2019年4月25日木曜日

1_165 グランドキャニオンの不整合 2:不整合の形成

 地層には多数の境界があります。不整合も境界です。しかし、地層の境界と不整合の形成は、まったくちがうものです。不整合はどのようなプロセスで形成されていくのでしょうか。

 地層とは、海底に土砂が繰り返し流れ込んで溜まったものです。多くの地層は、一気に短時間にたまります。地層の形成は、陸の近くで常に起こる大地の営みでなされます。不整合は、たまに見つかる珍しいもので、地層に見られる整合とは全く異なったでき方をしています。不整合には、侵食を受けた面があり、その面はでこぼこしたものになります。ここまで前回のエッセイで述べたのですが、今回は不整合の意味を考えていきます。
 不整合にはでこぼこの侵食面があります。それは、その地層が、堆積場から侵食場に変わったことを意味します。侵食が激しいのは陸地ですから、不整合ができるには、海から陸への転換が必要になります。陸地で侵食を受けた後、再び海になって、新たな堆積物が堆積していきます。このような複雑な過程を経た結果、地層の間に不整合ができます。不整合の形成のプロセスは、海と陸と巻き込んだ大地の激しい変動があったことを物語ります。
 通常の整合の地層境界の期間にも、堆積物は一気に形成されますが、それ以外の期間、堆積物はほとんどたまりません。それが地層境界にとなります。地層境界にも多くの時間がかかっているのですが、不整合の形成のための期間は、何桁も違った長い期間に及ぶ変動になるはずです。ただしその期間は詳しく調べなければわかりませんが。
 例えば、造山運動があれば山ができます。長い時間が経過すれば、やがて侵食されていきます。もし、近くで新たな造山運動が起これば、山が海になることもあります。あるいは、海洋プレートの沈み込むようなところでは、海の岩石が陸側に付加したり、陸側の岩石が侵食されたりします。そのような場では、海や山ができたり侵食しされたり、変動の激しい場となります。このような大地の変動場で、山になったり海になったりする作用が起これば、不整合が形成されます。
 では、もし不整合が、安定した大陸中の地層で見つかったら、その地層ができた時代に、非常に大きな変動があったことを意味します。その不整合が、他の同時代の地層でも見つかったとしたら、それは全地球的な地球史上でも大きな変動と結び付けられるのではないでしょうか。
 グランドキャニオンの「大不整合」と呼ばれるものがあります。先カンブリア紀、10億年前より古い時代の地層の上に、不整合でカンブリア紀(約5億4000万年前よりはじまる)の堆積岩が覆っています。その「大不整合」の意味について、新たな考えの報告が、今年の1月にありました。
 それは、次回としましょう。

・春の芽吹き・
今年は3月末から4月当初にも寒い日がありましたが、
暖かくなってきました。
里の雪も排雪場以外ではすべて融けました。
北海道の植物でも、春の進みが感じられます。
春先の草や花が芽吹きはじめています。
フキノトウやツクシなどが一気に咲き出しました。
桜はまだ少し浅いですが、春めいた日が続いています。

・ゴールデンウィーク・
大学では、今週で4月の講義は終わりで、
カレンダー通りに休日を設定していますので、
長いゴールデンウィークになります。
里帰りする学生も多くいるでしょう。
クラブやサークルのある学生は、
帰省することなく、大学で活動してきます。
教員である私は、今週も新しい講義の準備で四苦八苦しています。
ですから、ゴールデンウィークはしばし休憩したいのですが、
どうなることでしょうか。