シミュレーションによる、地球では全球凍結も安定した状態であることがわかってきました。いったん全球凍結になると、温暖な状態に戻って来れません。しかし、温暖な状態に戻ってきています。なぜでしょうか。
地球表層のシミュレーションでは、全球凍結は安定した状態で継続することがわかってきました。つまり、全球凍結になると、温暖な状態に戻ってこれないことになります。地質学的証拠から、6億年前には、少なくとも2度の全球凍結が起こっていましたが、その度に温暖な状態に戻ってきています。地球には、全球凍結から、簡単に戻れる仕組みがあったはずです。どのような仕組みだったのでしょうか。
全球凍結期の直後の地層の中に、海底に堆積した炭酸塩の厚い岩石層がありました。全球凍結の発見者のポール・ホフマンは、この岩石が、温暖化に戻ってくるための重要な地質学的痕跡と考えました。
厚い炭酸塩岩の地層があるということは、大量の炭酸塩が沈殿したことになります。その炭酸塩は、大気中の二酸化炭素から海洋に供給されたと考えられました。気体の二酸化炭素は、固体の炭酸塩にすると、750分の1のサイズにコンパクトになります。ですから、全球凍結の時には、膨大な量の二酸化炭素が大気中にあったことになります。大気中の二酸化炭素は温暖化効果を起こします。全球凍結の時期中に大量の二酸化炭素が大気中に蓄積され、激しい温室効果を起こし、その効果が全球凍結を終わらせたと、ホフマンは考えました。
では、その二酸化炭素はどこから供給されたのでしょうか。
火山噴火にともなって放出されたガスが供給源だとしました。現在の火山ガスにも、二酸化炭素は含まれています。放出された二酸化炭素は、植物が利用したり、海に吸収されたりして、大気中の量は一定に保たれています。このような平衡状態が、地球の気温を一定に保っているメカニズムを担っています。ただし近年、人類が化石燃料の使用で、大気中の二酸化炭素が増加していますが。
原生代にも現在と同様に火山の活動はしていたはずです。ところが、原生代には、陸上植物は存在せず、二酸化炭素を利用する生物も少なかったはずです。また、全球凍結で海も凍っていたので、二酸化炭素が海に吸収されることもありませんでした。火山から放出された二酸化炭素は、使われたり吸収されることもなく、大気中にたまるしかありません。二酸化炭素が、大気に多くなってくると、温室効果で気温が上昇していきます。
やがて、海の氷が溶けはじめていきます。いったん温暖化がはじまると、強烈で急激な温暖化(暴走温暖化と呼ばれています)が起こります。大量の二酸化炭素が大気には溜まっていたので、溶けた海洋ができると、吸収されて、炭酸塩として沈殿していきます。大半の二酸化炭素が使用されてしまうまで、温暖化が継続していきます。
つまり、全球凍結が起これば、一定期間その状態が継続することになり、大気中に二酸化炭素が蓄積されていきます。そして、その後には、急激な温暖化が必然的に起こってくることになります。つまり、全球凍結から温暖な状態には必然的に戻ることになります。
では、全球凍結にはどうして起こったのでしょうか。次回としましょう。
・初夏・
わが町も、やっと夏めいた季節になってきました。
朝夕はひんやりしていることもありますが、
初夏と呼べる季節がやってきました。
札幌ではライラックまつりがはじまりました。
天気がよければ、でかけたいと思っています。
YOSAKOIから北海道神宮祭へと続きます。
北海道は一番いい季節が巡ってきました。
今年は、地元も催しに参加したいと思っています。
・思想史を・
現在、思想史、あるいは哲学史を
勉強しなおしています。
哲学史といっても、通史ではありません。
少し前は、仏教のうち密教と空海の真言でした。
現在は、合理主義と経験論、カントのそれらの批判
ヘーゲルの弁証法を中心としたドイツ観念論
のあたりの基本的なところを、学んでいます。
思索の詳細は難しいのですが、
概要を追いかけていくのならなんとかなりまそうです。
問題は地質学へどのように応用していくかが
もっとも重要だと思っています。