前回は、私が野外調査にできるときの下準備や、調査の日程の組み方などを紹介しました。今回からは、実際の調査で行った地域の紹介します。その地の地層の見どころや調査の目的などを紹介していきたいと思います。
今回、調査の最初の目的地は、大分県津久見市の網代島でした。網代島は、満潮のときは島になっていますが、干潮のときは陸地が現れ、歩いて渡ることができます。干潮は午後でしたので、その時間帯にここに来て、網代島に渡り、調査をしました。
網代島は、層状チャートが非常に見事にでているところで、以前にも来たことがあるのですが、再度、調査に来ました。陸側にはジュラ紀後期の砂岩が分布しており、黒色頁岩に変わっていきます。ちょうど海峡のところに断層があり、島側は三畳紀前期の地層になっています。三畳紀の地層は、最初は珪質の砂岩とチャートの繰り返し(互層といいます)で、やがて層状チャートに変わっていきます。島は層状チャートからできています。
陸側の地層のジュラ紀後期(約1億6000万年前)と網代島の三畳紀前期(約2億5000万年前)の間には、大きな時代の違いあります。この間にある断層は、非常に大きな時代の境界になっています。
また、地層の種類もだいぶ違っています。ジュラ紀の地層は、陸から由来している堆積物(砂岩や黒色頁岩)からできており、三畳紀は深海(層状チャート)から、やや陸に近い深海の堆積物(珪質砂岩とチャートの互層)となっています。
ここに来たのは、層状チャートの中に隕石の衝突の痕跡があるので、それを観察するためです。実際には目で見ても、痕跡は非常に小さいものなので、よくわかりません。隕石の衝突の痕跡とは、宇宙塵と呼ばれる小さい隕石のカケラが多数見つかっていることです。同じ時代の岐阜県犬山の層状チャートにも、宇宙塵が、多数、見つかっています。ですから、この時代に、大きな隕石衝突が起こったことがわかります。
層状チャートは、海面付近で暮らしていた珪質の殻をもったプランクトンの遺骸が、深海底にたまったものです。層状チャートは大きな海洋の深海底で形成されたものです。地球上でもっとも安定した環境です。そこに衝突の影響が記録されているということは、非常の大きな異変が起こっていたことになります。
そんな目に見えない、天変地異の様子を、網代島に観察しにきたのです。
・確定申告・
確定申告の季節になりました。
住基ネット時代から、私はe-taxで納税しています。
そして、毎年、その処理の煩わしに
いらいらしながら、申告をしています。
昨年は、Windows10になったせいでしょうか、
従来のやり方で認証ができずに、
最終的にはe-taxで作成したものを印刷して郵送しました。
これでは、なんのためのe-taxかわかりません。
今年は、マイナンバーになって、やはり手こずりましたが、
なんとかe-taxで送信することができました。
集計は家内がおこなうのですが、申告は私が行います。
ですから、毎年、私は、イライラしながらの確定申告です。
次こそは、すんなりいくことを願っています。
・三寒四温・
先日、非常に暖かい日がありました。
暖かい日は、一気に雪や氷を溶かし、
道を水浸しにしてしまいました。
洪水のような道になっていました。
かと思うと、また寒い日が来て、吹雪がきました。
三寒四温にしては、温度変化が激しすぎます。
体調には気をつけなければなりませんね。
2017年2月23日木曜日
2017年2月16日木曜日
4_132 日豊の旅 1:スケジュールの決め方
今回の旅シリーズは、私がどのようにして調査日程を組んでいくのか、そして調査にどのようなドラブルがあるのかなど、少々思い出話しめいた内容も組み込みながら、紹介していきたいと思っています。
1月末、講義と校務の合間をぬって、5日ほど調査に出かけていました。通常では、この時期は寒いので、出かけることはありません。しかし、今年度の研究費申請で、ゴールデンウィークに大分ー熊本の調査、9月に和歌山の調査で申請していました。しかし、ゴールデンウィークの調査は熊本地震のため中止せざるえませんでした、北海道内の他の地域にもいったのですが、予算の執行も目的に遂行もできずにいました。
そこで当初の目的通り、大分を中心に調査にいくことにしました。大分南部(豊後)から宮崎(日南)北部にかけて、いくつかみたい地層がありました。日程は、定期試験の期間なのですが、私が担当する業務のない日程と、土・日曜日を組み合わせて都合をつけました。それが、今回の日豊地域の調査になりました、それに、あと一箇所、青島での地層の観察を加えたいと思っていました。本来ならもう少し南にも足を伸ばしたかったのですが、日程的に無理となりました。
私は、調査の日程を移動と目的地を選定して考えて組んでいきます。今回の日程は、5日間でした。北海道からでかけますので、飛行機の乗り継ぎがあります。初日と最終日は移動が中心の日となり、正味の調査日程は、3日間となります。
今回の3日間の調査では、一日ごとにメインの目的を定めて、そして次の目的地に移動していきました。1箇所目は、津久見地域の層状チャート、次が佐伯地域のメランジュ、最後が青島の宮崎層群を調査することでした。あとは移動の途中に、時間とチャンスがあればいろいろ見ていくことにしていました。
佐伯以外のところは、以前にもいったことがありました。しかし、津久見では重要な露頭を再度調査することと、前回は日程の都合でいけなかった場所があったので、そこにいくという目的もありました。今回は津久見では、うろうろしながらこまめに見て回ったので、予期せぬ露頭を見つけることができました。
はじめての佐伯地域で、文献で調べていたところでは、目的の露頭は海岸でアプローチが容易ではなさそうで、たどり着けない可能性があるところでした。しかし、地域内であれば、地質学的には、同じ地層がでているはずです。他のところで似たものが見られるかもしれません。いってみるしかありません。
