2026年9月10日木曜日

1_249 スノーボールアース 7:衝突原因説

 このシリーズでは、全球凍結の発見やその原理に関する研究を紹介してきました。以降は、最近発表された論文を2編紹介していきます。まずは、その発生原因についての新しい仮説の論文です。


 全球凍結への契機を、超大陸分裂による二酸化炭素の減少、巨大火山の活動や生物による急激な酸素形成など、いろいろな仮説がありました。
 それぞれに課題がありました。風化による二酸化炭素の減少による寒冷化モデルでは時間のかかりすぎ、巨大火山も年代が必ずしも一致してない、ケイ酸塩の風化は寒冷化へ向かわない(負のフィードバック)、また低緯度の大陸配置は条件を整えるだけで直接原因ではないとうい可能性もあることなど、いろいろ課題があることも指摘されていました。
 巨大衝突によって地表全体の反射率(アルベド)が急激に変化すれば、全球凍結が起こる可能性が示唆されていました。今回紹介する論文では、全球凍結に至る原因として、天体の衝突のモデルでのシミュレーションがなされました。フー(Fu)さんたちの共同研究で、2024年のScience Advances誌に掲載された
Impact-induced initiation of Snowball Earth: A model study
(衝突によって誘発されたスノーボールアースの発生:モデル研究)
というタイトルの論文です。
 天体としては、K-Pg境界で恐竜などの大絶滅を起こした天体(直径10km程度)が衝突したと想定しています。衝突で、硫黄を含む岩石の成分が、成層圏へと吹き飛ばされ、日光を反射する硫酸塩エアロゾルが形成されます。その結果、太陽光の入射量が減ります。その状態を前提として、その後の変化を、4つの条件でシミュレーションがおこなわれています。
 4つの条件とは、工業化がおこなわれる前(前工業期)の状態、最終氷期のもっとも寒冷な状態(最終氷期最盛期)、白亜紀のような高い二酸化炭素の濃度の温暖な状態、そして原生代後期(7億2000万年前)頃の高い二酸化炭素濃度(1500 ppm と 750 ppm の2つ)の状態で、それぞれでシミュレーションがなされています。
 もともと地球が温暖な時期(前工業期や白亜紀など)であれば、熱容量が大きいため深海は温暖なままで、海洋全体が凍結温度に達することなく、異変も10年ほどで回復することがわかりました。原生代後期でも二酸化炭素が多ければ、全球凍結には至りませんでした。低緯度の大陸分布状態でも全球凍結に至らないという結果は、大陸分布よりも海洋温度が支配的要因であることになりそうです。
 また、最終氷期最盛期の寒冷な時期や原生代後期で二酸化炭素が少なければ、全球凍結に至ります。その暴走冷却は速く、わずか10年足らずのうちに、海氷が赤道まで到達します。いったん海洋全体が氷で覆われると、太陽光の大部分(60%程度)が、宇宙へ反射されてしまいます。天体衝突に舞い上がった塵が収まっても、極寒の状態が維持されます。数100万年以上にわたる全球凍結へと突入します。
 このような主張に対して、大型天体の衝突の確率が低いこと、新期原生代には隕石衝突の痕跡がない、などの反論が想定されます。それに対して、論文で事前に説明しています。
 衝突の発生確率については、直径5km以上の天体は4000万年に1回は起こると推定されています。衝突は珍しい現象ではないことになります。衝突の地質学的痕跡ですが、海洋で衝突したらその痕跡は残りませんし、クレーターができても浸食や沈み込みなど地質学的改変で失われる可能性が高いはずです。もっとも確実な証拠となる、衝突で飛び散った放出物は、発見されていません。これは、大きな問題点となります。
 硫酸塩や炭化水素に富む岩石は、地表では13%程度を占め、そこに衝突すればエアロゾルとなって強い冷却を起こせます。顕生代には、5000万年ほどの氷期となっている条件があるので、それを地球史でみれば、33億年に1回は氷期の起こる確率となり、25億年前以降に少なくとも53%の確率で、1回はなっていた考えられます。
 全球凍結の他のメカニズムと比べると、衝突によって誘発されると、堆積物の蒸発から、大気中の二酸化炭素が急増しますが、1000 ppm程度が増加しても、海氷形成に影響しないという結果がでてきました。そして、全球凍結が一気に進むことで、中緯度の氷河堆積物が乏しい可能性が指摘されています。
 これまでスノーボールアースの原因は、超大陸の分裂による二酸化炭素の減少と巨大火山活動などが主流でしたが、天体衝突という要因の可能性が提唱されたことになりました。

・確率の値・
この論文の条件では、第四紀の更新世で、
もし10kmの天体の衝突が起きていれば
全球凍結にになった可能性が指摘されています。
その確率は250分の1だとのことです。
この確率は低いのでしょうか。
数値を示されても判断できるのでしょうか。
これは、地震の発生確率の提示と
似た状況ではないでしょうか。

・風邪の不調・
術後の体調不良がある上に
風邪による体調不良も加わりました。
わが町では、インフルエンザが流行っているようですが
ここ2週間、自宅を一歩もでていません。
熱もでていませんし、筋肉痛もありません。
インフルエンザではなさそうです。
ただ、風邪気味での不調です。
まあ、無理をせず、安静にしていくしかないようです。