2026年9月24日木曜日

1_251 スノーボールアース 9:レヒュージア

 全球凍結で、すべての海面が凍った環境でも、生物は生き延びてきたはずです。全球凍結の後に、カンブリアの大爆発と呼ばれる生物の激しい多様性の形成が起こったからです。生物の多様性は、どのように維持されたのでしょうか。


 全球凍結時に、鉄鉱層が各地で形成されていたということは、鉄イオンの沈殿が起こったことになります。鉄が化学的に沈殿するには、海氷の下に液体の海水があったことになりますが、その海水の温度が-15℃であったと推定されました。塩分濃度が非常に高かったため、このような低温でも凍ることなく液体として存在していたと考えられました。ただし、すべての海の水が塩分濃度が高かったのではなく、プール状に濃い部分が存在したと考えられました。
 凍らない塩水プールが各地に存在したということは、別の意味をもっています。生命進化において、全球凍結の期間、生命が生き延びるための重要な場になってくる可能性があるからです。
 38億年前に生命が誕生しました。また、20億年前には酸素を発生するシアノバクテリアが大量発生し、それまでの還元的な環境から、酸化的な環境へと大きくかわりました。そんな激変も生命は生き延びました。原生代の全球凍結の前には、多くの種類の生物の痕跡が見つかっており、20億年以上の長い時間をかけて、多様な生物種が多様な生態系ができていたことになります。
 全球凍結が終わり、温暖な状態が訪れた時(カンブリア紀がはじまるころ)、爆発的に生物進化(カンブリアの大爆発)が起こりました。全球凍結ですべての生物が絶滅して、新たに生命誕生から繰り返される時間はありません。ですから、全球凍結の時代も、生物の多様性は、なんとか保たれたと考えられます。
 すべての海洋が厚い氷に覆われた状態で、生物多様性を保存できる場所があったはずです。そのような避難場所をレヒュージア(refugia)と呼んでいます。レヒュージアの候補として、これまで海洋島などの海域での火山地帯が考えられました。海面に活火山があれば、全球凍結時にもその周辺には凍ることのない海が維持されると考えられます。そのような火山が100個程度あれば、生物多様性が保たれるというシミュレーションもありました。しかし、そのような地質学的証拠は見つかっていませんでした。
 今回、全球凍結時に形成された鉄鉱層で海水プールの存在が明らかになり、そこが新たなレヒュージアの候補にできるのではないかと提案されました。ただし、問題もあります。まず、高濃度の塩分のプールで生き延びられる、特別な生態系が必要です。さらに全球凍結が終わってすぐに、通常の光ある温暖で塩分濃度が今のような低い状態になった海水に適応して、一気に海洋全体に生物多様性が広がっていき、カンブリアの大爆発できるのかという、生物進化のための期間の短さへの疑問もあります。なにより、証拠が必要になるのですが、幸い鉄鉱層という地層があるので、そこで化石や生物の痕跡を探すことで、証拠がえられるかもしれません。それは今後の課題です。

・多様な環境・
全球凍結の時代において
レヒュージアは不可欠な条件です。
カンブリア紀の大爆発という生物の多様性と
全球凍結終了後の短い期間を考えると
生物進化が一気に起こる必要があります。
そのため、火山や塩水プールなど多様な環境での
レヒュージアがあったのかもしれませんね。

・術後・
術後の経過がよくなく
再度、治療を受けています。
今週末には、その治療の結果を確認していきます。
その後、数日間、様子をみながら、
体調を整えていく必要があります。
なんとか、これで治まればいいのですが。