青島へは何度かいっており、かなり細かく調査していたのですが、再度、行ってみることにしました。
このような予定を立ててはいるのですが、実際には、天候が悪いと予定通り進めるかどうかはわかりません。今回は幸いにも天候には恵まれ、予定通りに調査が進みました。また、予期せぬ素晴らしい露頭があったのですが、予定を変更するまでには至りませんでした。いい記録を撮るために、時間帯を変えて訪れることもありました。津久見の網代島は、干潮でないと渡れません。干潮に時間は午後2時でした。朝一番に満潮の状態を見ておき、他のところを調査して、午後に再度じっくり時間をかけて調査して、次の目的近くの宿に移動することにしました。
このように野外調査をするときは、いろいろを考えていくのですが、最終的には現地いってみないと、どうなるかはわかりません。今回のように日程が短い場合、天候が悪いと、予定がほとんどダメになることもありますが、今回は天候がよくて、救われました。
・宮崎空港から・
今回の調査地への出入りを考えるとき、
大分空港から宮崎空港からかを迷いました。
青島の地層をみる予定がないのなら、
大分空港の方が楽なのですが、
青島を見ることを考えると宮崎空港が効率的です。
初日に高速を使って一気に津久見までいくことにしました。
・研究の季節・
大学は入試のシーズンです。
我が大学のいとつめの入試は終わり、
3月に次の日程が入ります。
また、在学生の成績と進級判定、4年生の卒業判定など
この時期に目白押しの予定となります。
いろいろ不規則な会議がありますので、
なかなか落ち着かないのですが、
時間が一番とれる時期でもあるので、
研究に没頭したいところなのですが・・・・
1月末、講義と校務の合間をぬって、5日ほど調査に出かけていました。通常では、この時期は寒いので、出かけることはありません。しかし、今年度の研究費申請で、ゴールデンウィークに大分ー熊本の調査、9月に和歌山の調査で申請していました。しかし、ゴールデンウィークの調査は熊本地震のため中止せざるえませんでした、北海道内の他の地域にもいったのですが、予算の執行も目的に遂行もできずにいました。
そこで当初の目的通り、大分を中心に調査にいくことにしました。大分南部(豊後)から宮崎(日南)北部にかけて、いくつかみたい地層がありました。日程は、定期試験の期間なのですが、私が担当する業務のない日程と、土・日曜日を組み合わせて都合をつけました。それが、今回の日豊地域の調査になりました、それに、あと一箇所、青島での地層の観察を加えたいと思っていました。本来ならもう少し南にも足を伸ばしたかったのですが、日程的に無理となりました。
私は、調査の日程を移動と目的地を選定して考えて組んでいきます。今回の日程は、5日間でした。北海道からでかけますので、飛行機の乗り継ぎがあります。初日と最終日は移動が中心の日となり、正味の調査日程は、3日間となります。
今回の3日間の調査では、一日ごとにメインの目的を定めて、そして次の目的地に移動していきました。1箇所目は、津久見地域の層状チャート、次が佐伯地域のメランジュ、最後が青島の宮崎層群を調査することでした。あとは移動の途中に、時間とチャンスがあればいろいろ見ていくことにしていました。
佐伯以外のところは、以前にもいったことがありました。しかし、津久見では重要な露頭を再度調査することと、前回は日程の都合でいけなかった場所があったので、そこにいくという目的もありました。今回は津久見では、うろうろしながらこまめに見て回ったので、予期せぬ露頭を見つけることができました。
はじめての佐伯地域で、文献で調べていたところでは、目的の露頭は海岸でアプローチが容易ではなさそうで、たどり着けない可能性があるところでした。しかし、地域内であれば、地質学的には、同じ地層がでているはずです。他のところで似たものが見られるかもしれません。いってみるしかありません。
青島へは何度かいっており、かなり細かく調査していたのですが、再度、行ってみることにしました。
このような予定を立ててはいるのですが、実際には、天候が悪いと予定通り進めるかどうかはわかりません。今回は幸いにも天候には恵まれ、予定通りに調査が進みました。また、予期せぬ素晴らしい露頭があったのですが、予定を変更するまでには至りませんでした。いい記録を撮るために、時間帯を変えて訪れることもありました。津久見の網代島は、干潮でないと渡れません。干潮に時間は午後2時でした。朝一番に満潮の状態を見ておき、他のところを調査して、午後に再度じっくり時間をかけて調査して、次の目的近くの宿に移動することにしました。
このように野外調査をするときは、いろいろを考えていくのですが、最終的には現地いってみないと、どうなるかはわかりません。今回のように日程が短い場合、天候が悪いと、予定がほとんどダメになることもありますが、今回は天候がよくて、救われました。
・宮崎空港から・
今回の調査地への出入りを考えるとき、
大分空港から宮崎空港からかを迷いました。
青島の地層をみる予定がないのなら、
大分空港の方が楽なのですが、
青島を見ることを考えると宮崎空港が効率的です。
初日に高速を使って一気に津久見までいくことにしました。
・研究の季節・
大学は入試のシーズンです。
我が大学のいとつめの入試は終わり、
3月に次の日程が入ります。
また、在学生の成績と進級判定、4年生の卒業判定など
この時期に目白押しの予定となります。
いろいろ不規則な会議がありますので、
なかなか落ち着かないのですが、
時間が一番とれる時期でもあるので、
研究に没頭したいところなのですが・・・・
2017年2月9日木曜日
1_155 チバニアン 3:地磁気の逆転
千葉には、第四紀の更新世中期の地層がでており、GSSPとして名乗りをあげています。もし認められれたら、更新世中期の時代名は、「チバニアン」となるはずです。さて、どうなるでしょうか。
