2020年11月12日木曜日

6_177 ノーベル物理学賞 1:ペンローズ

 イギリスの物理学者のペンローズに、ノーベル物理学賞が決まりました。1931年生まれの89歳での受賞でした。高齢だったのですが、受賞が決まってよかったです。


 毎年10月初旬に、ノーベル賞の受賞者が発表されます。日本のメディアは、受賞候補者を予想して、日本人が受賞するかしないかに、一喜一憂します。日本国籍でなくでも、日本人扱いすることもあります。そして、日本人がいないとなると、ノーベル賞の話題も一気に下火になります。授賞式は、例年、スウェーデンで12月に行われていますが、今年は新型コロナウイルスの蔓延のため、集まることはないので、ますますニュースバリューは下がりそうです。

 ノーベル賞だけでなく多くの賞は、そもそも顕著な功績を残した人物に対して贈られるものであって、国に贈られるものではありません。オリンピックのメダルも、個人や団体の栄誉を讃えたものなのですが、なぜか日本では国がとったメダルの数を気にしています。国の権威を示すことに利用しているようで、どうもいただけませんね。

 さて、今年の物理学賞は、イギリスのロジャー・ペンローズ(Roger Penrose)、ドイツのラインハルト・ゲンツェル(Reinhard Genzel)、アメリカ合衆国のアンドレア・ゲズ(Andrea Ghez)の3名が、同時受賞しました。

 今回のノーベル物理学賞には、個人的に気になることがありました。それは、ペンローズが生きていて受賞できたことです。ホーキングは、2018年に76歳で亡くなっています。生きていれば、ペンローズとの一緒に受賞ができたかもしれません。

 ペンローズは一般向けの書籍をいくつか書いていたので、「心は量子で語れるか 21世紀物理の進む道をさぐる」と「ペンローズの“量子脳”理論―心と意識の科学的基礎をもとめて」は、以前、読んでいました。それで面白いと思いました。ユニークな視点での著書「皇帝の新しい心―コンピュータ・心・物理法則」や「心の影」1と2、「宇宙の始まりと終わりはなぜ同じなのか」などの一般向け書籍は入手していたのですが、積ん読状態になっています。それは、天才ぶりが遺憾なく発揮された内容で、なかなか手強く、簡単には手が出せないものです。

 ペンローズは、不可能図形や平面充填の問題でも有名です。不可能図形として、ペンローズの三角形やペンローズの階段などを考案し、平面充填問題ではペンローズ・タイルと呼ばれ、2種類のタイルをある規則で並べて平面が埋めつくすものです。タイルの不思議な点は、並びに周期性がないという点です。

 ペンローズ・タイルは、理論上のものだと考えられていました。ところが、化学者のシュヒトマンが、周期性を持たない合金を発見し、それまでの結晶の常識を覆えしました。これが、後に「準結晶」と呼ばれるもので、シュヒトマンは2011年にノーベル化学賞はを受賞しました。その時、ペンローズは、非周期的な構造を持つ結晶も存在すると主張したことで援護しました。

 なんといってもペンローズの本業は物理学です。本業での受賞となります。その内容の紹介は次回にしましょう。


・警戒ステージ3・

全国とともに北海道も、コロナの発症者の数が増えています。

北海道では、10月28日に警戒ステージ2に上がりました。

大学でも対応が考えられました。

対面授業では三密を避ける配慮は施されていますが、

さらに学生の席位置を記録していくことになりました。

もし、感染者が確認されたとき、

濃厚接触者の限定ができるような対処です。

感染者数や感染経路不明者、クラスターの増加など、

道が決めた指標によって、

11月7日には警戒ステージ3に上がりました。

札幌の歓楽街の営業時間の短縮要請がでました。

道民への完全な自粛が求められているわけでありませんが、

コロナ対策を十分とる必要がありそうです。

心配ですが、ルールに従って対処するしかありません。


・アメリカ大統領選挙・

混迷を極めたアメリカ大統領選挙も

民主党のバイデン氏に軍配が上がりました。

アメリカ大統領の決定は、

選挙という基本的な仕組みに基づいています。

複雑な仕組みを組み込んでいることや

州毎に独自性があるため、

単純には決着がつかないようです。

泥仕合のようで見苦しくみえますが、

巨大な力をもっている指導者を選ぶのですから

しかたがないのでしょうかね。

次期大統領の次なる政策や方針がどうなるか、

気になるところでもあります。