今回のシリーズでは、膨大なデータベースから、太陽と似た恒星「太陽双子星」を、どのように見つけ出し、太陽の移動を推定していくかを考えています。2つの論文が報告されています。まずはひとつ目から紹介していきましょう。
太陽系の移動を考えるとき、今回の報告では、「太陽双子星」を手がかりにして、検証していきます。そのためには、太陽双子星を見つけていくことが、重要になります。まずは、その方法が、2026年3月12日発行のAstronomy & Astrophysics(天文学と天体物理学)誌に、2つの論文として掲載されています。
谷口さんが筆頭著者になっている共同研究として報告された、
Solar twins in Gaia DR3 GSP-Spec I. Building a large catalog of solar twins with ages
(Gaia DR3 GSP-Specにおける太陽双子星 I. 太陽双子星の年齢別の大規模カタログの構築)
から見ていきましょう。谷口さんたちの研究では、ガイア衛星のデータベースから、太陽双子星の年齢別のカタログを作成したというものです。
太陽と似た恒星の条件として、有効温度、表面重力、金属量をもとに比べています。
「有効温度」は、天体そのものの表面温度(太陽は6000℃)とは異なった考え方で、少々難しい概念なのです。恒星が放射する総エネルギーをもとにして(同半径の黒体からの放射)計算された温度(約5500℃)のことです。恒星の放射エネルギーを比べるための基準となり、星の色に反映されます。太陽の温度と比べて±200度の範囲のものを太陽双子星としていきます。
「表面重力」は、恒星の表面における重力の値です。ただし、重力加速度(g)では示さず、その対数(log g)で示されます。その理由は、星の種類によって重力加速度の値の桁が異なるほどの差となります。そのため、logをとることで桁で比べていきます。太陽の表面重力のlog gは4.44です。巨大な星(例えば、赤色巨星)になるほど、半径が大きくなるため、log gは小さくなります(0~2程度)。データベースから、log gで±0.2のものを太陽双子星とします。
「金属量」とは、恒星の金属量(Metallicity)の意味なのですが、少々誤解されそうな表現です。元素としての金属ではなく、天文学では恒星の化学組成において、水素・ヘリウムより重い元素を、すべて「金属」と呼んでいます。ですから、星の金属量(M)と水素(H)の比(M/H)として、やはり対数の値を用います。太陽と同じ値なら0、金属が多ければプラスの値、少なければマイナスの値となります。対数スケールで±0.1となるものを太陽双子星と判断します。つまり太陽の0.8倍から1.25倍までの範囲です。
恒星で金属量(重い元素)が多くなるのは、恒星の材料ができた場に、重い元素が多くなっていることになります。重い元素は、恒星の超新星爆発で形成されていくので、世代を重ねた星であること、つまり古い星になります。
恒星は金属量によって、種族に区分されます。種族Iとは、金属量が多く、世代を重ねた場で形成されたので、年齢が比較的若い恒星になります。種族Iは、銀河のディスクに多く見つかり、太陽もこれに属します。種族IIは、金属量が非常に少ない星です。世代を重ねることなく、宇宙ができてすぐに形成された年老いた恒星になりますです。銀河では、ハローや球状星団を構成しています。
有効温度、表面重力、そして金属量の3つで比べると、恒星の特徴が把握でき、そこから太陽双子星を見つけることになります。ただし、この論文では、データ駆動型だけではなく、モデル駆動型という方法を組み合わせています。その詳細は次回としましょう。
・桜の満開・
北海道の暖かくなってきて、
桜が咲きはじめました。
今週には満開になります。
4月上旬に横浜で桜を見たのですが、
今年二度目の花見ができればと思っています。
いつもでかけている神社の桜を
晴れた日に見に行ければと思っています。
桜の花は青空に映えるので。
・ゴールデンウィーク・
ゴールデンウィークがはじまります。
遠くに出かける予定はありません。
ただ、毎年、この時期に開演する
植物園を訪れたいと考えています。
ゴールデンウィーク中になるので、
人出が多くなりそうです。
出かける日は天気したいで、
変更するつもりです。