千葉県市原市田淵の「千葉セクション」は、第四紀の更新世中期の地層が連続してでています。前期と中期の境界も連続露頭の中で見えているため、「国際標準模式層断面及び地点」のGSSPになるべく、申請がされています。もし認められたら、更新世中期の時代名は、「チバニアン」となるはずです。日本の地層で、時代名がつけられるのは、はじめてのことになります。
千葉セクションの地層では、環境を示すデータも揃っており、境界には火山灰層もあり、わかりやすい露頭となっています。また、時代区分として重要な事件として、地磁気の転換が起こっています。
地磁気の転換とは、現在、磁石のNは北を指します。地球の地場(地磁気という)は北極にS極があることを意味します。地磁気は、核で溶けた鉄が流動することで磁場を発生している(地球ダイナモ説)と考えられています。流動は乱れることがあり、地場が反転すること(逆磁極と呼びます)が起こります。過去に何度も起こっており、少なくとも360万年の間に、11回は逆磁極の時期があったことが知られています。もっと以前にも地磁気の転換は、何度もおこっています。
現在の地磁気と同じを状態(正磁極)になったのが78万年前のことです。そのような特徴的な事件があったため、地層境界として考える時、地磁気の転換のデータが重視されることになります。
千葉の地層がGSSPとして選ばれるかと、そうは簡単にはいかないようです。ライバルがいます。イタリアで2カ所の地層が名乗りを上げているため、3つの地点での争いとなっています。
イタリアの地層は、イタリア南部のバレ・ディ・マンケとモンテルバーノ・ジョニカのイオニコにあるものです。バレ・ディ・マンケは、目立った長所がなく、不利な状況のようです。一方、モンテルバーノ・イオニコは、地磁気のデータはないのが弱点だったのですが、放射性年代によって、間接的ですが地磁気逆転を推定できたと主張しています。イオニコは、環境データなどが千葉より充実しており、なかなか手ごわいライバルとなっているようです。時代名は、地中海のイオニア海に由来する「イオニアン」を主張しています。
日本列島は大地の変動の激しい場です。連続した地層や露頭が少ない日本列島で、時代を代表する地層が見つかり、国際的な名称になることは素晴らしいことです。決着は、今年から来年にかけて見られそうですが、どうなるか見守っていこうと思っています。
・教員希望の学生・
我が大学は、入試の第一陣が終わり、
採点、評価作業にはいっています。
また、大学の教務的な作業としては、
成績評価の提出が終わり、
卒業や進級の判定作業に入っています。
4年生は、大学の講義は終わったので、
あとは卒業式を待つのみでしょうか。
教員志望で採用試験に合格した学生は、
どこに配属されるのかは
3月にならないとわかりません。
臨時採用の教員を目指す学生は、
どこで呼ばれるのか不明です。
いずれにしても教員希望の学生は、
落ち着かない時期を過ごすことになります。
・2月の月日は・
2月の月日の流れは一段と速いようです。
大学の授業は終わっているのですが、
教職員には、つぎつぎと大きな校務があるので、
あっという間に一日が空き去ってしまいます。
気を引き締めて、日々研究に対して
精神を集中していないとなりません。
千葉県市原市田淵の「千葉セクション」は、第四紀の更新世中期の地層が連続してでています。前期と中期の境界も連続露頭の中で見えているため、「国際標準模式層断面及び地点」のGSSPになるべく、申請がされています。もし認められたら、更新世中期の時代名は、「チバニアン」となるはずです。日本の地層で、時代名がつけられるのは、はじめてのことになります。
千葉セクションの地層では、環境を示すデータも揃っており、境界には火山灰層もあり、わかりやすい露頭となっています。また、時代区分として重要な事件として、地磁気の転換が起こっています。
地磁気の転換とは、現在、磁石のNは北を指します。地球の地場(地磁気という)は北極にS極があることを意味します。地磁気は、核で溶けた鉄が流動することで磁場を発生している(地球ダイナモ説)と考えられています。流動は乱れることがあり、地場が反転すること(逆磁極と呼びます)が起こります。過去に何度も起こっており、少なくとも360万年の間に、11回は逆磁極の時期があったことが知られています。もっと以前にも地磁気の転換は、何度もおこっています。
現在の地磁気と同じを状態(正磁極)になったのが78万年前のことです。そのような特徴的な事件があったため、地層境界として考える時、地磁気の転換のデータが重視されることになります。
千葉の地層がGSSPとして選ばれるかと、そうは簡単にはいかないようです。ライバルがいます。イタリアで2カ所の地層が名乗りを上げているため、3つの地点での争いとなっています。
イタリアの地層は、イタリア南部のバレ・ディ・マンケとモンテルバーノ・ジョニカのイオニコにあるものです。バレ・ディ・マンケは、目立った長所がなく、不利な状況のようです。一方、モンテルバーノ・イオニコは、地磁気のデータはないのが弱点だったのですが、放射性年代によって、間接的ですが地磁気逆転を推定できたと主張しています。イオニコは、環境データなどが千葉より充実しており、なかなか手ごわいライバルとなっているようです。時代名は、地中海のイオニア海に由来する「イオニアン」を主張しています。
日本列島は大地の変動の激しい場です。連続した地層や露頭が少ない日本列島で、時代を代表する地層が見つかり、国際的な名称になることは素晴らしいことです。決着は、今年から来年にかけて見られそうですが、どうなるか見守っていこうと思っています。
・教員希望の学生・
我が大学は、入試の第一陣が終わり、
採点、評価作業にはいっています。
また、大学の教務的な作業としては、
成績評価の提出が終わり、
卒業や進級の判定作業に入っています。
