これまで報告されてきた冥王代の年代は、砕屑性ジルコンによるものでした。ジルコンは、花崗岩マグマから由来していました。花崗岩マグマの起源を探ると、今回の緑色岩帯に貫入している斑レイ岩の地質学的な重要性もわかってきます。
年代測定で岩石最古の年代は、太古代のものでした。それより古いが岩石は見つかっておらず、砕屑性ジルコンでは冥王代のものが見つかっていました。砕屑性ジルコンは、花崗岩(大陸地殻)に由来していると考えられますが、そもそも花崗岩をつくったマグマは、どうしてできたのでしょうか。
花崗岩マグマの起源には、いくつかあるとわかっています。それは、玄武岩質マグマの結晶分化作用、地殻物質の水の存在下での融解、そして島弧下でのマグマ混合の3つが主なものです。これらは、島弧の地下では、それぞれ独立して働くものではなく、関連して起こっていると考えられています。
マントル物質が溶融すると玄武岩質マグマができます。深部では温度は高温ですが、マグマは液体のため周りの岩石より密度は小さくなります。その結果、マグマはマントル内を上昇していきます。周りの岩石は冷たいので、マグマの温度が冷えててき、結晶ができてきます。温度とマグマの成分により、出てくる結晶の種類や組成が変化していきます。結晶化(結晶分化)が進むと、マグマの組成は玄武岩質から、安山岩質、そして花崗岩質に変化していきます。玄武岩質マグマが、結晶分化して花崗岩質マグマになっていくのは、量的に少なくなります。花崗岩マグマによる貫入岩などはできますが、地殻を構成するような大規模な花崗岩の起源としては量が足りません。
次の地殻物質の溶融とは、地殻物質(花崗岩類や堆積岩類など)が、水のある条件で高温になると溶けて、花崗岩質マグマができます。この起源には、高温にするための熱源が必要ですが、熱が十分供給されれば、大量のマグマができます。では、熱源はどうすればもらされるでしょうか。
それが次の島弧下のマグマ混合と関連してきます。島弧は、海洋プレートが沈み込む陸側にできます。沈み込んだ海洋プレートから、島弧下のマントルへ水分が継続的に供給され、マントルが溶融していきます。マントルの溶融では、上で述べたように玄武岩質マグマができます。沈み込みはプレート運動によるものなので継続的に起こるので、島弧下ではマグマが常に上昇してくるところになります。
マントルから玄武岩質マグマが島弧地殻下部にまで上昇してくると、それが熱源となって、地殻の溶融が起こり花崗岩質マグマができます。熱源の玄武岩質マグマと溶融でできた花崗岩質マグマは近くにあるので、混合することになります。玄武岩質マグマの量(熱量)や、花崗岩質マグマの形成量、混合機構などの違いによって、多様な組成のマグマができます。マグマ混合で、島弧の多様な火山のマグマ組成を説明できます。
混合比率によって多様なマグマができますが、平均的には中間組成の安山岩質になります。大陸地殻の平均化学組成は、島弧の安山岩に似ていることが知られているため、島弧のマグマ混合作用で島弧の地殻ができて、やがてそれが大陸地殻を形成しているのではないかと考えられています。
今回、緑色岩帯の玄武岩(海洋地殻)に貫入した斑レイ岩は、海洋地殻内で起こった現象となります。ただし、緑色岩帯は、大陸地域に残されているため、島弧の一部として取り込まれ、大陸地殻へと変化していったと考えられます。
また、島弧の地下でのマグマ混合作用で大陸地殻を形成するような大量の花崗岩質マグマの形成は、水が重要な役割を果たしています。砕屑性ジルコンの年代の冥王代には、すでに海洋が形成されプレートテクトニクスが働いていたことも示すことにもなります。
では、次は、年代測定の方法とその信頼性を見てきましょう。
・北海道らしい夏・
7月下旬からは、北海道らしい夏の気候となっています。
昼間でも、乾燥しているので、
爽やかな風が抜けています。
そのため、しばらくエアコンは使っていません。
夜も涼しく、窓も閉めて寝ています。
これぞ北海道と思えます。
このまま涼しくなっていけばと思っていますが、
そうはいかないでしょうがか。
・パソコン本体のバックアップ・
メインで使用していたパソコンを壊れたので
修理に出したところ、破損箇所は特定されたのですが、
修理ができず、新品との交換となりました。
保証期間でよかったのですが、
再度のアプリケーションのインストールすることを考えると
気が重くなります。
現在、大学に返却予定のパソコンを使用しています。
サバティカルと時と現在自宅で使うようにしているものです。
それを大学に持ってきて使っています。
パソコンで仕事をしているので
壊れることは非常に恐ろしいことです。
データのバックアップは常にしていますが、
パソコン本体のハードウェアとしてのバックアップも
考えておく必要がありますね。