2021年2月4日木曜日

2_190 恐竜の新知見 5:幼形進化

 恐竜から鳥への進化の難点は、両者のサイズの違いでした。その困難さ克服するための仮説が、幼形進化という考えでした。幼形進化は、生物進化では、時々起こることが知られています。


 鳥にはクチバシがあります。恐竜には一般には見られない特徴です。しかし、恐竜の化石では、前に口が伸びているものや、クチバシを持ったものも見つかってきました。ここまで述べてきた鳥と恐竜の違いは、いろいろな化石の発見で、それほどないことがわかってきました。ただし、両者の大きさの違いだけが、問題としてのこっていました。

 前回、鳥類へは、小さくなった恐竜から進化してきたという説を紹介しました。しかし、小さな恐竜でも、現在の鳥と比べると、かなり大きなもので、そこからの進化は困難でした。

 恐竜は卵から生まれ、卵は恐竜よりかなり小さなものです。そして、その卵から生まれたばかりの恐竜は、卵サイズしかないはずです。そこから、「幼形進化」という考えを取り入れることで、サイズの問題を説明しようとする仮説がでてきました。

 幼形進化とは、ある生物種で、祖先の幼い時にみられる特徴が、成長したときにも現れることをいいます。動物には時々みられるものです。幼形進化は、ネオテニー(幼形成熟や幼態成熟とも呼ばれます)という現象がその典型とされています。幼体の特徴を残しながら、性的な発達が進み、成体となることです。

 例としては、ウパールーパーが有名です。ウーパールーパーはサンショウウオの仲間で、両生類です。両生類は、子ども(幼体)ときは、水中でエラ呼吸をして生活しています。幼体の時に持っているエラを、大人(成体)になっても残っているのがウーパールーパーです。1920年には、人類もネオテニーだという仮説も出されました。チンパンジーの幼形がヒトに似ている点が多いことことから、サルの幼形をもったまま、性的に成熟したということです。

 鳥の頭をみると、恐竜と比べて、頭が丸く、目が大きく、口も小さくなっています。このような特徴は、恐竜の幼体に見られる特徴でもあります。恐竜から鳥への進化、ネオテニーがあったとすれば、鳥の特徴も説明できます。

 実は、恐竜にも幼形の特徴をもったものがいます。小型の恐竜、ベロキラプトルです。ただし、それが鳥の祖先ではないようです。映画の「ジュラシックパーク」で群れで狩りをしていたのが、恐ろしいベロキラプトルでした。最近、ベロキラプトルの認識が、化石の研究から変わってきました。続きは、次回としましょう。


・ジュラシックワールド・

映画「ジュラシックパーク」は続編が、何作もつくられ

全5作になっています。

第4作まで見ていたのですが、

第5作目は2018年に作成されたもので

「ジュラシック・ワールド/炎の王国」というものです。

見ていませんでしたので、このエッセイを書いたことで

興味がわき、先日、見ました。

なかなか面白かったです。

これまでのシリーズでは、

恐竜に対する科学の進歩があるため、

CGでの表現や動きも変わってきてきました。

きっちりと科学的考証をして作成されていますね。

そして、過去のシリーズを彷彿とさせる部分が

各所に盛り込まれていました


・自粛要請・

さて2月になりました。

全国的にCOVID-19の感染はなかなかおさまりそうにありません。

緊急事態宣言の出されている地域では、

その延長も考えられているようです。

大学も後期途中からずっと遠隔授業になったまま

後期が終わりました。

北海道には緊急事態宣言は出されていませんが、

道内独自に、設定してる自粛状態が

11月からずっと継続しています。

札幌、小樽では複数のクラスターが起こっており

より上のレベルになっています。

全道的な自粛要請は2月15日までとなっています。

現在の状況を見ると、その期間の延長もありそうです。