4年生は、大学の講義は終わったので、
あとは卒業式を待つのみでしょうか。
教員志望で採用試験に合格した学生は、
どこに配属されるのかは
3月にならないとわかりません。
臨時採用の教員を目指す学生は、
どこで呼ばれるのか不明です。
いずれにしても教員希望の学生は、
落ち着かない時期を過ごすことになります。
・2月の月日は・
2月の月日の流れは一段と速いようです。
大学の授業は終わっているのですが、
教職員には、つぎつぎと大きな校務があるので、
あっという間に一日が空き去ってしまいます。
気を引き締めて、日々研究に対して
精神を集中していないとなりません。
2017年2月2日木曜日
1_154 チバニアン 2:ゴールデンスパイク
時代境界はこれまで混乱があったので、地質学界では合意のもとで決定していきます。科学的証拠と議論のもとづいて、露頭のレベルと決めていきます。決まったところは、ゴールデンスパイクと呼ばれる杭が露頭に打ち込まれます。
時代境界としてIUGSが確定したものは、GSSP(Global Boundary Stratotype Section and Pointの略)は「国際標準模式層断面及び地点」と呼ばれます。その場所は露頭で、模式的な地層境界として現れているところです。認められた露頭に、青銅の杭が打ちこまれます。その杭をゴールデンスパイクと呼んでいます。GSSPとなったところは、地質時代層状表にもそのマークが記録されていきます。
研究が進んできているので、多くの時代区分においてGSSPが決まってきました。しかし、まだ時代境界が決まっていないところがあります。さらに、境界だけでなく時代名もまだ正式に決まっていないところもあります。もちろん時代名が決まっているのに、境界が定まっていないところもあります。
今回話題にしているのは、第四紀(258万年前から現在)は、更新世(258万年前から1万1700年前)と完新世(1万1700年前から現在)に分けられています。完新世にはGSSPがあります。更新世の初期のジュラシアン(Gelasian、258万年前から180万年前)とアラブリアン(Calabrian、180万年前から)は決まっているのですが、中期の下限境界と後期の下限境界が、まだ決まっていません。そして両方とも時代名もまだ決まっていません。
このような時代名は、時代境界を決定した人たちが申請して決めていくことができます。そのときに、前回紹介した条件を検討して、GSSPにふさわしいかどうかが判断されます。ただし、その認定は、IUGSがしていきます。
今回、千葉県市原市田淵の養老川沿いにある地層がでてていて「千葉セクション」と呼ばれています。約77万年前に御嶽山から飛んできた火山灰の層を挟んでいます。そして、重要なことに、この時代境界に地磁気の逆転が起こっています。これが時代境界の重要な出来事になります。火山灰と地磁気の逆転は、時代決定の重要な指標になります。茨城大、国立極地研究所などのグループがここを研究して時代境界にすることを提案してます。
その結果は、どうなるでしょうか。
・野外調査・
1月31日まで調査にでていたました。
幸い天気には恵まれて、
順調に調査をすすめることができました。
半分ほどが、以前みたころがある露頭の再訪でした。
それでも充分目的が達成できました。
すべてが予定通りではありませんでした。
いちおう露頭の記載はあるのですが、
船を使わない行けそうもないところでしたので、
無理はしないようしていました。
それを補えるような露頭があったので、
助かりました。
・宮崎では・
野外調査では、宮崎空港から出入りしました。
この時期、宮崎は、スポーツチームの合宿で賑わっています。
おりたったときも、到着ロビーがごった返していました。
出発するときは到着ロビーは見ませんでしたが、
西部ライオンズや侍ジャパンなどの到着があるとのことでした。
そういえば、かなり早く旅館を探したのですが、
宮崎での予約が難しかったのはそのためです。
この時期の南九州は要注意ですね。
時代境界としてIUGSが確定したものは、GSSP(Global Boundary Stratotype Section and Pointの略)は「国際標準模式層断面及び地点」と呼ばれます。その場所は露頭で、模式的な地層境界として現れているところです。認められた露頭に、青銅の杭が打ちこまれます。その杭をゴールデンスパイクと呼んでいます。GSSPとなったところは、地質時代層状表にもそのマークが記録されていきます。
研究が進んできているので、多くの時代区分においてGSSPが決まってきました。しかし、まだ時代境界が決まっていないところがあります。さらに、境界だけでなく時代名もまだ正式に決まっていないところもあります。もちろん時代名が決まっているのに、境界が定まっていないところもあります。
今回話題にしているのは、第四紀(258万年前から現在)は、更新世(258万年前から1万1700年前)と完新世(1万1700年前から現在)に分けられています。完新世にはGSSPがあります。更新世の初期のジュラシアン(Gelasian、258万年前から180万年前)とアラブリアン(Calabrian、180万年前から)は決まっているのですが、中期の下限境界と後期の下限境界が、まだ決まっていません。そして両方とも時代名もまだ決まっていません。
このような時代名は、時代境界を決定した人たちが申請して決めていくことができます。そのときに、前回紹介した条件を検討して、GSSPにふさわしいかどうかが判断されます。ただし、その認定は、IUGSがしていきます。
今回、千葉県市原市田淵の養老川沿いにある地層がでてていて「千葉セクション」と呼ばれています。約77万年前に御嶽山から飛んできた火山灰の層を挟んでいます。そして、重要なことに、この時代境界に地磁気の逆転が起こっています。これが時代境界の重要な出来事になります。火山灰と地磁気の逆転は、時代決定の重要な指標になります。茨城大、国立極地研究所などのグループがここを研究して時代境界にすることを提案してます。
