2023年8月3日木曜日

4_178 西予紀行 5:宇和盆地

 西予市の市庁舎は宇和にあります。宇和が自動車道やJRなどの交通が通っており交通の要衝でもあります。宇和は、少々不思議な地形になっています。宇和の特徴を見ていきましょう。


 宇和は盆地にできた町です。盆地なのですが、肱川の最上流に当たります。肱川の源流は鳥坂峠(標高460m)で、盆地の北側の山地にあります。盆地の標高も200mという、高い位置に広がっています。
 宇和盆地からは、北南に幹線道路や鉄道が繋がっています。南は、国道56号線も自動車道、JR線も宇和島に向かいますが、険しい山を越えていきます。北には、北東にある大洲か北西にある八幡浜に抜けることになり、こちらも険しい山地を乗り越えていくことになります。
 盆地の西は宇和海に近いのです山があります。肱川は、海とは逆方向の東に向かって流れていきます。肱川は一級河川で、本流は103kmの長さがあります。「つ」の字、肘のように曲がっているため、源流から河口まで18kmしかありません。四国山地に源流をもった多数の支流が流入しています。
 肱川の宇和盆地から下流側には、険しい山地が続きますが、侵食が進んでおり、深いV字谷になっています。しかし、侵食が進んでいるため、河川の傾斜はゆるくなっており、ゆるい流れとなっています。昔は海運に利用されていました。
 なぜ、山地の中に宇和盆地ができたのでしょうか。盆地とは、周囲が山に囲まれていることです。山のでき方はいろいろですが、宇和周辺の山は、地質学的な構造運動によってできています。
 宇和盆地は秩父帯と呼ばれる地質になっており、ジュラ紀の沈み込み帯で形成された堆積物(付加体)からできています。盆地の南側は、急な斜面となっています。南斜面は仏像構造線と呼ばれるもので、四万十帯(白亜紀の付加体)と接しています。北側も山地で、御荷鉾構造線と呼ばれるものがあります。秩父帯が三波川変成帯(白亜紀に変成を受けたジュラ紀の付加体)と断層によって接しています。
 両側の境界が構造線により持ち上げられたので、山地となりました。楮線の間には広い谷ができたのですが、下流域にはV字谷で河川は狭くなっています。そのため、侵食によって運ばれてきた土砂が、宇和の谷に堆積していき、埋め立て盆地平野となりました。
 上流部に盆地があり、支流も多いため、雨が大量に一気に降ると、下流の大洲盆地では、たびたび水害に見舞われてきました。今では、野村ダムや狩野川(かのがわ)ダム、支流の河辺川にも山鳥坂(やまとさか)ダムなどが建築され、洪水対策がなされています。しかし、近年の激しい集中豪雨で想定外の災害も発生しています。
 宇和盆地では、稲作が盛んで、稲わらを使ったモニュメントがあちこちつくられています。マンモスやウサギなどみかけました。地域お越しの一貫でもあるでしょうが和みます。

・エアコン・
四国もやっと梅雨明けは終わりましたが、
湿度が高く、暑い日が続きます。
エアコンのつけて寝る日も多くなりました。
先日、大野ヶ原の馴染みに店で話していると
エアコンはないといいます。
窓を開けるとなんとかなるということです。
大野ヶ原の平均気温は
北海道の札幌や帯広と同じくらいです。
そのため、北海道のような気候が
すぐ近くにありました。

・うろうろと・
8月になりました。
下旬からはまた野外調査が再開します。
それまでに論文を仕上げて
投稿しなければなりません。
落ち着いて研究に向かう時期になっています。
しかし、地元をうろうろすることも楽しいので
集中が途切れがちになってしまいます。
注意して、集中していく必要があります。