2019年12月5日木曜日

5_167 系外惑星 2:トランジット法

 TESSの観測方法は、トランジット法と呼ばれるものです。系外惑星を探す方法としては、もっとも一般的なものです。ただし、長所も欠点もあります。TESSは、その欠点を他の観測で補っていきます。

 TESSによる初期的な成果は、前回紹介しました。TESSは、近傍の恒星をターゲットにしています。ターゲットになる恒星は、12等級より明るく、太陽に似た恒星(G型とK型主系列星)、約50万個が対象となっています。1000個の赤色矮星も加わっています。
 TESSの惑星探査法が「トランジット法」と呼ばれるものです。トランジット法とは、恒星の周りを惑星が周ることで、恒星の明るさがわずかですが変化します。この明るさの変化を観測する方法が、トランジット法です。この探査で、地球サイズ以上の惑星、公転周期が60日以内のものが見つかると考えられています。
 今後、多数の地球型惑星を発見していくことと思います。TESSが地球近傍で明るい恒星の探査をしていますので、発見されれば、地球からの別の望遠鏡でより詳しい観測をすることができます。その観測で、惑星の質量や軌道や公転周期、状況などの詳細がわかってくことが期待されます。これが近傍の恒星の探査をする重要な意味です。
 例えば、TESSによって観測された53光年のところにあるHD 21749(レチクル座の方向の8等星)の恒星から、2つの系外惑星が発見されています。それを地上から観測して、惑星「HD 21749 b」は、サイズが地球の約2.7倍、質量は約23倍、表面温度は150℃、公転周期は約36日と推定されました。高温で大きい惑星で、地球とはあまり似ていませんでした。トランジット法では、大きな惑星、恒星近傍の惑星、公転周期の短い惑星の発見がされやすくなります。この惑星の特徴は、今まで発見されたTESSの惑星で、もっとも公転周期の長いものとなっていることでした。
 HD 21749の恒星系からは、もうひとつの惑星「HD 21749 c」が発見されています。この惑星は、サイズが地球の約90%、質量は80%で、地球に似ています。表面が岩石からできている惑星だと考えられています。ただし、公転周期は約8日で恒星に非常に近いところを回っていて、表面温度は約430℃になると推定されています。
 発見された恒星系や惑星のより詳しい観測が、地上の望遠鏡や宇宙望遠鏡でなされることになります。そこで新しい情報が付け加わります。全天を網羅的に観測することが、TESSの役割となります。ご近所の系外惑星のカタログづくりとなるわけです。

・師走・
いよいよ師走となりました。
以前は、いろいろとアセリがあったのですが、
最近はアセリなくなりました。
でも、今も変わらず、師走になると、
1年のたつ速さを噛み締めてしまいます。
年齢のせいでその速さは加速されているようです。
年々すべき仕事が終わることなく続き
日々それに追われているせいでしょうか。
仕事で1年というくくりで、
振り返ることも少なくなりました。
仕事が終わった時が区切りとなるだけです。
そして次なる仕事へと気持ちを切り替えていきます。
そんなとき、エッセイのこのメモは
1年の振り返り役に立っています。
今年のエッセイも残すところ、後3回となりました。

・雨・
北海道はまた、週末から今週はじめにかけて
暖かくなり、雨も降りました。
根雪かと思った雪が、かなり溶けました。
しかし、翌日からはまた冷え込み、雪になりました。
北海道だけでなく、日本の各地で
激しい寒暖の繰り返しが起こっているようです。
体調を壊す人もいることでしょう。
私も少々風邪気味になっていきました。
無理しないで、睡眠と栄養をとるように心がけましょう。