その結果は、どうなるでしょうか。
・野外調査・
1月31日まで調査にでていたました。
幸い天気には恵まれて、
順調に調査をすすめることができました。
半分ほどが、以前みたころがある露頭の再訪でした。
それでも充分目的が達成できました。
すべてが予定通りではありませんでした。
いちおう露頭の記載はあるのですが、
船を使わない行けそうもないところでしたので、
無理はしないようしていました。
それを補えるような露頭があったので、
助かりました。
・宮崎では・
野外調査では、宮崎空港から出入りしました。
この時期、宮崎は、スポーツチームの合宿で賑わっています。
おりたったときも、到着ロビーがごった返していました。
出発するときは到着ロビーは見ませんでしたが、
西部ライオンズや侍ジャパンなどの到着があるとのことでした。
そういえば、かなり早く旅館を探したのですが、
宮崎での予約が難しかったのはそのためです。
この時期の南九州は要注意ですね。
2017年1月26日木曜日
1_153 チバニアン 1:時代境界の決定
地球史における時代の名称は、どのように決まっていくのでしょうか。新しい時代名称の決定をめぐる話題を紹介することで、考えていきましょう。時代名に日本の地層に由来しているものは、今までにありませんでした。もしかすると日本由来の名称がつくかもしれません。
「チバニアン」という言葉があります。チバニアンは、同当地キャラでも、ポケモンでもありません。時代名です。ただし、まだ正式には認められていないものです。現在有力な時代名の候補のひとつとしてあります。
チバニアンは、千葉が由来となっています。
そもそも時代名とはどのようにして決まっているのでしょうか。昔は正式な決め方はなかったのですが、現在では、ユネスコの機関である国際地質科学連合(IUGS)が時代名を国際的に定めています。
時代境界は、化石などを含みうる、そして連続的に試料が入手しやすい堆積岩で地層となっているものを用いています。そのため、地層として必要な条件として、つぎのようなものがあります。
1 連続した整合層であること
不整合や断層などの地層の欠損がないことです。そして調べるためには、変成・変質を受けていな地層が望ましいです。
2 地層へアプローチが容易なこと
アプローチがいいというのは、誰にとってもいうことなので、陸上の露頭であることが条件となります、そして露頭も広く観察しやすいことが望まれます。
3 海成層で化石が豊富なこと
時代を決めるのためには時期が限られた化石(示準化石といいます)が多くでること必要です。化石は、海でたまった地層(海成層といいます)に多く、陸でできた地層にも化石が多いこともありますが、広がりが期待できません。それは次の条件とも関係しますが、海でたまった地層には、広く分布している海生生物の化石があります。
4 凡世界的化石が多産すること
示準化石を使って各地の地層を対比していきます。そのため、化石が世界的(汎世界的)で、なおかつ種類が多いことが重要です。
5 堆積速度の速い泥質堆積物
堆積速度が速いということは、一定期間内に多くの堆積物がたまるので、時間的な分解能がよくなります。粗粒の堆積物が多くたまっていても時間分解能がよくありません。細粒の泥岩が有効です。
6 研究が進んでいること
時代を正確に決められていて、根拠が十分確認されていることが必要になります。そのためには、査読されている論文として成果が公表されていることが必要になります。できれば、いろいろな研究者が、いろいろな研究手法で調査されていることが望ましいのです。
7 年代がいくつかの方法で決定できること
年代決定は、化石では相対年代になって数値が決まらない場合もあります。時代の正確さをチェックするためには、複数の方法によって調べられ、その正しさが検証できることが確かさを増していきます。
以上が、時代境界を決めるための条件です。時代や地層の状態によっては、正確さがさまざまなものになります。その正しさを十分検証して置きたいとして、IUGSがその検証作業をしています。確認されたものをゴールデンスパイクと呼ばれています。その説明は次回にしましょう。
・大学では・
大学は講義が終わりました。
しかし、学科の卒業研究の発表会と
定期試験期間がはじまり、
2月に入ると大学入試がはじまります。
教員はなかなか落ち着かない時期です。
その間に成績評価もしていかなければなりません。
なかなか忙しくて時間をつくれないのですが、
2月になれば研究も進めていきたいと思っています。
・野外調査・
明日(1月27日)から野外調査にでています。
私は、野外調査を冬にいくことはあまりしません。
それは寒いので、海岸沿いや川沿いで
水にはいるのは厳しいからでです。
雪でも降ると車でアプローチできないところもあります。
でも、今年度はしかたがない事情があり
この時期になりました。
時期的にはあまりよくないのですが、
見たいところがいくつかあるので
そこをしっかりみてこうようと思っています。
「チバニアン」という言葉があります。チバニアンは、同当地キャラでも、ポケモンでもありません。時代名です。ただし、まだ正式には認められていないものです。現在有力な時代名の候補のひとつとしてあります。
チバニアンは、千葉が由来となっています。
そもそも時代名とはどのようにして決まっているのでしょうか。昔は正式な決め方はなかったのですが、現在では、ユネスコの機関である国際地質科学連合(IUGS)が時代名を国際的に定めています。
時代境界は、化石などを含みうる、そして連続的に試料が入手しやすい堆積岩で地層となっているものを用いています。そのため、地層として必要な条件として、つぎのようなものがあります。
1 連続した整合層であること
