプールにいくほどには体調は戻っていません。
無理せず、少しずつですね。