不整合や断層などの地層の欠損がないことです。そして調べるためには、変成・変質を受けていな地層が望ましいです。
2 地層へアプローチが容易なこと
アプローチがいいというのは、誰にとってもいうことなので、陸上の露頭であることが条件となります、そして露頭も広く観察しやすいことが望まれます。
3 海成層で化石が豊富なこと
時代を決めるのためには時期が限られた化石(示準化石といいます)が多くでること必要です。化石は、海でたまった地層(海成層といいます)に多く、陸でできた地層にも化石が多いこともありますが、広がりが期待できません。それは次の条件とも関係しますが、海でたまった地層には、広く分布している海生生物の化石があります。
4 凡世界的化石が多産すること
示準化石を使って各地の地層を対比していきます。そのため、化石が世界的(汎世界的)で、なおかつ種類が多いことが重要です。
5 堆積速度の速い泥質堆積物
堆積速度が速いということは、一定期間内に多くの堆積物がたまるので、時間的な分解能がよくなります。粗粒の堆積物が多くたまっていても時間分解能がよくありません。細粒の泥岩が有効です。
6 研究が進んでいること
時代を正確に決められていて、根拠が十分確認されていることが必要になります。そのためには、査読されている論文として成果が公表されていることが必要になります。できれば、いろいろな研究者が、いろいろな研究手法で調査されていることが望ましいのです。
7 年代がいくつかの方法で決定できること
年代決定は、化石では相対年代になって数値が決まらない場合もあります。時代の正確さをチェックするためには、複数の方法によって調べられ、その正しさが検証できることが確かさを増していきます。
以上が、時代境界を決めるための条件です。時代や地層の状態によっては、正確さがさまざまなものになります。その正しさを十分検証して置きたいとして、IUGSがその検証作業をしています。確認されたものをゴールデンスパイクと呼ばれています。その説明は次回にしましょう。
・大学では・
大学は講義が終わりました。
しかし、学科の卒業研究の発表会と
定期試験期間がはじまり、
2月に入ると大学入試がはじまります。
教員はなかなか落ち着かない時期です。
その間に成績評価もしていかなければなりません。
なかなか忙しくて時間をつくれないのですが、
2月になれば研究も進めていきたいと思っています。
・野外調査・
明日(1月27日)から野外調査にでています。
私は、野外調査を冬にいくことはあまりしません。
それは寒いので、海岸沿いや川沿いで
水にはいるのは厳しいからでです。
雪でも降ると車でアプローチできないところもあります。
でも、今年度はしかたがない事情があり
この時期になりました。
時期的にはあまりよくないのですが、
見たいところがいくつかあるので
そこをしっかりみてこうようと思っています。
2017年1月19日木曜日
5_147 ニュー・ホライズンズ 2:成果
ニュー・ホライズンズの成果によって、冥王星のこれまでの知見を、書き換えかねればならないことが、いろいろでてきました。冥王星は古くから馴染みがあるのに、もっと未知の天体でもありました。その実態がようやく明らかになってきました。
前回はニュー・ホライズンズのデータがすべて到着したという話をしました。その解析は現在進められているはずです。ここでは、ニュー・ホライズンズが上げた成果で現在わかっていることを見ていきましょう。
まずは、画像でしょう。初めて目にする鮮明な画像から、冥王星と衛星のカロンの表面が明らかになりました。その姿は、ハッブルの撮影していたぼんやりとした画像からは、想像もつかないほどの複雑さをもっていました。
冥王星は、活動を終えた天体ではなく、現在も地質学的変化が継続しており、新しくできた地形があることがわかりました。その代表ともいえるのが、1000kmにおよぶハート型の氷河です。氷河の氷は、窒素からできているようです。ハート型氷河は、現在の太陽系で知られている最大のものとなります。また、冥王星には大気があり、もやとして存在し、気圧が変化していることもわかっていました。そして大気はあまり宇宙空間に逃げず、冥王星に留まっていることもわかりました。大気は青色をしています。
衛星のカロンでもいろいろ発見がありました。カロンにも地質学的な変動があったことがわかってきました。赤道にそって帯状の地形があります。そのような地形は、海が凍ったときにできる可能性があり、かつてはカロンにも海があったのではないかと考えられています。またカロンの北極付近には、暗い領域が見つかっています。「モルドー(Mordor)」と呼ばれていますが、その起源はよくわかっていません。冥王星の大気から由来しているのでは、という考えもあります。
このような画像の情報に加えて、大量の観測データが現在では届いています。その解析が進行中のはずです。成果がでれば、冥王星やその衛星の起源などがさらにわかってくると思います。
現在、ニュー・ホライズンズは、また休眠モードにはいっています。そして新たな任務として、エッジワース・カイパーベルト内の天体(2014 MU69)を観測するため向かっています。2014 MU69は、冥王星から4億8000万kmも離れています。到着予定は、2年後の2019年1月1日になっています。
また、大きな成果が上がることと期待していましょう。
・太陽系外縁天体・
ニュー・ホライズンズの次なる目的地は、
太陽系外縁天体と呼ばれるもので、
エッジワース・カイパーベルトとされるところです。
ここは彗星になって飛んでくる天体などが多数あるところです。
近年多くの天体の発見もなされています。
多数の天体があるのはわかっているのですが、
その実態は、だれも見たことがありません。
もしたどり着き、観測できたら、快挙となることでしょう。
ニュー・ホライズンズが順調に目覚め、
再度の観測できればと思います。
この観測衛星は、2006年に打ち上げられていますので
10年以上、過酷な宇宙空間に滞在しているのです。
観測装置が壊れていなければいいのですが。
・この時期は・
北海道は大学だけでなく
多くの学校の冬休みが明けました。
大学は、いち早くスタートしています。
早くはスタートしたのですが、
1月下旬には講義が終わります。
続けて定期試験シーズンがはじまります。
2月には入試もはじまるので、
なかなかタイトなスケジュールになります。
教職員はこれから慌ただしい日々が続きます。
でも、教員は授業がないので、時間的束縛が減るので
自分の仕事ができる時期でもあります。
やりたいことは色々あるのですが、
どこまでやり、できるかは、自身の努力次第なのですが。
前回はニュー・ホライズンズのデータがすべて到着したという話をしました。その解析は現在進められているはずです。ここでは、ニュー・ホライズンズが上げた成果で現在わかっていることを見ていきましょう。
まずは、画像でしょう。初めて目にする鮮明な画像から、冥王星と衛星のカロンの表面が明らかになりました。その姿は、ハッブルの撮影していたぼんやりとした画像からは、想像もつかないほどの複雑さをもっていました。
冥王星は、活動を終えた天体ではなく、現在も地質学的変化が継続しており、新しくできた地形があることがわかりました。その代表ともいえるのが、1000kmにおよぶハート型の氷河です。氷河の氷は、窒素からできているようです。ハート型氷河は、現在の太陽系で知られている最大のものとなります。また、冥王星には大気があり、もやとして存在し、気圧が変化していることもわかっていました。そして大気はあまり宇宙空間に逃げず、冥王星に留まっていることもわかりました。大気は青色をしています。
衛星のカロンでもいろいろ発見がありました。カロンにも地質学的な変動があったことがわかってきました。赤道にそって帯状の地形があります。そのような地形は、海が凍ったときにできる可能性があり、かつてはカロンにも海があったのではないかと考えられています。またカロンの北極付近には、暗い領域が見つかっています。「モルドー(Mordor)」と呼ばれていますが、その起源はよくわかっていません。冥王星の大気から由来しているのでは、という考えもあります。
このような画像の情報に加えて、大量の観測データが現在では届いています。その解析が進行中のはずです。成果がでれば、冥王星やその衛星の起源などがさらにわかってくると思います。
現在、ニュー・ホライズンズは、また休眠モードにはいっています。そして新たな任務として、エッジワース・カイパーベルト内の天体(2014 MU69)を観測するため向かっています。2014 MU69は、冥王星から4億8000万kmも離れています。到着予定は、2年後の2019年1月1日になっています。
また、大きな成果が上がることと期待していましょう。
・太陽系外縁天体・
ニュー・ホライズンズの次なる目的地は、
太陽系外縁天体と呼ばれるもので、
エッジワース・カイパーベルトとされるところです。
ここは彗星になって飛んでくる天体などが多数あるところです。
近年多くの天体の発見もなされています。
多数の天体があるのはわかっているのですが、
その実態は、だれも見たことがありません。
もしたどり着き、観測できたら、快挙となることでしょう。
ニュー・ホライズンズが順調に目覚め、
再度の観測できればと思います。
この観測衛星は、2006年に打ち上げられていますので
10年以上、過酷な宇宙空間に滞在しているのです。
観測装置が壊れていなければいいのですが。
・この時期は・
北海道は大学だけでなく
多くの学校の冬休みが明けました。
大学は、いち早くスタートしています。
早くはスタートしたのですが、
1月下旬には講義が終わります。
続けて定期試験シーズンがはじまります。
2月には入試もはじまるので、
なかなかタイトなスケジュールになります。
教職員はこれから慌ただしい日々が続きます。
でも、教員は授業がないので、時間的束縛が減るので
自分の仕事ができる時期でもあります。
やりたいことは色々あるのですが、
どこまでやり、できるかは、自身の努力次第なのですが。
2017年1月12日木曜日
EarthEssay 5_146 ニュー・ホライズンズ 1:送信完了
記憶の薄れている方も多いかもしれませんが、ニュー・ホライズンズという冥王星探査機は、近年、科学界に大きな話題を提供しました。気の長い探査計画と、根気よく待ち続ける研究者たちの思いを紹介しましょう。
ニュー・ホライズンズ(New Horizons)、「新しい地平」という名称をもった人工衛星は、冥王星探査を目的として、2006年に打ち上げられました。9年におよぶ長旅をして、2015年にやっと冥王星までたどり着きました。冥王星は太陽から離れているため、ソーラー発電を利用できませんので、原子力電池が使用されています。
移動の間は、探査機は休止状態になります。途中に天体があると観測はしていましたが、約半年に一回のペースで、定期的に再起動と点検がなされ、2014年12月6日に冥王星が近づいたので、休眠モードから再始動させられました。
2015年1月15日から観測を開始し、2015年7月14日には冥王星に最接近し、その後も観測を続け、2016年1月で探査を終了しました。しかし、観測データはその後も送り続けており、2016年10月28日に、やっと全てのデータを送信し終わりました。
なぜこのようにデータ転送に時間がかかったかというと、観測データを収集することが最優先され、データ転送は二の次にされていたためです。例えば、冥王星と衛星のカロンに接近しているときの観測の速度は、データを送る速度の100倍以上の処理速度でおこなわれました。もし、何かあったときに備えての配慮でしょう。観測で蓄えられてきた膨大なデータを2015年9月から送信をはじめ、総計50ギガビット以上のデータを、15ヶ月かけて2016年10月にやっと送り終えました。
観測のための探査機ですから、観測最優先で、接近しているうちに可能な限りデータ収集しておく必要があります。そして、データ送信も重要ですが、送る時間は観測が終わってからいくらでもあるはずです。優先順位を考える必要があります。市民にも興味がある冥王星の真の姿を伝える画像も優先され送信されました。
冥王星の姿は、ハッブル宇宙望遠鏡のぼんやりとした画像しかなく、実態がよくわかっていませんでした。ニュー・ホライズンズが打ち上げられたときは、冥王星は惑星とされていたのですが、2006年に準惑星に区分されるようになりました。ですから、だんだん注目されなくなってきていました。
しかし、太陽系の外縁天体の代表として、冥王星型天体と呼ばれる存在でもあります。今回のニュー・ホライズンズの観測によって、注目が高まりました。科学的成果はいろいろありますが、市民にとっては、冥王星の鮮明な画像が一番インパクトがありました。冥王星の新たな姿を示すとともに、その科学的成果に期待させました。
ニュー・ホライズンズが上げた成果は、次回、紹介しましょう。
・原子力電池・
原子力電池とは、放射性元素が崩壊する時の
熱エネルギーを電力に変換する方式です。
プルトニウム(238Pu)やポロニウム(210Po)など
放射性元素のアルファ崩壊で生じた熱を利用しています。
放射性物質を積んでいるので、
打ち上げに失敗すると危険なのですが、
遠くの天体の観測では、太陽光が少なくなるので
どうしても原子力電池を使用する必要があります。
現在ではソーラーパネルの性能もよくなって
木星軌道あたりまではソーラーパネルが使えるようになってきました。
しかし、木星より遠くの天体の探査には、原子力電池が必要になります。
原子力電池こそ、核の平和利用ではないでしょうか。
・始動・
正月、成人式の連休もおわり、
やっと正月気分も抜けたでしょうか。
大学も始動しました。
そして週末には早速、センター試験がはじまります。
今年は、少々、慌ただしい始動となりました。
北海道の小・中学校は、長い冬休みなので、
来週からの始業となりますが。
ニュー・ホライズンズ(New Horizons)、「新しい地平」という名称をもった人工衛星は、冥王星探査を目的として、2006年に打ち上げられました。9年におよぶ長旅をして、2015年にやっと冥王星までたどり着きました。冥王星は太陽から離れているため、ソーラー発電を利用できませんので、原子力電池が使用されています。
移動の間は、探査機は休止状態になります。途中に天体があると観測はしていましたが、約半年に一回のペースで、定期的に再起動と点検がなされ、2014年12月6日に冥王星が近づいたので、休眠モードから再始動させられました。
2015年1月15日から観測を開始し、2015年7月14日には冥王星に最接近し、その後も観測を続け、2016年1月で探査を終了しました。しかし、観測データはその後も送り続けており、2016年10月28日に、やっと全てのデータを送信し終わりました。
なぜこのようにデータ転送に時間がかかったかというと、観測データを収集することが最優先され、データ転送は二の次にされていたためです。例えば、冥王星と衛星のカロンに接近しているときの観測の速度は、データを送る速度の100倍以上の処理速度でおこなわれました。もし、何かあったときに備えての配慮でしょう。観測で蓄えられてきた膨大なデータを2015年9月から送信をはじめ、総計50ギガビット以上のデータを、15ヶ月かけて2016年10月にやっと送り終えました。
観測のための探査機ですから、観測最優先で、接近しているうちに可能な限りデータ収集しておく必要があります。そして、データ送信も重要ですが、送る時間は観測が終わってからいくらでもあるはずです。優先順位を考える必要があります。市民にも興味がある冥王星の真の姿を伝える画像も優先され送信されました。
冥王星の姿は、ハッブル宇宙望遠鏡のぼんやりとした画像しかなく、実態がよくわかっていませんでした。ニュー・ホライズンズが打ち上げられたときは、冥王星は惑星とされていたのですが、2006年に準惑星に区分されるようになりました。ですから、だんだん注目されなくなってきていました。
しかし、太陽系の外縁天体の代表として、冥王星型天体と呼ばれる存在でもあります。今回のニュー・ホライズンズの観測によって、注目が高まりました。科学的成果はいろいろありますが、市民にとっては、冥王星の鮮明な画像が一番インパクトがありました。冥王星の新たな姿を示すとともに、その科学的成果に期待させました。
ニュー・ホライズンズが上げた成果は、次回、紹介しましょう。
・原子力電池・
原子力電池とは、放射性元素が崩壊する時の
熱エネルギーを電力に変換する方式です。
プルトニウム(238Pu)やポロニウム(210Po)など
放射性元素のアルファ崩壊で生じた熱を利用しています。
放射性物質を積んでいるので、
打ち上げに失敗すると危険なのですが、
遠くの天体の観測では、太陽光が少なくなるので
どうしても原子力電池を使用する必要があります。
現在ではソーラーパネルの性能もよくなって
木星軌道あたりまではソーラーパネルが使えるようになってきました。
しかし、木星より遠くの天体の探査には、原子力電池が必要になります。
原子力電池こそ、核の平和利用ではないでしょうか。
・始動・
正月、成人式の連休もおわり、
やっと正月気分も抜けたでしょうか。
大学も始動しました。
そして週末には早速、センター試験がはじまります。
今年は、少々、慌ただしい始動となりました。
北海道の小・中学校は、長い冬休みなので、
来週からの始業となりますが。
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